【授業の目的】
物理学は自然科学,工学など理工系の学問を支える重要な柱の一つであり,力学はその最も根幹をなす分野である。この授業では,理工系の専門教育を受けるために必要な物理の基礎学力(考え方と計算力)を身につけることを目的として,質点の力学を基礎から学ぶ。
【授業の到達目標】
1) 直線運動等の基本的な物体の運動を正確に記述して説明できる【知識・理解】 2) 力と運動に関する概念と基本法則を統一的に理解し,説明できる【知識・理解】 3) エネルギー・運動量・角運動量などの物理量とその保存則を理解し,さまざまな力学現象に適用できる【知識・理解】 4) 微分積分,ベクトル等の必要な数学を習得し,力学現象の記述と解明に使用できる【技能】
【授業概要(キーワード)】
運動学,運動の法則,力学的エネルギー,運動量,保存則,振動,回転
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
理工系分野を専門とする学生が専門教育科目を学ぶために必要な物理「力学」の基礎知識と数学的手法を習得することをねらいとする。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
通常の講義形式で,テキストに基づいて基本概念,法則等を説明し,関連する例題を解いて内容の理解を深める。取り扱う項目の内容と順序は,重要性と授業の進度に応じて,テキストから取捨選択する。適宜,演習課題を出題して授業内容の理解レベルを確認する。
・日程
授業で扱う主要なテーマとその順序は,次のとおりである: 1. はじめに(オンライン授業) --- 授業の進め方とガイダンス 2. ベクトル(大きさと方向,単位ベクトル,成分,スカラー積,ベクトル積) 3. (三角,指数,対数関数の)微分と積分,速度と加速度,等加速度運動 --- 運動学(1) 4. ベクトル量としての力,いろいろな力,摩擦力 5. 運動の法則,運動方程式(微分方程式)とその解法 6. さまざまな運動(自由落下から放物運動まで) --- 運動学(2) 7. 抵抗則と終端速度 8. 運動量と力積,運動量の保存 9. 仕事と運動エネルギー 10. 保存力と位置エネルギー 11. 力学的エネルギーの保存 12. 等速円運動 --- 運動学(3),単振動(ばね) 13. 単振動(単振り子),回転運動と力のモーメント 14. 回転運動の法則,角運動量とその保存,万有引力 15. 惑星の運動,減衰振動,まとめ(質点の力学)と期末試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
指定テキストに基づいて授業を進めるので,参照しながら授業内容をノートに筆記するなど,受身の姿勢で受講しないようにして内容の理解に努める。演習課題のレポートは添削し,返却時に要点や略解等を補足説明するので,力学現象に対する基本的な考え方と計算力の習得に活用する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本授業科目では,次のとおり,授業時間外における予習・復習等の自主的な学修に取り組む。 1) 予習として,次回の授業で扱うテーマについてテキストや参考書にあらかじめ目を通す。 2) 復習として,内容をまとめた自家用サマリーを作成する,テキストの演習問題を実際に解くなどして授業内容と計算力を身につける。 3) 毎回,新しい事項を学ぶので,何を理解できたか,何が理解できないのかを明確にし,オフィス・アワーを積極的に活用する。 4) 出題される演習課題を必ず解いてレポートを提出し,力学現象を記述し,解明する学力の習得に努める。 5) 授業ですべてのことを扱えるわけではないので,テキスト第6章第3節までを読み通して(質点の)力学全体を体系的に学習する。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示したとおり,力学に関する物理量と基本法則を理解し,簡単な問題を解く基礎学力があることを合格の基準とする。
・方法
演習課題を複数回出題し,期末に試験を行う。基本的には,試験(70%),演習課題(30%)の重みで評点とする。
【テキスト・参考書】
テキスト: 原 康夫 著,「基礎物理学シリーズ 力学 〈第2版〉」,東京教学社 参考書: 原 康夫 著,「数学といっしょに学ぶ 力学」,学術図書出版社
【その他】
・学生へのメッセージ
この授業では,高等学校等で物理と数学Ⅲを履修していることを前提にはしない。また,内容は高校物理にある「力学」のリメディアルではない。所属学部で専門教育科目の学修に必要となる物理,特に「力学」の基礎学力を習得することを目指す。
・オフィス・アワー
授業に関する学生からの質問は,各回の授業終了後または開始前に受け付ける。その他,WebClassを活用して,随時,質問等には対応する。
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