労働法の現代的課題を考える(人間・共生を考える)
 Labor and Employment Law in Our Society (Diversity and Inclusion)
 担当教員:日原 雪恵(HIHARA Yukie)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科地域公共政策コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
多くの人が身近に関わる労働法の現代的課題の考察を通じて,社会を共に生きるために持っておくべき,人と人,及び,社会と個人の間の「共生」について学び,自らの生き方を考えることを目的とする。

【授業の到達目標】
(1)講義で取り上げる労働法の現代的課題について,概略を述べることができる。 【知識・理解】
(2) 人間,社会について,異なる視点から見直し,常識に捉われない柔軟な思考で討議でき,自らの生き方を考えることができる。【態度・習慣】
(3)労働法の現代的課題にどのようなものがあるか,その背景が何かを調べることができる。【技能】

【授業概要(キーワード)】
労働法,労働者,使用者,雇用差別,ハラスメント,過労死,解雇,正規・非正規間格差,副業・兼業

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は,アクティブ・ラーニングを通じて学生が自ら自分自身を見つめなおし,自らの生き方について多面的に学ぶことを目的として編成される科目である(「人間・共生を考える」)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
05.ジェンダー平等を実現しよう
08.働きがいも経済成長も
10.人や国の不平等をなくそう
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
前半はテキストを1章ずつ読み,教員が解説を行った後,グループディスカッションを行い,議論の成果を発表してもらう。後半はテーマを1つ選択してグループで報告を準備し,最終回に報告してもらう。なお,履修者数に応じて変更する可能性がある。
・日程
第1回(オンデマンド形式でのオンライン授業)を除き,対面で行う予定である。具体的な内容は,履修者数に応じて変更する可能性がある。

第1回 イントロダクション(オンデマンド)

第2回~第11回 テキスト講読・グループディスカッション
第2回  採用の自由
第3回  労働者性
第4回  性差別
第5回  障害者雇用
第6回  高齢者雇用
第7回  ハラスメント
第8回  過労死
第9回  解雇
第10回 正規・非正規の格差
第11回 副業・兼業

第12回~第14回 グループ報告準備
第15回 グループ報告

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
教員の解説を聞き,ノートをとって内容の理解に努める。また,グループディスカッションに積極的に参加し,議論で出た意見を発表したり(前半),グループでの報告をまとめたり(後半)する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
前半の文献講読では,テキストの指定箇所を事前に読み,予習レポート兼コメントペーパーをWebClassからダウンロードして,意見・疑問点等を1つ以上書いてくる(講義の最後にコメントを記載してもらったうえで回収する)。
後半のグループ報告では,講義以外の時間に図書館等で調査を行い,グループでの議論・発表準備に貢献する。

【成績の評価】
・基準
下記の3点を満たすことを合格の基準とする。
(1)講義で取り上げる労働法の現代的課題の概略を説明できる。
(2)労働法の現代的課題について議論を行い,身近な問題を法的に考えることができる。
(3)労働法の現代的課題とその背景,今後の課題等について調査し,グループで報告をまとめることができる。
・方法
講義への積極的参加:40点
テキスト講読のコメントペーパー(予習レポートを含む):3点×10回=30点(内容が不十分な場合,提出しても0点となることがある)
グループ報告(個人でのまとめレポートを含む):30点
なお,正当な理由なく3回以上欠席した者には単位を認定しない。

【テキスト・参考書】
テキスト:森戸英幸=小西康之『労働法トークライブ』(有斐閣,2020)
参考書:森戸英幸『プレップ労働法(第7版)』(弘文堂,2023),原昌登『コンパクト労働法(第2版)』(新世社,2020),水町勇一郎『労働法入門 新版』(岩波新書,2019)

【その他】
・学生へのメッセージ
働くことは身近な問題ですが,働く際に生じる様々な問題を感覚的にではなく「法的に」考え,議論することは,日常会話とは異なります。十分な準備を行い,知識の習得に努めたうえで,それを前提に議論に参加してください。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を日原研究室(人文社会科学部2号館3階)において,授業終了後(月曜日)の14:40~16:00の間に設けます。会議や出張等で不在にすることもあるため,確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。連絡先は,初回の授業でお知らせします。

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