考古学(歴史学)【オンライン】
 Introduction to Archaeology(History)
 担当教員:荒木 志伸(ARAKI Shinobu)
 担当教員の所属:教育企画部
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
考古学における調査方法や基本的な理論について学ぶ授業です。東北地方で発掘された出土文字資料(地下から出土した古文書、木の板や土器に文字や絵が記されたもの)をもとに歴史を読み解き、どのように考古学資料を分析するのか、その方法を学ぶことが目的です。

【授業の到達目標】
1)歴史について、様々な視点から理論的に考察することで、健全な批判精神に裏打ちされた幅広い知識を習得することができるようになります。【知識・理解】
2) 博物館などで、モノを観察する力をつけることができるようになります。【技能】
2)考古学資料(モノ)と文字資料の双方から考察する力や、文献史料を学問的な意味で批判的にみる姿勢を身につけることができます。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
考古学、歴史学、出土文字資料、東北、漆紙文書、木簡、墨書土器

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
本授業は、身近な社会的課題を歴史学の観点から学び、自ら考え生き抜く「人間力」を身につけていくことを目指すものです。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
13.気候変動に具体的な対策を
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
1) この授業は、オンデマンド形式で実施します。
2) テキストは事前に配布します。授業前に各自でダウンロードし、予習をお願いいたします。
3)動画では講義形式で進めていきます。多くの映像資料などパワーポイントを使用しながらわかりやすく解説します。重要な部分は動画内では赤字と下線で示していますので、視聴しながらチェックすると復習や小テスト対策になります。
4)講義終了後、Web Class経由での質問を受け付けます。質問には次の回までに全て回答すると共に、感想等について紹介する時間を設定することで、教員からの一方通行ではない講義形式を心がけたいと考えています。
5) 授業12回分で講義終了後、内容がきちんと理解できているか確認するための小テストを、一定の期間内にWebClass経由で提出する必要があります(5点×12回=60点)。
6) レポートでは、授業内容をふまえて到達目標を図るための課題を出します。評価基準を明示しますので、それに沿って作成してください。
・日程
第1回目 ガイダンス
第2回目 教科書と歴史の記述、文献史学と考古学
第3回目 日本列島における文字の出現    -鏡や刀、金印と文字-
第4回目 出土文字資料(1)漆紙文書①   移住させられた人々のくらし-秋田城漆紙文書-
第5回目 出土文字資料(2)漆紙文書②   古代人の手紙-宮城県多賀城跡と漆紙文書-
第6回目 出土文字資料(3)木簡①     日本人がコメを常食としたのは、いつ頃か-山形・福島・新潟の種子札木簡-
第7回目 出土文字資料(4)木簡②     古代日本列島の「お取り寄せ」グルメ-平城京木簡と東北の特産物-
第8回目 出土文字資料(5)木簡③     古代のパスポート-新潟県八幡林遺跡出土木簡-
第9回目 出土文字資料(6)墨書土器①   全国から出土する土器の文字-東北各県の事例と関東-
第10回目 出土文字資料(7)墨書土器②   昔の人が病気になったら?-顔・長文が記された土器-
第11回目 博物館等の見学
第12回目 石造文化財(1)中近世の考古学① お墓からわかる家のルーツ
第13回目 石造文化財(2)中近世の考古学② 山寺立石寺の調査
第14回目 災害と考古学-現代社会を考える―
第15回目 試験とまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
配布資料(A4サイズ・3~5枚)と、パワーポイントや映像資料を用いながら説明します。考古学や歴史学等の方法と、その思考過程をきちんと理解できているか、明らかになった歴史の意義とはなにか、自ら確認しながら受講してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)シラバスの内容に沿って、普段から書籍、新聞、テレビ報道などで歴史的関心を高めておきましょう。
2)配付資料をきちんと整理し、わからない用語があれば、辞書で調べ、参考文献を読むなどしましょう。

【成績の評価】
・基準
1)毎回の小テストの評価基準は①、②の通りです。
 ①授業内容に関して重要な点をおさえた上で、正しい知識を得られているか ②提出期限を守っているか
2)レポート課題では、授業で学んだ内容をもとに考古学的な資料とはどのようなものか理解できているか、自らの視点をもとに考察し記述できているかを評価基準とします。なお、歴史に関する暗記作業は要求しません。考古学資料やそこから判明する歴史について、自らの言葉で論理的に説明できていることが、合格の基準です。
・方法
1) 小テスト:60点(5点×12回)
2) 山形大学附属博物館の見学にともなう課題とレポート:20点
3) 最終レポート:20点

【テキスト・参考書】
・平川南『よみがえる古代文書』岩波新書、1994
・木簡学会『木簡から古代がみえる』岩波新書、2010
・岡本公樹『東北不屈の歴史をひもとく』講談社、2012
※いずれも参考書ですので、購入は必須ではありません。

【その他】
・学生へのメッセージ
歴史、なかでも考古学に興味関心を持って、授業に臨んでください。高校で日本史を選択していなくても理解できるよう進めたいと考えています。授業内では映像資料などを多く使い、わかりやすい説明を心がけていきたいと思います。
・オフィス・アワー
オフィス・アワーは、オンライン会議システム(Zoom)で対応します(授業や会議等の時間以外)。面談を希望する場合は、事前にWebClassメッセージでご相談ください。質問や問い合わせについても、WebClassメッセージでお送りください。

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