【授業の目的】
高度情報化社会の現代において,私たちの身のまわりには膨大な量のデータがあふれています。たとえば,テレビや新聞の世論調査,広告・CMの「〇〇数NO1!」などのキャッチコピー,インターネットのアンケート調査など,様々なデータを毎日のように目にしていることでしょう。それらのデータを知識なく,自分なりに解釈してしまうことに問題はないのでしょうか?実は,データの裏側には「印象操作」を目的とした作成者の意図や調査の限界が隠れていることがあり,それを知らずに解釈してしまうと,重大な判断ミスにつながってしまうことが多々あります。 そこで役に立つのが統計学の知識です。この授業では,マスコミ等によって伝達されるデータを正しく解釈できるようになること,また,コンピュータで自ら分析したデータに基づき,自身の考えを説明できるようになることを目標にします。 【お知らせ①】統計リテラシー1の授業は水5・6校時,および水7・8校時に開講されますが,授業内容は同じですので,ご自身の都合のよい方を選択してください。 【お知らせ②】さらに詳しい情報については,WebClassの資料をご確認ください。
【授業の到達目標】
1. ヒストグラムや散布図などのグラフを描き,解釈できるようになる。【技能】 2. 平均値や標準偏差などの統計量に基づき,自分の考えを説明できるようになる。【技能】 3. 2つのデータの関連性を分析できるようになる。【技能】
【授業概要(キーワード)】
統計学,データの解釈と記述,コンピュータ演習
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:51~75% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25% D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は統計学の知見に基づく合理的な批判的思考力を養うものです。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
- 情報端末室で,講義とコンピュータ演習を組み合せて進めます。 - 数学があまり得意でない学生にもわかりやすいよう,高校数学の内容を丁寧に復習しながら進めます。 - コンピュータがあまり得意でない学生でもできるよう,前半の授業でExcelの使い方を丁寧に練習します。 - 授業中にグループ内で互いに教え合う「学習グループシステム」を採用し,みんなが授業についていけるようにします。
・日程
第①回 オリエンテーション(なぜいま統計学なのか) 第②回 Excelの基本1(参照,オートフィル) 第③回 Excelの基本2(グラフの作成) 第④回 データを表とグラフにまとめよう(度数分布表,ヒストグラム) 第⑤回 データから統計量を計算しよう1(代表値) 第⑥回 データから統計量を計算しよう2(データの散らばり) 第⑦〜⑧回 中間まとめ 第⑨回 2つのデータの関連性を見出すには1(質的変量の関連性) 第⑩回 2つのデータの関連性を見出すには2(量的変量の関連性) 第⑪回 2つのデータの関連性を見出すには3(相関係数の解釈) 第⑫回 2つのデータの関連性を見出すには4(相関関係と因果関係) 第⑬回 社会調査の仕組み(母集団と標本) 第⑭〜⑮回 期末まとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
- 毎回の授業で提出する課題が成績に大きく影響しますので,すべての授業に出席するよう心がけてください(公欠等の救済措置はあります)。 - パワーポイントで表示される内容は,要点のみノートに筆記して内容の理解に努めてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
- レポート課題は提示されたらすぐに取りかかるようにし,考える時間を十分に取るようにしましょう。 - 演習問題の解答例を確認して答え合わせをし,必要に応じて解答を修正するなど,リフレクションを行うことが大切です。 - 授業時間外での課題作成に約2時間/週,レポートの作成に約6時間/回が必要になります。その他,予習・復習等で約2時間/週の自主的な学修に取り組みましょう。
【成績の評価】
・基準
マスコミ等によって伝達されるデータを正しく解釈できるようになること,およびコンピュータで分析したデータに基づいて自身の考えを説明できるようになることを合格の基準とします。
・方法
1. 受講態度 (20%) 「授業に積極的に参加したか」などを考慮 2. 課題 (30%) 「授業で学んだスキルを身につけたか」などを考慮 3. 小テスト(10%) 「授業内容を理解できたか」などを考慮 4. レポート (40%) 「データに基づいて正しく説明できたか」などを考慮
【テキスト・参考書】
テキストは使用しません。参考書は進度に合わせて授業中に適宜紹介します。
【その他】
・学生へのメッセージ
高校数学の新課程で「データの分析」が必修になって間もないですが,これはちょうど皆さんの世代から統計学が職業上必須になったことを意味しています。実際に統計学は,企業におけるマーケティングや製品開発,国・地方の行政機関による社会調査,学校での教育効果分析,医療現場における診療判断,スポーツでの戦略分析などあらゆる職業において,今後ますます活用が拡大すると予想されています。高校数学の知識が残っているうちに統計学を学び始めれば,後々ずっと楽になりますよ!
・オフィス・アワー
火曜日13:00〜14:00。基盤教育1号館2階E-220号室。連絡先などは初回の授業でお知らせします。
|