【授業の目的】
都市や自然の中における市民の共生の問題とそれに関わる行政について、許認可などの行政上の制度を通じて見て考え、解決に導く道具としての法学(行政法学)に触れる。
【授業の到達目標】
(1)都市や自然の中における開発に関わる行政上の制度のいくつかについてその仕組みを理解し、法学的な手法や思考法に触れる。【知識・理解】 (2)上記を通じて、市民生活における利害対立等の諸相を分析的に理解した上で、考察し、自分の見解を確立することができる。【態度・習慣】 (3)いくつかの例を素にして上記を実践することで、行政や行政法の機能や意義を理解するとともに、社会における問題に応用し、その背景を調べ、考察することができる。【技能】
【授業概要(キーワード)】
行政法、環境・景観、都市計画
【SDGs(持続可能な開発目標)】
11.住み続けられるまちづくりを
【授業計画】
・授業の方法
次のサイクルを3回程度行う。 ①教員が、資料、ビデオ等を用いた講義により、キーワードに関連する具体的な紛争(事例案を(日程)内に示した)を提示し、関係する制度を概説する。また、解決策などレポートに記載すべき課題を出す。 ②受講者は各自紛争のポイントを確認し、課題について検討し、 ③その経緯・結果をレポートとしてまとめ、報告する。 テーマの全てについて、受講者はレポートをまとめ、報告し、提出することになる。また、授業全体を通じて習得したことについての最終レポートを提出する。 基幹科目「市民の行政と共生」と異なるところは、こちらがグループワークの手法を採らない点である。また、扱うテーマが若干異なる可能性がある。
・日程
第1回 ガイダンス 第2~14回 テーマと事例(案)以下から3テーマを選択する A マンション建設をめぐる問題 (日影規制、駐車場問題等) 都市計画制度、建築確認制度、行政指導 B 公共事業と市民参加 ―駅前の市有地に驚きの商業施設が?! PPP、市民参加のいろいろ C リゾート開発を受け入れるべきか? 開発許可制度、環境アセスメント制度、自然環境保護条例 D 増加する空き家をどうするか? 行政代執行、空家等対策計画 第15回 まとめと最終レポート (内容や順序等は変更する場合がある)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
3つ程度の行政上の制度をテーマにして、「授業の方法」に記したサイクルで授業は進行する。 サイクルの②に際して、各受講者は事前に資料等により問題や制度の概要の理解し、疑問があればWebClass等を通して質問をする。 サイクルの③のレポート・最終レポートを書くに当たっては、ノートや配布資料を読み返し、必要に応じて図書館などで調べるなど、全力で臨んでいただきたい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本科目で扱う事例は、情報としては見聞したことはあるかもしれませんが、それを捉える法律学的手法は、受講者にとっては馴染みがないはずです。そこで、授業での説明を理解すること、その知識をもとにして、問題を検討したり、改善策を提案すること、それぞれの過程にそれなりの時間がかかると思われます。 また、レポートでは、各事例についての要約や解決策の提案等をしてもらうことになりますが、その準備作業も必要です。以下にその時間配分の目安を示します。 1)各事例について、授業で説明した内容及び関連する法制度を理解する(3時間×3事例)。 2)レポートの課題について検討し、必要な資料や文献を参照する(6時間×3事例)。 3)プレゼン用資料を作成する(6時間×3事例)。 4)レポートの作成(3時間×3事例)及び最終レポートの作成(6時間)。
【成績の評価】
・基準
レポート、最終レポートについては、1)行政上の各制度の仕組みを理解したか、2)市民生活における利害対立の諸相を分析的に理解した上で、考察し、自分の見解を確立しているか、3)上記を実践することで、市民の共生における行政の機能を理解した上で、社会における問題に応用し、その背景を調べ、考察することができるようになっているか、を基準として評価する。 公開プレゼンは、内容を明確に示しているか、聞き手の理解に資するように配慮しているか、を基準として評価する。
・方法
レポートの内容(3回程度) 45% 公開プレゼン(1~2回程度) 20% 最終レポートの内容 35%
【テキスト・参考書】
【テキスト】 特に指定しない 【参考書】 その都度紹介します。
【その他】
・学生へのメッセージ
・履習にあたっての留意点 履習にあたっての留意点として、行政に関する問題に興味が持てない人というのは必ずいます(学生時代の私もそうでした)。そのような人は、ついてくるのは困難でしょう。
・オフィス・アワー
月曜日 14:40~16:10 和泉田研究室 但し、会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前に予約することをお勧めします。連絡先は、初回の授業でお知らせします。
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