地域資料でみる中近世日本(歴史学)
 History of the Middle Ages and the Early Modern Japan from the Viewpoint of Local Matterials.(History)
 担当教員:石黒 志保(ISHIGURO Shiho)
 担当教員の所属:人文社会科学部
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):地域の博物館、また大学・学校・公共図書館での勤務経験があり、資料の探し方やデジタル資料を含めた図書館の使い方等、レポート作成時に必要なスキルを伝えます。
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
地域の歴史や文化が、いかに包括的な日本の歴史と連関するのでしょうか。地域に生きた人たちの声を聞くこと、それは今現在のわたしたちには残された史料から辿るほかありません。声は、史料として文字に書きあらわされ、また歌として詠まれました。
この授業は先人たちが生きたこの国の歴史を、いかに自らの歴史として考えることができるのか、それを目標としています。

【授業の到達目標】
1)自身の出身地、または関心ある地域の歴史について説明することができる【知識・理解】
2)自身と地域の歴史を関連づけて考えることができる【態度・習得】
3)興味ある事象について自身で調査し、文章で表現することができる【技能】

【授業概要(キーワード)】
日本中近世史 地域資料 アーカイヴ 置賜地方 米沢藩

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:51~75%

【科目の位置付け】
この授業は地域の歴史を学ぶことを通じて、さまざまな社会や文化が形成されてきたことを理解するとともに、この国に生きる一人の人間として他者及び多文化と共生し、また自らの生をいかに生きるか、深慮することができる考察力を身につけることを目的とします。(基盤共通教育の基本方針より)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
10.人や国の不平等をなくそう

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイント及びWebより史料を解説しながら講義を行います。事前に講義で使う史料について明示するので、受講生は事前に史料や参考文献を読み、受講することを勧めます。
都度、授業で使用した史料について自分の考えをまとめたコメントの提出をしてもらいます。
・日程
第1回:ガイダンス(オンライン授業)
第2回:山形県内における地域資料の保存の歴史
第3回:さまざまなる日本
第4回:言葉について―米沢本「沙石集」を読む
第5回:「歴史」を語る琵琶法師
第6回:置賜地方の中近世
第7回:連歌師の活躍―米沢本「百人一首抄」
第8回:教養としての漢詩文―直江兼続を中心に
第9回:山形県内の藩校、その役割
第10回:藁科立沢「鶴城四時歌」を考える
第11回:「霊前勧進詩歌」を詠む
第12回:米沢商人の「おくのほそ道」行脚①
第13回:米沢商人の「おくのほそ道」行脚②
第14回:米沢藩士のお花見―「桜谷百首」を詠む
第15回:まとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
資料を読み込み、その背景にある歴史的事象について深く考えてみてください。耳慣れない言葉も辞書を引き、ひとつひとつ丁寧に訳してみてください。先人たちが何を伝えようとしているのか、紐解いてみましょう。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習としては、次の授業で使う史料を伝えますので、【テキスト・参考書】にあげたデジタルライブラリーでその史料を確認し、参考文献等を読んできてください。
授業後、もう一度その史料には何が書かれているのか熟読した上で、その史料が書かれた時代はどのような時代であったのか考察してください。(週2時間程度)

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した3つの目標を達し、以下の条件を満たすレポートの提出を持って評価します。
1)地域資料がどこに保存されているのか、探すことができる
2)その地域資料にはなにが書かれており、地域の歴史といかに関連しているのか考察できる
3)上記2点を用いて、論理的に文章に書くことができる
・方法
授業を聞いて自身の考えを述べるコメントの記入(30点)
地域資料に関する期末レポート(70点)

【テキスト・参考書】
テキスト:授業ごとにレジュメを配布します。
また、下記のWEBサイトに授業で使用する資料(「沙石集」「百人一首抄」「鶴城四時歌」「霊前勧進詩歌」「象潟行」「桜谷百首」)の画像データが公開されています。

市立米沢図書館デジタルライブラリー https://www.library.yonezawa.yamagata.jp/dg/

上記以外のテキストを使用する場合は、事前配布します。

参考書:
『米沢市史』第1巻 原始・古代・中世編、米沢市史編さん委員会編、1997年
『米沢市史』第2巻 近世編1、米沢市史編さん委員会編、1991年
『米沢市史』第3巻 近世編2、米沢市史編さん委員会編、1993年
『米沢市史』第4巻 近代編、米沢市史編さん委員会編、1995年

【その他】
・学生へのメッセージ
授業の題材としては置賜地方の地域史料や詩集を使いますが、歴史、文化、文学といった枠組みに捉われず、自由にその時代に生きた先人たちの声を聞いてみてください。そこから浮かび上がることは、自分とは違う考えでしょうか、同じものでしょうか。一緒に史料を読みながら考えてみましょう。
・オフィス・アワー
初回授業時に連絡先やオフィス・アワーの時間帯をお知らせします。

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