【授業の目的】
山形ゆかりの法学者・法実務家の活動を通して、法に関する学問がどのようにわが国に定着していったかを検討し、法のあり方や法に携わる人間としての生き方について基礎的な知識と教訓とを得ることを目的とする。
【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は、 1)法の存在構造について知ることができる(知識・理解)。 2)法学が対象とする諸分野についてその概要を知ることができる(知識・理解)。 3)立法活動や法廷での活動を通じて法に関するテキストの読み方について知ることができる(技能)。 4)法についての情報を収集し特徴的な議論を身につけることができる(態度・習慣)。
【授業概要(キーワード)】
法の体系、ボワソナード、宮城浩蔵、山下千代雄、安達峰一郎、我妻栄、兼子一、本間喜一、川島武宜、千葉正士
【科目の位置付け】
この授業は、法とその学問について、様々な視点から理論的に考察することで、健全な批判的精神に裏打ちされた幅広い知識を習得するものである。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 05.ジェンダー平等を実現しよう 10.人や国の不平等をなくそう 16.平和と公正をすべての人に
【授業計画】
・授業の方法
講義形式で、法学の諸分野について概観するとともに、各分野に携わった諸学者・実務家の活動を紹介していく。また、関連する資料や法テキストを分析する方法にも触れる機会を得たい。
・日程
1)法と法学について(概論) 2)西欧法の継受(その1・教育機関) 3)西欧法の継受(その2・ボワソナード) 4)教育方法(ボワソナード) 5)刑法と立法活動(宮城浩蔵) 6)民権活動と法(山下千代雄) 7)国際社会と法(安達峰一郎) 8)市民社会と民法(我妻栄・その1) 9)民法と立法活動(我妻栄・その2) 10)裁判と法(兼子一) 11)大学と法(本間喜一) 12)裁判実務と法(学者・実務家の役割) 13)慣習と法(川島武宜・千葉正士) 14)法学者のテキストを読む 15)まとめと試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
配布された資料を確認し、可能な場合には事前に読んでおく。講義内容について積極的に質問し、疑問を解決する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
新聞などを読み、法的問題について日頃から興味を持って接してください。 授業で習った内容に関連することを図書館やネットで自分なりに調べて見てください。
【成績の評価】
・基準
法学の諸分野について、法の構造にそくした理解を示してるかが合格の基準となります。また、立法活動や裁判実務と法との関係を説明できることや、それらについての自分の考えを論理的に記述できることが基準となります。
・方法
法分野の位置付けについて、30点 法に関する法学者・実務家の活動についてその特徴を指摘できるか、30点 自分の意見を論理的に説明することについて、40点 の配点で、記述試験を評価します。
【テキスト・参考書】
テキストには指定しませんが、ボワソナードについては、大久保泰甫『 ボワソナアド : 日本近代法の父』(岩波新書)、池田真朗『ボワソナードとその民法(増補完結版)』(慶応大学出版会)、同『《日本史リブレット人》087.ボワソナード 「日本近代法の父」の殉教』などを参照してください。 我妻栄については、『民法案内――私法の道しるべ』が参考になります。
【その他】
・学生へのメッセージ
法的知識は、市民として必要な教養であり、どんな人でも知っていることが前提とされます。少なくとも、どのような法があるか、検索し、情報にアクセスするための知識は必要とされます。法に関する情報に対してアンテナを張って、市民生活を豊かなものとしてください。
・オフィス・アワー
木曜日14時40から16時10分まで(C2棟人文社会科学部3階高橋(良)研究室)を予定しています。 なお、連絡先kouryou@human.kj.yamagata-u.ac.jpに事前にメールでアポイントメントを取ることで、確実に面談することができます。
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