【授業の目的】
人類はその長い歴史のなかで、様々な感染症と闘い続けてきました。歴史の転換点には感染症によるパンデミックが背景として存在したことも多く、研究上欠かすことのできない重要な視点です。皆さんが、これからの時代を生きていく上で「歴史」からその教訓を学ぶ機会にして頂くことがテーマです。なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して各国や地域で様々な対策が取られていますが「何が正解であるのか、あったのか」について現段階ではわかりません。こうしたことは、長い時間軸でとらえる視点が必要になります。本授業は感染症そのものを詳細に学ぶのではなく、あくまで長い人類の歴史のなかで、与えた影響を自身で考えることができるようになることを目的としています。
【授業の到達目標】
1)感染症の歴史について、正しい知識を得ることができます。【知識】 2)歴史的な観点から感染症を読み解き、現代社会の様相と展望について考察する力を身につけることができます。【技能】 3)感染症に関してSNSや誤ったインターネット情報に惑わされず、自らのきちんとした調査等で客観的な判断ができるようになります。【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
感染症、病気、パンデミック、日本、世界、考古学
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
本授業は、身近な社会的課題を歴史学の観点から学び、自ら考え生き抜く「人間力」を身につけていくことを目指します。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
1) この授業は、オンデマンド形式で実施します。 2) テキストは事前に配布します。授業前に各自でダウンロードし、予習をお願いいたします。 3)動画では講義形式で進めていきます。多くの映像資料などパワーポイントを使用しながらわかりやすく解説します。重要な部分は動画内では赤字と下線で示していますので、視聴しながらチェックすると復習や小テスト対策になります。 4)講義終了後、Web Class経由での質問を受け付けます。質問には次の回までに全て回答すると共に、感想等について紹介する時間を設定することで、教員からの一方通行ではない講義形式を心がけたいと考えています。 5) 授業12回分で講義終了後、内容がきちんと理解できているか確認するための小テストを、一定の期間内にWebClass経由で提出する必要があります(5点×12回=60点)。 6) レポートでは、授業内容をふまえて到達目標を図るための課題を出します。評価基準を明示しますので、それに沿って作成してください。
・日程
第1回目 ガイダンス 第2回目 歴史と感染症 第3回目 縄文・弥生の人骨からみた感染症 第4回目 天然痘 - 奈良時代のパンデミックと大仏建立 - 第5回目 蒙古襲来とペスト 第6回目 麻疹 -平安時代のソーシャルディスタンスと‘免疫’の意識- 第7回目 マラリア -「わらはやみ」を病んだ日本史上の人物、永遠の都・ローマ守った病 - 第8回目 インフルエンザ - 平安時代に天皇も罹患? - 第9回目 スペイン風邪 -感染の波は何度も襲来 - 第10回目 黄熱と野口英世 第11回目 台湾とコロナ対策 -重症急性呼吸器症候群(SARS)の教訓- 第12回目 ウィリアム・H. マクニール『疫病と世界史』に学ぶ 第13回目 ワクチンと副反応、その歴史 第14回目 身近な感染症および感染症と差別問題 第15回目 授業のまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1) 小テストやレポート提出、諸連絡は、すべてWeb Class経由になります。必ず登録をした上で、授業に参加してください。 2) 授業中は重要な点が明確になるよう、その箇所をテキストに下線・赤字で表示しながら説明します。適宜、チェックを入れたりメモを取るなどして受講してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)準備学修に必要な学修時間の目安は4時間/週となりますので、自ら勉強しましょう。 (注)大学院設置基準で,1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが標準と定められています。 2)授業後の課題として指定された小テストは必ず提出するとともに,テキストや参考文献に目を通して,内容の適切な理解に努めてください。 3)与えられた課題を理解できるよう,事前に資料をダウンロードし予習すると共に、図書館やインターネットを活用し情報収集や配布資料の事前学習を行い,自分の考えをまとめておくことを推奨します。 4)回を重ねるごとに知識の連携が必要になるので,テキストや参考書の内容を自分なりに確認するなどして関連づけることが重要です。
【成績の評価】
・基準
1) 毎回の小テストの評価基準は①、②の通りです。 ①授業内容に関して重要な点をおさえた上で、正しい知識を得られているか ②提出期限を守っているか 2) 2回のレポートでは、①授業に関心を持ち、基礎的な知識について正確に取得できているか ②感染症について歴史的観点から、その前後で起きた事象を自身の言葉で論理的に説明できているかなどを、合格の基準とします。
・方法
1)小テスト:60点(5点×12回) 2)最終レポート:40点
【テキスト・参考書】
基本となるテキストは教員が作成し、それをWebClass上で事前配布します。授業動画内でも参考書などを紹介します。 以下は購入必須ではありませんが、授業期間を通じて参考にしてほしいものです。 ・ウィリアム・H. マクニール『疫病と世界史』上・下 (中公文庫) 2007/12/1 ・磯田 道史『感染症の日本史』 (文春新書) 2020/9/18
【その他】
・学生へのメッセージ
新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックにより、私たちの生活は大きく変化しました。過去に生きた人々による感染症克服への道や、それが当時の社会にどのような変化をもたらしたのか、今後どのように考えて行動していくべきなのか、大きく大局的な観点から見通せるようになってください。
・オフィス・アワー
オフィス・アワーは、オンライン会議システム(Zoom)で対応します(授業や会議等の時間以外)。面談を希望する場合は、事前にWebClassメッセージでご相談ください。質問や問い合わせについても、WebClassメッセージでお送りください。
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