【授業の目的】
歴史学は、史料（歴史資料）の分析に基づき、過去の人々の営みを復元しようとする学問である。本講義においては、古代の人々が書き著した文献史料を読解することを通じて、日本古代の歴史に関する基礎的な知識を習得し、教養を深めるとともに、文献を正確に読みこなすための初歩的な能力と、歴史的事象を論理的に考察する態度と能力を養うことを目的とする。
【授業の到達目標】
本講義を受講した学生は、
（１）日本古代の歴史について基礎的な知識を習得し、自らの言葉で説明できる。【知識・理解】
（２）文献史料の読解に親しみ、史料に基づいて歴史について論理的に考察することができる。【態度・習慣】
（３）自ら考察した内容を文章や口頭で適切に発表することができる 。【技能】
【授業概要（キーワード）】
歴史学 日本史 古代史 歴史資料
【学生主体型授業（アクティブラーニング）について】
A-1．ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。：1～25％
B-1．学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。：1～25％
C-1．自分の意見をまとめて発表する機会がある。：26～50％
C-2．事前学習（下調べ、調査等含む）をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。：26～50％
【科目の位置付け】
本科目は、史料をもとに日本古代の歴史を考えることを通じて、過去の事象を論理的・批判的に捉える視座を培うとともに、幅広い教養の習得に寄与すべく開講される科目である。
【SDGs（持続可能な開発目標）】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
（１）事前に次回の講義で取り扱う史料を提示する。受講生は、講義までに、その内容について解釈を作成しておく。事前に発表者を指名するので、発表者は、自らの解釈をレジュメの形に纏め、WebClassにて提出すること。
（２）講義内においては、発表者の報告内容をもとに、教員が解説を加える形にて、史料の読み方や扱い方、それぞれの史料の持つ歴史的意義や背景などについて学ぶ。発表者以外の受講生にも発言を求める。
(３)毎時講義の終盤には、コメントを作成し、講義の感想や疑問点について纏める。提出されたコメントの中で特に意欲的なものについては、次回の講義の冒頭にて紹介し、受講生間で共有する。それにより、理解度の深化を図る。
・日程
下記の日程を予定しているが、受講生のコメント内容や問題関心などに応じて、講義内容を変更することもある。
第1回：ガイダンス
第2回：日本古代史料概観
第3回：倭国の成立
第4回：飛鳥の王権と東アジア
第5回：大化の改新
第6回：律令国家の形成
第7回：奈良時代の政治過程
第8回：中間まとめ・期末レポートの進め方
第9回： 律令国家の土地支配
第10回： 奈良時代の宗教と文化
第11回： 律令国家と東北
第12回：平安初期の政治過程
第13回：平安時代の宗教と文化
第14回：摂関政治と貴族社会
第15回：まとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
受講の際には、自らの予習の内容と対照させながら、発表者の報告内容と教員の解説に耳を傾けるようにする。予習の際に生じた疑問点などについては、講義中に積極的に発言し、解消するよう努めること。
・授業時間外学習（予習・復習）のアドバイス
本講義では、以下の課題等を課す。単位制度の実質化のため、授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組まれたい。
（１）準備学修に必要な学修時間の目安は以下のとおりである。
【4.5】時間／週 （注）大学設置基準で、１単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが標準と定められている。
（２）予習の際には、事前に配布された資料や参考書などをもとに、次回の講義で取り扱う文献について、解釈を作成しておく。発表者は特に入念な準備を行い、質疑に応えられるようにしておく。発表者以外は、疑問点について控えておき、質問できるようにしておく。
（３）講義後においては、講義内に紹介された参考文献に自ら取り組み、講義内容の理解を深める。
【成績の評価】
・基準
本講義の到達目標に対応し、下記の３点を満たすことをもって、合格の基準とする。
（１）日本古代の歴史について基礎的な知識を習得し、自らの言葉で説明できる。
（２）文献史料の読解に親しみ、史料に基づいて歴史について論理的に考察することができる。
（３）自ら考察した内容を文章や口頭で適切に発表することができる。
・方法
コメント（30点）：毎時コメントの提出を求め、講義内容の理解度と受講姿勢を問う。
発表・討議（10点）：受講生は少なくとも1回、講義内にて発表を行う。その内容をもとに、講義内容の理解度と受講姿勢を問う。
期末レポート（60点）：講義内容の習得の度合いを総合的に測るための期末レポートを課す。
【テキスト・参考書】
【テキスト】
各回の講義資料はWebClassにて配布する。
【参考書】
佐藤信編『大学の日本史 教養から考える歴史へ １古代』（山川出版社、2016年）
『シリーズ 日本古代史』全6巻（岩波書店、2010～2011年）
関晃・井上光貞・児玉幸多編『史料による日本の歩み 古代編』（吉川弘文館、1960年）
その他の参考書については、適宜講義時に紹介する。
また、講義時間外学習の際には、国語辞典及び漢和辞典（何れも高校で使用していたものや電子辞書で構わない）が容易に参照できる環境にあるのが望ましい。
【その他】
・学生へのメッセージ
高校で日本史を学んでいない学生にも理解できる講義を目指しますが、不明な点があれば積極的に質問してください。また、講義にはPCやタブレットなどを持参することをおすすめします。
・オフィス・アワー
火曜日：１２時３０分～１４時３０分（人文社会科学部1号館4階 佐藤真海研究室）
会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。連絡先は、初回の授業でお知らせします。また、上記時間外でも相談を受け付けますが、その際も事前に予約ください。
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