知的障害児の理解と支援
 Education for Mentally Retarded Children
 担当教員:髙橋 幹則(TAKAHASHI Mikinori)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):特別支援学校(知的障害)における教員経験のある教員が、その経験を活かして、知的障害の特徴や教育的対応について実践的に講義する。
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 本授業は、知的障害児の特徴(発達、心理、言語、運動、認知など)に基礎を習得し、その指導方法について専門的な知識を習得することを目的とする。 

【授業の到達目標】
 知的障害児の特徴を理解しながら、そのような子供たちが教育現場においてどのような指導内容・指導方法で指導・支援していくかについて考察していく。また、実際に、教育現場で必要とされる「年間活動計画」「学習指導案」「個別の指導計画」等を実際に記述することにより、授業の構造化を図っていく。
 ①知的障害児への具体的な指導方法を習得できる。
  ②年間活動計画」「学習指導案」「個別の指導計画」等を作成できる。  

【授業概要(キーワード)】
 知的障害児、個別の教育支援計画、個別の指導計画、知的障害特別支援学校、知的障害特別支援学級

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
 特別支援教育分野(障害の理解と支援)の選択科目、特別支援学校教諭専修免許状の選択科目により、特別支援教育の中で知的障害に関する専門性を高めることを目指す。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
10.人や国の不平等をなくそう
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
 講義だけでなく、知的障害特別支援学校での授業のビデオを視聴したり、授業づくりなどの演習も実施する。講義期間中に、教育相談活動や附属特別支援学校で開催される公開研究会等に参加し、現場への知識の還元を視野に入れた取り組みを行う。学習を知識の習得だけに終わらせずに、如何に教育現場で生かしていけるかという応用力に至るまでを身に付けさせる。
・日程
 第1回:障害理解のための基礎知識(特に特別支援教育に関わる教職に必要とされる心理学・教育学の知識と学習意義)
 第2回:知的障害児の認知行動特性(知的障害児の実態把握のための知識習得)
 第3回:知的障害児への教育課程の特徴(特別支援学校と特別支援学級の教育課程)
 第4回:集団編成と指導の構造(集団指導と個に応じた指導、T-T指導)
 第5回:教科別の指導と授業づくり①(国語、算数などの授業、ビデオ視聴)
 第6回:教科別の指導と授業づくり②(音楽、体育などの授業、ビデオ視聴)
 第7回:領域、教科を合わせた指導と授業づくり①(生活単元学習、作業学習などの授業、ビデオ視聴)
 第8回:領域、教科を合わせた指導と授業づくり②(日常生活の指導、遊びの指導などの授業、ビデオ視聴)
 第9回:領域別の指導と授業づくり(自立活動の授業、ビデオ視聴)
 第10回:その他の授業づくり(総合的な学習の時間、特別活動などの授業、ビデオ視聴)
 第11回:事例検討(問題を抱える児童生徒の事例を検討)
 第12回:特別支援学校における学習指導案(書き方と具体的な指導)
 第13回:特別支援学校における模擬学習指導(模擬授業と発表)
 第14回:個別の指導計画の作成(目標、指導内容、指導方法、指導段階、教材教具、評価)
 第15回:卒業後の生活(就業体験、就労、予後の理解)、定期試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
 小・中学校の知的障害特別支援学級の児童生徒の対応、また、その他の障害に知的障害が重複している場合も学んでください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
 知的障害特別支援学校の参観・ボランティア・実習を通して、知的障害児の教育全般を学んでください。

【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度)基準:
 学部卒院生:各障害児の特徴的な内容を理解しながら、その課題を考察し、記述できる。
 現職院生:各障害児の特徴的な内容を理解するとともに、簡略化された個別の支援計画を作成することができる。
・方法
 以下の観点から、授業中の口頭による発表や討論、支援計画のレポートなどを中心に総合的に評価します。
  ①授業における参加態度、プレゼンテーションおよびレポート課題等を総合的に評価する。(40点)
  ②課題発表の内容に創意工夫が見られたか。(30点)
  ③主体的かつ積極的に参加し、設定された目標の到達に向けて努力しているか。(30点)

【テキスト・参考書】
 テキスト:『特別支援学校 小学部・中学部・高等部学習指導要領』」(文部科学省,2017)
 テキスト:『特別支援学校 小学部・中学部・高等部学習指導要領解説」(文部科学省,2018)
 参考書:河合康・小宮三彌編著『特別支援教育と障害児の心理・行動特性』(北樹出版,2017)
 参考書:三浦光哉編著『特別支援学級担任のための学級経営サポートQ&A』(ジアース教育新社,2018(

【その他】
・学生へのメッセージ
 知的障害児の特徴と基本的な指導について、理論と実践の両面から習得するようにしてください。
・オフィス・アワー
 相談がある場合には、事前にメールで連絡をしてください。

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