【授業の目的】
光通信で根幹をなす光素子である半導体レーザを中心に、その材料となる半導体の基本的な性質、素子の構造、動作機構について基本的な知識を習得し、特に高速化に向けて重要となる素子内でのキャリア輸送について理解できるようにする。 この授業を履修することにより、半導体をベースとした発光素子である発光ダイオードと半導体レーザの基礎を理解し、その発光波長、変調方法およびその応用例を習得することができる。また、輸送方程式を使って半導体内の電子、正孔の輸送現象を説明することができ、
【授業の到達目標】
1.半導体の発光の原理について説明することができる。 2.発光波長と半導体のバンド構造の関係を説明することができる。 3.半導体レーザーの構造について説明することができる。 4.材料と発光波長の関係、およびレーザーの応用について説明することができる。 5.半導体内の電子・正孔輸送について説明することができる。
【授業概要(キーワード)】
半導体レーザー、発光ダイオード、光通信、光記録
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
すでに学習している「半導体工学」に関する知識を基にして、IT社会の基盤となる光通信を構成している光素子について学習する。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
講義を中心に、演習特に具体的な数値計算を交えて理解を深めるよう授業を進める。
・日程
第1回 導入:光学素子の用途 第2回 光学の基礎:幾何光学・波動光学 第3回 発光機構 第4回 レーザー発振の原理:反転分布・レート方程式 第5回 各種レーザー:ガスレーザー・固体レーザー 第6回 半導体からの発光:直接遷移・間接遷移 第7回 発光波長の制御:バンドエンジニアリング 第8回 発光波長の制御:ヘテロ構造 第9回 半導体レーザーと発光ダイオード 第10回 発光効率 第11回 半導体レーザーの制御:横モード・縦モード 第12回 半導体レーザー:光通信への応用 第13回 半導体レーザー:光記録への応用 第14回 発光ダイオード:照明応用 第15回 総括と演習
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
この講義は「応用半導体物性」、「光エレクトロニクス」、「光波光学」の内容と密接に関連している。これらの講義を同時に履修することが望ましい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義の内容を充分に復習してに理解できるようにすること。特に具体的な計算ができるように毎回1時間程度自己学習することが必要である。不明な点は次回の講義の時に質問する。
【成績の評価】
・基準
講義内容に沿った演習問題に関するリポートを数回提出してもらい、理解度を判断する。出席状況とリポートの内容を総合的に判断して成績を評価する。
・方法
演習問題を実施するとともに、講義内容に関して各自調査してもらい、その内容のリポートの提出を求める。100点満点中60点以上を合格とする。
【テキスト・参考書】
「半導体レーザ」伊藤良一、中村道治 編 「面発光レーザの基礎と応用」伊賀健一、小山二三夫 編 “Semiconductor Transport” D. K. Ferry
【その他】
・学生へのメッセージ
この講義では皆さんが日常的に使用している電子機器の中で発光素子(発光ダイオードと半導体レーザー)がどのように使われているかを解説しています
・オフィス・アワー
時間帯:毎週金曜日16時から17時まで 場所:8号館219号室
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