本実習は小児看護を専門とする専門看護師（Certified Nurse Specialist）育成のための教育カリキュラムとして行う。実習の目的は，小児専門看護学Ⅱ-①を踏まえ，看護実践の対象者をより広範囲に設定した実習を通し，子どもの支援だけではなく，家族への教示と支持，友人・教育関係者等や，医師・栄養士などコメディカルスタッフとの連携調整などを含む，コーディネーション，コンサルテーションや教育的機能について包括的な看護実践能力を修得し，独立して機能することができるよう学習する。

1.心理的問題や身体疾患を持つ小児に対して家族を含めて倫理的判断及び臨床的判断から統合的にアセスメントできる。
2.アセスメントに基づき，看護問題を診断し，看護介入の方針を策定できる。
3.病棟と連携をとりながら，病棟において困難事例への看護について倫理調整，コーディネーション，教育機能について看護実践できる。
4.関係部署と連携をとりながら、必要な看護介入を実施できる。
5.必要に応じ，保育施設や学校関係者等の関係機関とカンファレンスを実施し，倫理的調整，コーディネーションができる。
6.介入経過の記録を行い，実施した介入を適切に評価できる。
7.看護介入の組織の分析，課題への対応について検討する。

倫理的判断，臨床的判断，コンサルテーション，教育機能，調整機能

D-1．演習、実習、実験等を行う機会がある。：51～75％
D-2．事前学習（下調べ、調査等含む）で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。：26～50％
D-3．習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。：1～25％

臨床看護学の小児看護学に位置づけられる。小児専門看護師教育課程の科目である。

03.すべての人に健康と福祉を

小児科外来に開設している看護外来において，心理的問題や身体症状を持つ小児と家族に対して，包括的なアセスメント，看護診断を行い，子供への看護介入を実施する。
病棟との連携を図り，病棟における困難事例に対するアセスメント及び看護援助を実践する。

実習時期は2年次4月から2月とする。毎週月曜日の13:00～17:00，必要に応じて継続的に実習を行う。複数名の患者を受け持ち以下のプロセスで実習を行う。
1.家族システム理論を活用した家族のアセスメントを実施し，教示的介入や支持，必要に応じ円環的看護介入を実施する。
2.家族・教育関係者等への介入，医師・栄養士などコメディカルスタッフとの連携調整の必要性を判断し，包括的な看護実践を行う。
3.家族や学校他への看護介入は指導教官が主になり行うこととする。
4.介入後はプロセスレコードやアセスメントシートをもとにスーパービジョンを行う。
5.プロセスレコード等の記録から，介入方法や成果について継続的に評価を実施する。
6.受け持ち事例について一連のプロセスからケースレポートを作成する。レポートにはコンサルテーション、教育機能、調整機能、倫理調整のレポートを各１例含むものとする。
7.ケースレポートをもとに，臨床推論や倫理的配慮，医療安全等について総合的に演習形式で学習を深める。さらに他の学生とのグループ討議による事例検討も行う。
8.組織分析を行い，子どもと家族の看護を提供する上での組織・ チーム個人の課題を明らかにし， 個人の課題を明らかにし，看護師・他職種との連携，調整，倫理，相談について検討する。

実習場所は山形大学医学部附属病院小児科外来及び小児科病棟である。
個人情報保護，安全管理に留意して実習をすること。

実習で経験した内容で，不明確な点については図書館等で調べて理解を深めること。

各実習目標について，理解や達成の程度を評価の基準とする。60点以上を合格とする。

実習課題の達成状況の観察評価40点，ケースレポート60点で評価します。

特論と演習で使用したすべての参考図書，及び配布した資料

知的な関心，心のこもった人間的な関心，実践的技術的な関心の3つの関心を持って学習して下さい。

今田研究室において木曜日の16時～17時にオフィスアワーを設ける。連絡先は別途お知らせします。