【授業の目的】
生態学では、個体群や群集の動態、生物の適応機構を明らかにする上で、野外調査や飼育実験等で取得した大量あるいは複雑なデータ解析や、特定のプロセスや条件が生物進化に及ぼす影響を評価するための数値シミュレーションが必要となることが少なくない。この授業では、実際に研究活動を行う上で必要となる分析やシミュレーションの基礎について概説し、実際にPCを用いた演習を行う。
【授業の到達目標】
1) 基礎的なデータ解析や数値シミュレーションの手法が理解できる。【知識・理解】 2) PCを用いて、基礎的なデータ解析や数値シミュレーションを行うことができる。【技能】
【授業概要(キーワード)】
実験計画法,進化,数値シミュレーション,データ解析,学生主体型授業
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
この授業は、生態学に関連した研究活動を行う上で必要な高度で体系的な知識や技能を習得するためのものである(理学専攻のカリキュラム・ポリシー1(2))。
【授業計画】
・授業の方法
液晶プロジェクターや配布プリントを用いて講義を行う。また実際にPCを用いて、やや高度なデータ解析やシミュレーションに関する演習を行う。
・日程
以下の計画に沿って進めるが、受講者と相談の上で内容を変更することがある。 第1回 ガイダンス 第2回 データ分析法1(データ解析の基礎) 第3回 データ分析法2(データ探索) 第4回 データ分析法3(一般化線形モデル) 第5回 データ分析法4(その他の分析法) 第6回 データ解析演習1(データ探索) 第7回 データ解析演習2(一般化線形モデル) 第8回 データ解析演習3(その他の分析法)(1~8回担当:富松) 第9回 対話型講義(性比理論) 第10回 対話型講義(血縁選択) 第11回 統計解析のシミュレーション 第12回 シミュレーション演習1(統計解析) 第13回 遺伝的浮動と自然選択の進化シミュレーション 第14回 シミュレーション演習2(遺伝的浮動) 第15回 シミュレーション演習3(自然選択)(9~15回担当:廣田)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業や課題に対して主体的に取り組むようにしてください。予め、各自のPCにR(やRStudio)をインストールしておく必要があります。Rの操作経験は問いませんが、ある程度は使い方に慣れておくことを勧めます。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取組んでください。 1)自主的な学修時間の目安は4時間/週です。(注)大学院設置基準では、1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが定められています。 2)学部で学ぶ基本的な統計解析手法や進化理論については詳しく解説しませんので、授業時間外で学習(復習)する必要があります。また、授業時に指示する課題に取り組むことを求めます。
【成績の評価】
・基準
1)基礎的なデータ解析や数値シミュレーションの手法が正しく理解できること 2)PCを用いて、基礎的なデータ解析や数値シミュレーションを適切に行うことができること を基準とします。
・方法
授業参加を前提として、課題レポート(100 %)によって評価を行います。
【テキスト・参考書】
教科書は指定しません。他の参考書は授業中に紹介します。 参考書:Crawley、 M.J. 2015. Statistics: An Introduction using R. Wiley.(統計学:Rを用いた入門書. 共立出版) 参考書:久保拓弥 2012. データ解析のための統計モデリング入門. 岩波書店.
【その他】
・学生へのメッセージ
実際の研究活動ではさまざまなデータ解析や数値シミュレーションが求められます。皆さんの要望も取り入れながら、各自の研究活動にも活かせるような授業を目指したいと考えています。
・オフィス・アワー
オフィスアワーと連絡先は、各担当教員の初回の授業でお知らせします。在室時はできるだけ対応しますが、事前に連絡があれば確実です。
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