クォーク・レプトン物理学
 Physics of Quarks and Leptons
 担当教員:吉田 浩司 (YOSHIDA Hiroshi)
 担当教員の所属:学士課程基盤教育機構 教育企画部
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年、2年、3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義・演習
 開講対象:地球共生圏科学専攻(博士後期課程)  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
この世界は何から成り立っていて、それらにはどのような力が働いているのかを知る。

【授業の到達目標】
素粒子・原子核物理学の最新のトピックスのいくつかに触れることにより、問題点の在処、克服されるべき課題を理解し、物理学のフロンティアを展望できる。【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
相互作用、対称性と量子数、フレーバー

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
高度な専門職従事者として十分自立して活動できる能力を身につける。(理工学研究科(理学系)博士後期課程ディプロマポリシー)

【授業計画】
・授業の方法
以下の日程でハドロン物理学およびフレーバー物理学のトピックスについて議論する。
・日程
○ 強い相互作用をする粒子の物理学(第1回―第8回)
第1回 時間反転とスピン/空間反転とパリティ
第2回 光子のスピン/アイソスピン
第3回 共鳴状態と崩壊/ハドロンとバリオン数
第4回 反粒子と荷電共役/奇妙な粒子
第5回 クォーク模型(色・香り・世代)
第6回 クォーク模型(色・香り・世代)2/エキゾチック粒子
第7回 核子・中間子の構造
第8回 クォーク物質の物理学/対称性の部分的回復
○ 弱い相互作用と物理学のフロンティア(第9回―第15回)
第9回 ベータ崩壊とニュートリノ仮説/崩壊確率と弱い相互作用の「強さ」
第10回 ニュートリノの実験的検証
第11回 レプトン数/μ粒子と世代
第12回 パリティ非保存
第13回 中性K中間子とCP対称性の破れ/B中間子の物理学
第14回 ニュートリノ物理学/電弱統一理論
第15回 標準理論とエネルギーフロンティア/フレーバー構造の起源の解明と将来の展望

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
板書、プレゼンテーションは適宜ノートに取ってください。配布プリントにもどんどんメモを書き込んでいきましょう。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
(1) 授業以外の学習時間の目安は4.5時間/週とされています。
(2) 復習に重点を置いた学習を心がけノートを整理してください。
(3) 復習にあたっては授業中に紹介した学術論文の原典にもあたって理解を深めてください。
(4) 単元によって事前学習・調査が必要になります。(内容はあらかじめ指定します。)
(5) 予習復習に下記の参考書も活用してください。

【成績の評価】
・基準
最近の学術論文のいくつかをレポート形式および小テスト(口頭試問)形式でレビューしてもらい、問題点の在処、克服されるべき課題などについて学問の進展に沿った説明ができることが合格の基準です。
・方法
レポート40点+小テスト(含プレゼンテーション/複数回)60点

【テキスト・参考書】
参考書:W. N. Cottingham and D. A. Greenwood (2007) An Introduction to the Standard Model of Particle Physics (Second Edition), Cambridge, UK: Cambridge University Press. (ISBN: 9780521852494)

【その他】
・学生へのメッセージ
歴史的な発見に寄与した実験についてはぜひ原論文を読んで物理学の現場の臨場感を味わっていただきたい。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」は吉田研究室(情報ネットワークセンター2階)において、原則、授業終了後の1時間としますが、これに限らず在室しているときは随時対応します。なお、会議や出張等で不在にする場合もありますので、確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。連絡先は初回の授業時にお知らせします。

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