【授業の目的】
いま、人類はエネルギー問題に直面しています。炭化水素(化石燃料)の燃焼で得られるエネルギーから、再生可能エネルギーへのシフトが進んでいます。一方、生命は大きく分けて光と炭化水素からエネルギーを得て、生命活動を維持しています。ヒトの場合、細胞に取り込んだ炭化水素を酸化し、生体エネルギーとして得て、二酸化炭素として排出します。ヒトというシステムのエネルギー変換効率は、同じ炭化水素を利用する車と比較するとどちらが効率的にエネルギーを得ているのでしょうか。近未来では、我々と同じように、お米(炭化水素)をエネルギー源にしたロボットの方が良いのでしょうか?その時の食料問題は? この講義では、全く新しい技術が、ヒトや社会に及ぼす影響について、受講者と一緒に議論し、生命が利用するエネルギーの理解を深めるとともに利用方法について創造する活動を目的とします。
【授業の到達目標】
1)生体エネルギーを理解し、未踏の問題を自ら探し、その課題を解明、解決する研究計画を立てる事ができる。【知識・理解】 2)生体エネルギー利用に向けた、独創的な想像力を身につける。【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
生体エネルギー,再生可能エネルギー,未来
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
先端的研究の発展に貢献しようとする意欲を持ち、独自の課題を発見し、解決するため 高度な専門的知識と経験を体系的に修得している。(ディプロマー・ポリシーより)
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を 07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
講義前半(1〜7回)において、生体エネルギーについての参考書や論文を取り上げ、生体エネルギーについての理解を深めます。講義後半においては、お米をエネルギーとするロボットや移動手段が普及する社会について、受講者と共にメリットやデメリットを議論し、新しいエネルギー社会の提案に挑戦します。
・日程
第1回 人類の歴史とエネルギー変革について(講義•演習) 第2回 化石燃料を利用する前と後の社会変革について(講義•演習) 第3回 エネルギー変換効率について(講義•演習) 第4回 近未来の社会が求めるエネルギーとは(講義•演習) 第5回 社会で利用される生体エネルギーの事例(講義•演習) 第6回 エネルギー産業の変革(エネルギーの自給自足)(講義•演習) 第7回 ディスカッション(テーマ:近未来が必要とするエネルギーとは) 第8回 お米を燃料とするロボット[システム]を設計してみる(個人演習) 第9回 設計したロボット[システム]の提案(個人演習) 第10回 設計したロボット[システム]の見積もり(グループ演習) 第11回 設計したロボット[システム]の発表(グループ演習) 第12回 お米を食べて動くロボットが社会に及ぼす影響(個人演習) 第13回 お米を食べて動くロボットが社会に及ぼす影響(グループ演習) 第14回 お米を食べて動くロボットが社会に及ぼす影響の発表(グループ演習) 第15回 総括&試験(論文作成)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
生体エネルギーを理解/利用する為には、関連する学術論文を幅広く読み、自らで問題点を見つける力が必要です。その問題点を見つけたら、仮説を立てて直ぐ実験しましょう。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
この講義で考えているだけでなく、実際に手を動かして、自分の仮説を検証しましょう。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した事項を理解した上で、適切に説明できることを合格の基準とします。生体エネルギーの概要を正しく理解し、研究分野における解明すべき課題と解決の為の研究計画を提案できる事を基準とします。
・方法
プレゼンテーション(50%)+講義中の議論(50%)で評価します。
【テキスト・参考書】
細胞の物理生物学(共立出版)
【その他】
・オフィス・アワー
月〜金 9時〜5時
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