【授業の目的】
研究者としての立場で、必要とするピアノ演奏の質を向上させる。自身に必要な知識、技術を多く習得するためのアプローチを考える。
【授業の到達目標】
1.2年次の研究内容も念頭に置きつつ、前期より継続してより多くの作品、作曲家を追究する。 2.ピアノ演奏における基礎的知識、技術の向上を目指す。 3.楽器、楽曲の理解を深め、他者の演奏から得ることから指導、伝達方法を学ぶ。 4.中間発表の演奏会で、研究の成果を発表する。
【授業概要(キーワード)】
楽曲の歴史的観点からのアプローチ,読譜,ピアノという楽器を理解する,個々にあった様々な奏法、技術的向上
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:76~100% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:76~100% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25% D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100%
【科目の位置付け】
課題とする曲は相談しながら決定し、その曲を自身が指導することも踏まえて、読譜を進めていく。時代背景、他作品との比較なども適宜行い、理解を深めてより完成度の高い演奏を目指す。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 05.ジェンダー平等を実現しよう 16.平和と公正をすべての人に
【授業計画】
・授業の方法
聴講可能な個人レッスンで、課題となる曲のアナリーゼをしたうえで、演奏に必要なテクニックを考察しつつ身につけていく。ただ弾くだけではなく、作品、演奏をより深く噛み砕いて、自信を高めつつ、指導についても考えていく。
・日程
第1回:オリエンテーション/2年次の修了研究を考慮しつつ、中間発表の内容に関連のある作曲家または作品を探し、掘り下げ方を勘考する。 第2回:中間発表で演奏する曲の作曲家を決定し、歴史的背景を学ぶ。同時に、可能であれば練習曲を選出、技術向上の手段について方法を考える。 第3回:様々な時代の音楽様式、国ごとの民族性について。 第4回:古楽器的なアーティキュレーションや、言葉と音楽の関わりについて。 第5回: モチーフとテーマ、対旋律とハーモニーの重要性について。 第6回:楽曲の読譜、様式や調性、転調、キャラクターの確認。 第7回:楽曲をさらに細かく分析。楽語や表情記号の意味合いを音楽的に理解する。 第8回:作品における指遣いの重要性について。難所を確認、練習の仕方を勘考。 第9回:作品における拍感の重要性、また、曲の構造や楽曲のキャラクター(歌曲的、舞曲的など)の理解。 第10回:ハーモニーのバランス、共鳴、ダイナミクス、アゴーギクについて。 第11回:カデンツおよび転調に於いて基準になるハーモニーの感覚/テンポ感の確認。 第12回:中間発表の楽曲と同時代、或いは同作曲家の異なる作品を同様に自ら掘り下げてみる。 第13回:暗譜の方法について。目と耳、頭、身体の4つの部分を使う各々の方法について。 第14回:小コンサート形式で演奏。違った楽曲を学ぶ者との意見交換をし、演奏と意見両方の的確な伝え方を学ぶ。 第15回:中間発表演奏前最後の確認。音楽表現が思いのままに出来ているか。一音一音に説得力があるか。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
課題の曲に対し、真摯な気持ちで向かい合う。アナリーゼ、時代背景、作曲者の境遇等も考察しつつ、これまでの経験を活かし、自分を指導していくような考え方で演奏技術をさらに磨いていく。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
忙しくなってきます。ピアノに向かう時間が少なくても、時間を有効的、効果的に使い、集中力を養ってください。
【成績の評価】
・基準
以下の評価の観点に則り、期末試験の結果などを踏まえて総合的に判断し、評価する。 ①授業全体での方向性を理解し努力したか。②授業に積極的であったか③到達目標を達成できたか。
・方法
授業への準備、取り組みの姿勢の評価(出席カード提出)、複数教員による演奏試験の評価により、総合的判断する。
【テキスト・参考書】
バッハの平均率、ショパン、ドビュッシー他エチュード、研究したいと思う作曲家の作品を随時話し合いながら選曲していきます。
【その他】
・学生へのメッセージ
自分の言葉のように音を伝えていけるよう、より一層の考察と技術を磨いていきましょう。
・オフィス・アワー
コンサート、研修等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。連絡先は、初回の授業でお知らせします。
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