サイエンスコミュニケーターB
 Science Communicator B
 担当教員:中森 健之(NAKAMORI Takeshi)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):中森:NPO法人小さな天文学者の会の理事として、宇宙を題材とした科学普及活動を続けている。小谷:サイエンスライターとして、新聞・雑誌・ウェブメディアでの記事執筆や連載の実績に加え、著書も多数。
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
科学技術の面白さやその意義を人に伝えるためは、技術と知識が必要である。そして伝えるということは相手がいて、その相手によって適切なアプローチが変わるだろう。自己満足に終わらない「コミュニケーション」ができるための土台を、実習を通して熟成することが目的である。

【授業の到達目標】
1) 科学教育・科学普及に必要な知識と確かな教育技能を修得している。
2) 科学の社会的意義を次世代に伝える能力を身に付けている。
3) 明確に定めた対象者に対して、適切な科学コミュニケーション活動を企画・実践できる。

【授業概要(キーワード)】
サイエンスコミュニケーション,学生主体型授業

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:26~50%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
科学の専門的な内容とその社会的意義を人々に分かりやすく伝える能力を養成し(CP)、身に付ける(DP)科目

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
05.ジェンダー平等を実現しよう
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
08.働きがいも経済成長も
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
資料文献を使いながらゼミ形式で相互発表と議論をする。広い意味の「科学イベント」企画の立案と実施までのプロセスを共有し相互にフィードバックをかける。集中講義等で現役のサイエンスコミュニケーターから学び、交流する。
・日程
外部講師による集中講義を含むため、開催日程が変則的になる。9月中から掲示には注意してください。
第1回:ガイダンス・導入
第2回-5回: 集中講義・実践サイエンスライティング(1) 科学解説文章の解説:論理的な文章、良いアナロジー/悪いアナロジー、良い形容/悪い形容
第6-17回:ゼミ形式のグループディスカッション。受講人数等により時間数やテーマ数の調整を行う可能性がある。テーマ群の例:[ 科学コミュニケーションの歴史・科学コミュニケーションの考え方、様々な実施形態と具体例、科学技術教育とジェンダー・多様な受け手、科学コミュニケーションの課題、リスク・コミュニケーション、伝える技術・伝わる技術]
第19-23回:サイエンスコミュニケーション現場の声
第23-26回:サイエンスコミュニケーション企画の立案と相互フィードバックによるブラッシュアップ、総括
第27-30回:集中講義・実践サイエンスライティング(2) 本を出版するということ:作家という仕事、印税とは、電子書籍

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
資料文章を事前に予習し、教室全体またはグループでプレゼンテーションと議論、そして教室内でコミュニケーションを行います。実習科目ですので、多くの発言や行動を求めます。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
文献の予習は必要です。自分は何を伝えたいのか、なぜ伝えたいのか、誰に伝えたいのか。どうすればうまく伝えられるだろうか、などを考えるのも良いでしょう。準備学修に必要な学修時間の目安は4時間/週です。

【成績の評価】
・基準
明確に定めた対象者に対して、適切な科学コミュニケーション活動を企画・実践できること。その企画設計で意識したことを言語化して説明できること。他社へ的確なコメントができること、他者からのフィードバックを活用できること。
・方法
以下のいづれかで成績評価を行う。
1)小谷担当分の課題(25%)+中森担当分のプレゼンテーションや議論への参加の積極性(45%)、中森担当分の企画の実施に向けた準備への貢献・企画の完成度と主体性を総合的に評価(30%)を合算する。一部に学生間の相互評価を含む。
2)公共施設やNPO等で科学コミュニケーションの実践活動経験が十分と認められる場合、希望者はレポートによって認定単位を申請することができる。初回のガイダンスに参加して、申し出ること。

【テキスト・参考書】
参考書:
「科学を伝え、社会とつなぐ サイエンスコミュニケーションのはじめかた」 国立科学博物館編 丸善出版
「はじめよう!科学技術コミュニケーション」 CoSTEP編著 ナカニシヤ出版
「科学コミュニケーション論」藤垣裕子・廣野喜幸編 東京大学出版会
他、初回のガイダンスで提示します。

【その他】
・学生へのメッセージ
教室の様子を見ながら試行錯誤と柔軟な調整がありえます。「サイエンスコミュニケーターA」を前提としません。内容の重複があることでも、繰り返すことで経験値を積み上げて厚みを増して下さい。
・オフィス・アワー
オフィス・アワーは月曜の16時30から17時30分、理学部4号館C307とします。これ以外の時間も事前に調整してもらえれば可能です。

31031010-2024-03-30425