【授業の目的】
多数の分子や原子からなる物質のマクロな性質を捉える学問である熱力学を学ぶ。熱力学第一法則(エネルギー保存則)および熱力学第二法則(エントロピー増大の法則)を理解し、これらをもとに、温度、圧力、体積などのマクロな物理量の振る舞いがどのようにして規定されるかを導出する。さらに、実験条件下の状態変化の可能性を表す熱力学ポテンシャルや化学ポテンシャルを導出し、物質の相境界や化学平衡の予測に応用する。また、熱力学が物理的・化学的な考え方の基礎になっていることを理解する。
【授業の到達目標】
1)熱平衡状態を記述する状態量と状態方程式の関係を説明できる。【知識・理解】 2)熱力学第一法則や熱力学第二法則などの基本的な法則が説明できる。【知識・理解】 3)内部エネルギー、エントロピー、ヘルムホルツの自由エネルギーなどの熱力学関数の相互の関係を説明できる。【知識・理解】 4)測定可能な量と熱力学関数の関係を説明できる。【知識・理解】 5)熱力学に関する基本的な問題を解くことができる。【知識・理解】【技能】
【授業概要(キーワード)】
熱力学、熱平衡、マクロ系の熱現象
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、数学、物理学、化学、生物学、地球科学、情報科学などの理学全般にわたる科学・技術の基礎知識を身に付けるための1科目である(理学部ディプロマ・ポリシー)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
主にスライドを使って、熱力学に関する基本事項を解説する。補助的に演習問題(小テスト)を解き、熱力学の理解を深める。
・日程
1.マクロな見方 2.マクロな仕事 3.熱力学座標 4.断熱と透熱 5.エントロピー 6.エントロピー増大則 7.温度と圧力 8.中間テストと中間まとめ 9.熱力学の基本式 10.サイクル過程 11.いろいろな物質 12.熱力学ポテンシャル 13.熱力学ポテンシャルの応用 14.物質の相 15.期末試験とまとめ
なお、各タイトルの回数は授業回数の目安を表したものです。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1) 主にスライドを使って授業を進めます。論理がどう展開していくのか良く見て、聞いてください。 2) 授業中に小テストを行います。理解の確認や復習に活用してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)準備学修に必要な学修時間の目安は、4時間/週です。 2)テキストの関連個所を予め読み、演習問題の回答を試みてから授業に出席してください。またWebClassにより資料を配布しますので予習・復習に役立てて下さい。
【成績の評価】
・基準
熱力学に関する基礎事項を理解し、 1)熱平衡状態を記述する状態量と状態方程式の関係を説明できる。 2)熱力学第一法則や熱力学第二法則などの基本的な法則が説明できる。 3)内部エネルギー、エントロピー、ヘルムホルツの自由エネルギーなどの熱力学関数 の相互の関係を説明できる。 4)測定可能な量と熱力学関数の関係を説明できる。 5)熱力学に関する基本的な問題を解くことができる。 ことを合格の基準とする。
・方法
・期末試験の得点率が中間テストより低かった場合は小テスト(20点)、中間テスト(20点)、期末試験(60点)により評価する。 ・期末試験の得点率が中間テスト以上であった場合は小テスト(20点)、期末試験(80点)により評価する。
【テキスト・参考書】
テキスト:熱力学(岸根順一郎、裳華房)
【その他】
・学生へのメッセージ
高校レベルの微分・積分および力学の知識および応用能力は前提とします。授業中も復習をしますが、初見でついていくのはかなり難しいと思います。事前にしっかりと復習して講義に臨んでください。また、教科書を読み、講義を聴講するだけでは応用能力は身につきません。計算問題を自分で解けるように、繰り返し練習してください。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答えるオフィスアワーは、笠松の居室(理学部棟3号館B301室)にて原則月曜日の10時30分-12時の間に設けますが、これに限らず在室しているときは随時対応します。出張等で不在にする場合もあるので事前にメールで問い合わせてもらえるとより確実です。WebClassによる質問は随時受け付けます。
|