【授業の目的】
生態学は、生物の分布や多様性と、それに影響を及ぼす環境や相互作用について明らかにすることで、生態系を理解しようとする科学である。すなわち生態学は、自然を捉える見方を与えてくれる。近年、身近な生物を守り、増やす重要性が注目されており、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全する目標(30by30)が設けられた。生態系とは何か? なぜ多くの種が共存できるのか? 本講義では、生態学における基本的な概念や理論、方法論について学ぶことを目的とする。
【授業の到達目標】
生態学の基礎的な概念や理論を理解し、説明できる。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
環境,進化,生物多様性,生態系プロセス,相互作用
【科目の位置付け】
生物の基礎学力を身につけることを目的として、生物と環境、および生物どうしの相互作用を理解するための専門的な知識や考え方を習得するための科目である(理学部のディプロマ・ポリシー)。なお、本授業を受講する前に「生物学Ⅰ」および「生物学Ⅱ」を受講すること。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう
【授業計画】
・授業の方法
液晶プロジェクターや配布プリントを用いて講義を行う。テキストや演習課題を用いた時間外学修も求める。
・日程
概ね以下の順序に沿って進める。 第1回 生態学とは 第2回 生態学と進化 第3回 環境と生物の分布(1) 第4回 環境と生物の分布(2) 第5回 生命表と生存曲線 第6回 デモグラフィーと個体群成長(1) 第7回 デモグラフィーと個体群成長(2) 第8回 種間相互作用(1) 第9回 種間相互作用(2) 第10回 生態系におけるエネルギーと物質の流れ(1) 第11回 生態系におけるエネルギーと物質の流れ(2) 第12回 生物群集(1) 第13回 生物群集(2) 第14回 生物群集(3) 第15回 まとめ/期末試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
質問をしたりするなどして、積極的な受講態度で臨んでください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取組んでください。 1)自主的な学修時間の目安は4時間/週です。(注)大学設置基準では、1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが定められています。 2)回を重ねるごとに知識の連携が必要になります。毎回、テキストの関連するページを参照し、内容の理解に務めてください(関連するページは、授業中に指示します)。また、授業時に指示された課題にも取り組むことが求められます。
【成績の評価】
・基準
生態学に関する基礎的な概念や用語、理論について理解し、適切に説明できることを基準とします。
・方法
平常点 20%+課題・小テスト 40%+期末試験 40%で評価する。
【テキスト・参考書】
テキスト:日本生態学会編 「生態学入門 第2版」 東京化学同人、 2012年. 参考書:池内昌彦他(監訳)(2011)エッセンシャル・キャンベル生物学.丸善出版 参考書:Begon、 M.、 Harper、 J.L.、 Townsend、 C.R. 生態学:個体から生態系へ. 京都大学学術出版会、 2013年. その他の参考文献は授業時に指示します。
【その他】
・学生へのメッセージ
生態系では、光合成によって有機物を生産する植物、植物を餌としたり、花粉媒介を担う動物、落ち葉を分解する微生物など、多様な生物の働きによって成り立っています。このような生物の役割や種間関係を学ぶことで、多様な視点から生態系を捉えられるようになることを期待しています。
・オフィス・アワー
授業時間終了後(水曜日の午後 13:00~17:00)を基本としますが、会議等により対応できない場合があります。その場合は別途、時間を相談の上、質問等を受け付けます。また、在室時はなるべく対応します。連絡先は初回の授業でお知らせします。
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