【授業の目的】
地球の歴史には,大陸移動や山脈の形成といった固体地球(岩石圏)の変動の歴史と,その上に広がる気圏・水圏・生物圏の歴史とがある。その痕跡は岩石・鉱物・地層・化石・氷などの地質学的記録媒体中に保存される。他の惑星には知られていない地球特有の生命の歴史も同様に地質学的記録として見出される。この授業では,地球の歴史をひも解く上で鍵となる地質学・古生物学の基礎と,地球の構造,山脈や大陸の形成、太陽系誕生以来の地球表層環境と生命の変遷を概観する。
【授業の到達目標】
1)地質学・古生物学の基礎を理解し,説明できるようになる。 2)変動する地球についての基礎的理解とイメージを持つことができるようになる。
【授業概要(キーワード)】
プレートテクトニクス,地殻変動,地震,火山,地形,地質時代,地層,化石,進化,大量絶滅,気候変動,宇宙,太陽系,気象,海洋,温暖化,自然災害
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
山形大学理学部の教育課程の編成・実施方針(CP)のCP2〜6、および、学位授与方針(DP)のDP3、DP7〜9、DP11に沿うものである。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 13.気候変動に具体的な対策を 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう
【授業計画】
・授業の方法
テキストを使用し,講義形式で授業を進める。適宜プリントを配布したり,画像投影を行う。教育効果を高めるために動画などの映像を用いる場合には,WebClassによるオンデマンド型のオンライン授業も取り入れる。 初回は対面授業を実施する。
・日程
概ね次の項目で進めるが、順番は入れ替わることがある。 第1回:地球の歴史を学ぶ意味・ガイダンス 第2回:地球の構造(地殻・マントル・コア) 第3回:プレートテクトニクス・地震・断層 第4回:地殻変動 第5回:火山とマグマ 第6回:地層と化石 第7回:地質調査法 第8回:古生物調査法 第9回:海洋底調査法 第10回:宇宙・太陽系・地球の誕生 第11回:地質時代(古生代・中生代・新生代) 第12回:生命の歴史・大量絶滅 第13回:気象と気候 第14回:温暖化と異常気象 第15回:地質と災害
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
板書,講話,映像などをしっかりノートに筆記して講義内容の理解に努めること。 映像を撮影してはならない。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
地球の内部構造,プレートテクトニクス,主要岩石(カンラン岩・ゲンブ岩・安山岩・流紋岩・カコウ岩)について調べること。主な地質時代(代紀)の名称と数値年代を暗記すること。授業で扱ったキーワードについて参考書・専門書などで調べて理解を深めること。レポート・筆記テストでは、これらを前提として出題する。
【成績の評価】
・基準
講義の到達目標で示した地質学・古生物学および地球の歴史に関する基本的な概念や用語を正しく理解していることを合格の基準とする。下記参考書レベルの理解が達成されたかどうかを評価基準とする。 本授業では5回を超えて欠席した者は不合格とする。
・方法
小テスト,レポート,期末試験の割合を3:3:4程度とする.到達目標(1)と(2)の割合を7:3程度とする。 オンライン方式(WebClass)の場合には、各回の課題の得点を総合して評価する。
【テキスト・参考書】
テキスト 「ニューステージ新地学図表」浜島書店 参考書 「地球全史スーパー年表」清川昌一・伊藤 孝ほか,岩波書店 「日本列島の誕生」平 朝彦,岩波新書 「生命と地球の歴史」丸山茂徳・磯崎行雄,岩波新書 「やさしい気候学」仁科淳司,古今書院
【その他】
・学生へのメッセージ
本授業科目は、サイエンスコミュニケータープログラム履修者を念頭に、高等学校における「地学基礎」および「地学」に相当する内容の理解を基本的な目標とするが,受講者は地球人にとって必須の地球に関する教養を身につける姿勢で受講してほしい。
・オフィス・アワー
オフィスアワーを本山研究室(理学部4号館4階C406室)において,授業終了後(火曜日)の18:00〜19:00の間に設ける。
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