博物館資料保存論
 Museum Materials Preservation Theory
 担当教員:及川 規(OIKAWA Tadashi)
 担当教員の所属:理学部非常勤講師
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):東北歴史博物館で博物館資料の保存を担当しており,その経験を活かし,実際の資料保存活動を例示しながら,現状の課題や問題点も含めて講義する。
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
文化財は貴重な“国民的財産”であり,それを後世に伝えることは,博物館の重要な責務である。本授業では,文化財が現在に守り伝えられてきた歴史を振り返りながら,博物館資料を将来にわたって保存し,活用できるようにするための,温度・湿度,光,空気,生物などの保存環境管理や考古資料をはじめとする博物館資料の保存処理の方法についての基礎的知識・技術を学修する。
それらについて,担当者が長年歴史博物館で当該業務に従事した経験を活かして,実際の資料保存活動を例示しながら,現状の課題や問題点も含めて解説する。

【授業の到達目標】
①博物館における資料保存について基礎的事項を説明できる。
②資料の保存・展示環境および収蔵環境を科学的に捉えることができる。
③またそれらに基づいて,実際に資料を良好な状態で保存するための基本的な作業を実施できる。

【授業概要(キーワード)】
博物館資料 保存環境 保存処理 学芸員 文化財

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
本科目は、学芸員資格を取得する際に大学において修得すべき文部科学省令の定める博物館に関する科目のうち「博物館資料保存論」にあたる。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
各回,講義の要点を記した資料を配付する。配付資料に基づき,スライドを用いて解説する。
必要に応じて講義の要点をまとめた動画を遠隔で閲覧できるようにし自主的学修活動を支援する。
・日程
第1回博物館における資料保存の意義
第2回資料保存の歴史・体系
第3回資料劣化の要因と対策1a(温・湿度:影響と測定)
第4回資料劣化の要因と対策1b(温・湿度:管理と制御)
第5回資料劣化の要因と対策2(光)
第6回資料劣化の要因と対策3a(生物:生物被害の概要と調査)
第7回資料劣化の要因と対策3b(生物:生物被害の対策)
第8回資料劣化の要因と対策4a(空気質:影響と調査)
第9回資料劣化の要因と対策4b(空気質:管理と対策)
第10回資料の輸送
第11回資料の災害対策
第12回資料の科学的調査
第13回資料の保存処理
第14回資料保存の総合演習
第15回本講義のまとめと博物館資料保存における最近の話題

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
要点をまとめた資料を配付するが,ポイントだけでなく,疑問に思ったこと,さらに詳しく知りたいこと,自分のアイディア等をメモするなど,より主体的な取り組みに努めること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)博物館,文化財,資料保存,修復,学芸員などをキーワードに,新聞等マスコミやインターネットの情報に目を配ること。準備学修に必要な学修時間の目安は4時間/週である。
2)事前に配布される資料保存の歴史・体系についての資料をよく読み,授業の概要を把握しておくこと。
3)毎回の授業の中で示される「学習のポイント」を参考に,要点を整理しておくこと。

【成績の評価】
・基準
博物館資料保存に関する基本的事項を理解していること,それを主体的に活用する応用力を持っていることを合格の基準とします。
・方法
授業期間中に実施する課題[テスト・レポート](60%),取り組み姿勢[学習意欲,質問,コメント,出席率等](40%)等から読み取れる授業目標の達成度について総合的に評価する(課題については観点ごとの配点を授業時に明示する)。

【テキスト・参考書】
・テキスト:自作の教材を配付する。
・参考書:石﨑武志 編著:博物館資料保存論 講談社

【その他】
・学生へのメッセージ
他の学芸員資格取得科目(博物館概論,博物館資料論,博物館実習など)と関連するので,それらの内容をよく復習をしておくこと。
・オフィス・アワー
授業に関する学生からの質問は,各回の授業終了後又は開始前に受け付けます。

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