物理化学実験
 Practical Physical Chemistry
 担当教員:天羽 優子(AMO Yuko)、亀田 恭男(KAMEDA Yasuo)、臼杵 毅(USUKI Takeshi)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:第3ターム  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理学部理学科  科目区分:理学専門科目(化学コースカリキュラム) 
【授業の目的】
物理化学の基礎的な実験を通して、実際に観察される自然現象と物理化学の講義内容との関連付けを行う。熱物性や光学的物性などの測定の原理と方法と得られる情報について理解する。

【授業の到達目標】
1)実験の物理化学的意味を理解し説明できる。【知識・理解】
2)実験操作に入り込む誤差なども含めて、得られた結果を適切に解釈できる。【態度・習慣】
3) 実験のための基礎操作を行える。【技能】

【授業概要(キーワード)】
X線回折、振動分光、凝固点降下、熱力学、構造化学

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100%

【科目の位置付け】
この授業は、物理化学のいくつかの問題について、実験結果に理論を適用し、結果を説明する力を身につけるものである。(理学部理学科のディプロマ・ポリシー3の(1))

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
X線結晶構造解析・振動分光法・凝固点降下の3つのテーマの実験を行う。受講者を3グループに分け、期間中はローテーションし,全てのテーマについて実習する。
・日程
第1回目 班分け,実験ノートとレポートの書き方
第2回目 テキストダウンロード確認,テーマ概略説明
【X線回折】
1日目 X線結晶構造解析についての講義
2日目 X線結晶構造解析の実例、回折データの解析演習
3日目 X線回折実験
4日目 データ解析、まとめ
【振動分光】
1日目 振動分光の基礎と原理についての講義
2日目 赤外吸収スペクトル測定とデータ解析
3日目 ラマン散乱実験とデータ整理
4日目 基準振動計算
【凝固点降下】
1日目 凝固点降下の熱力学的説明
2日目 ナフタレンを溶質としたシクロヘキサンの凝固点降下測定
3日目 ナフタレンを溶質としたシクロヘキサンの凝固点降下測定
4日目 ナフタレンを溶質としたシクロヘキサンの凝固点降下測定 および,実験の基礎理論についての講義
15回目 実験全体のまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
あらかじめ配布されたテキストに従い,実習を行う。測定データや観察した事実を記録するほか,プログラミングに必要なメモや,デジタルデータの整理なども行う。実験には積極的に参加し,作業を分担し,他の人がやっているのを見ているだけにならないように留意すること。
データの記録作業を分担した場合は,実験時間内か,終了後速やかにグループ全員でデータを共有すること。
白衣、保護めがね、上履きを用意する。実験ノート、筆記用具は各自持参する。この他に、テーマ毎に必要な物品等を指示する。実験ノートは,生協で売っている黄色い表紙のものを推奨する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
(1)予習:Webclassで配布するテキストを良く読み,実験の目的や手順を実験ノートにまとめておくこと。
(2)復習:レポートをまとめるために必要なデータの処理,追加の計算,資料収集などを行い,ノートにまとめる。
(3)実験レポート:初回の講義で説明した実験レポートの書き方を参考にし,実験レポートを製作する。レポートは指定された提出日に提出すること。

【成績の評価】
・基準
1)実験の物理化学的意味を理解し説明できる。
2)実験操作に入り込む誤差なども含めて、得られた結果を適切に解釈できる。
3) 実験のための基礎操作を行える。
の項目について,提出されたレポートの内容と,レポート提出時にチェックした実験ノートの記載状況によって評価する。
・方法
各テーマのレポートを100点満点で評価し,平均値を得点とします。
未提出の実験レポートがある場合は単位を認めません。
また、実験ノートの記載が不十分である(都度書かずに後からまとめて書いたり,レポートをまとめるのに十分な情報が書かれていなかったりした場合)は、減点の対象になります。レポートの内容にノートの状況を合算した上で,各テーマの点数を平均し,成績とします。

【テキスト・参考書】
実験テーマごとに,基礎となっている理論や実験の実施方法をまとめたテキストをWebClassで配布します。実験全体の注意事項なども担当教員が資料を作成し,説明するほか,WebClassでダウンロードできるようにします。

【その他】
・学生へのメッセージ
レポートをまとめるにあたって,Wikipediaの利用は禁止します。社会に出てから仕事で書くレポートにWikipediaを使ったらそれだけで信用は無くなります。プログラミングは積極的に身につけて下さい。やりたいことをプログラムに落としこむ考え方は役立ちます。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」は,実験テーマごとの担当教員の居室において,実験日の実験終了後の30分とします。ただし,会議や出張等で不在になることもあるため,確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。連絡先は,初回の授業でお知らせします。

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