生物化学実験
 Practical Biological Chemistry
 担当教員:奥野 貴士(OKUNO Takashi),大谷 典正(OHYA Norimasa),田村 康(TAMURA Yasushi)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:第4ターム  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
細胞機能を制御する生体分子への理解を深めるため、DNAやタンパク質分子に焦点をあて、それら生体分子の分析方法および遺伝子組み換え実験等の生化学実験の基礎を習得することを目的とする。

【授業の到達目標】
1)遺伝子組み換え生物(大腸菌)を安全に取り扱うことができる。【知識・理解】【技能】
2)DNAおよびタンパク質の精製方法について原理を理解し、説明できる。 【知識・理解】
3)遺伝子組み換え実験の手順を説明ができ、安全に実施できる。 【知識・理解】【技能】
4)酵素活性を解析する方法を説明でき、実際に計測/解析ができる。【知識・理解】【技能】

【授業概要(キーワード)】
微生物の取り扱い,クローニング,タンパク質精製,SDS-PAGE,PCR,アガロース電気泳動, 酵素反応,実験レポ-トのまとめ方,学生主体型授業

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:51~75%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:51~75%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:51~75%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
専門分野において修得した知識に基づき、実験結果を主体的に解析/考察する方法を習得する。実験操作および結果についてディスカッションし、課題に対して協同で取り組めるコミュニケーション能力と、社会の要請する課題を独創的かつ柔軟に解決し、その結果を表現する能力を身につけることを目的とする。(理学部ディプロマポリシー)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
数名のグループに分かれて協同で実験を行う。得られた結果を各自で実験レポートにまとめる。
・日程
[PCRの基礎と応用]
第1回:注意事項と説明 及び PCR反応(基礎1)
第2回:アガロース電気泳動法(基礎2)
第3回:プライマー設計と検証(実践1)
第4回:プライマー設計と検証(実践2)
第5回:一塩基多型解析(応用)と 演習

[GFPタンパク質の精製]
第1回:注意事項と実験操作の説明
第2回:大腸菌の培養とIPTGによるタンパク質発現誘導
第3回:アフィニティークロマトグラフィーを用いたタンパク質精製
第4回:SDS-PAGEとCBB染色
第5回:タンパク質の定量とデータのまとめ

[酵素活性の測定と解析]
第1回:注意事項と実験操作の説明
第2回:緩衝液の調整
第3回:検量線の作製と活性の測定(基本)
第4回:活性の測定(応用)
第5回: データのまとめと追加実験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
実験およびレポート作成は、積極的かつ主体的な姿勢を望みます。自分の「手」を使って実験結果を得るように心掛けてください。実験ノートには得られた結果だけでなく、実験過程で気付いた点についても詳細に記録するようにしてください。不注意に扱うと危険な操作や物質がありますので十分な注意を払って実験をしてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
配布資料をよく読み、不明な点は,実験開始前にあらかじめ調べておくこと。また,各実験の終了後、実験結果を整理していない学生が毎年見受けられます。各実験が終了したらまとめるようにし,不明な点は必ず調べて解決するようにしてください。

【成績の評価】
・基準
1) PCR法およびその応用例の原理を理解して、説明できる
2) DNAおよびタンパク質の精製方法について原理を理解し、説明できる
3) 酵素活性を解析する方法を説明でき、実際に計測/解析ができる。
上記の到達目標を達成できていることを実験中及び実験後の課題等から評価します。その中で以下の点も考慮します。
1)実験の目的と方法を理解した上で、共同研究者と協力して実験を実施できること。
2)得られた実験結果について解析と考察を行い、実験レポートとして自らまとめることが出来ること。
・方法
授業の到達目標で示した事項について,授業•実験をとおして得られた知識や経験に基づき主体的に実施,説明できることが合格の基準です。 実験レポートおよび試験(70%)。実験に主体的に取り組む姿勢/意欲を実験中の演習、口頭質問(平常点: 30%)。担当教員(3名)の得点を合計し、成績とします。レポート等の未提出や無断欠席などの場合、合計得点が60%以上でも不可となる場合があります。

【テキスト・参考書】
実験に関する資料は適宜配布します。 D.Voet、 J.G.Voet,C.W.Pratt 著「ヴォ-ト基礎生化学」(第4版)田宮・村松・八木・遠藤 訳(東京化学同人)

【その他】
・学生へのメッセージ
講義で学んだ知識を確認し、活用するためにも実験は重要です。休まずに頑張りましょう。化学実験の基本技術の習得はもちろんですが、自分たちが行う実験によって現象が解き明かされていくことのすばらしさを積極的に学ぶことを希望します。
なお、本実験では遺伝子組換え実験を含みます。
・オフィス・アワー
各回の担当教員の研究室において、月曜日〜金曜日の10:00〜16:00の間に設けます。各教員の研究室は理学部玄関に地図がありますので探してください。または、学務窓口で確認してください。ただし、会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合はWebclass等で事前に予約をお願いします。

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