地球科学野外演習Ⅰ
 Excursions in Geoscience I
 担当教員:加々島 慎一(KAGASHIMA Shin-ichi),井村 匠(IMURA Takumi),伴 雅雄(BAN Masao)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:理学部理学科  科目区分:地球科学コース必修科目 
【授業の目的】
地球科学の野外における調査研究を行う上で必要となる,各種地表調査の基本事項について実習する.多様な野外調査方法の修得と調査結果の総合的な解析ができるようになることをねらいとする.
それぞれの実習目的に適する山形県内や隣県の要地に出かけて,地表調査に必要な基本事項について実習する.例えば,地表付近を構成している代表的な地層や岩石の産状を記載する方法や,大地に記録されている様々な情報の読み取り方を学ぶ.この実習を通して野外調査がどのようなものであるかを体得すると同時に調査を安全に行う方法も学ぶ.

【授業の到達目標】
野外で観察した事物事象を専門的な知識によって説明できるようになる.具体的には,
(1)野外調査活動の基礎知識を身につけている
(2)図表や写真等を自分で工夫して調査結果をレポートにまとめられる
ことを目標とする.

【授業概要(キーワード)】
地形図,地質図,野外調査,地質,安全教育,学生主体型授業(アクティブラーニング)

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:51~75%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100%

【科目の位置付け】
この授業は,実習を中心とした科目であり,専門的知識と技能を身に付け,地球科学分野の先端的な研究内容を理解し,説明できる能力を身に付ける(理学部のディプロマ・ポリシー).2年後期の「地球科学野外演習Ⅱ」および3年前期の「地球科学野外演習Ⅲ」の履修を加えることによって,野外調査の技能をさらに高める.

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
教室での座学をはじめ,大学構内や大学近郊において実習を行う.詳しい日程はガイダンスの際に告知する.日程変更や事前説明会・事後指導が開催される場合はウェブクラスに掲示されるので注意しておくこと.本授業の履修には調査・実習にふさわしい服装や装備が必要になる.費用や履修上の諸注意はガイダンスで説明する(担当:加々島).
・日程
1.ガイダンス・安全教育①(加々島)
2.地形図,地質図(加々島)
3.野外調査道具貸与,クリノメーター使用法(走向傾斜の測り方)(加々島)
4.土曜日実習:盃山①(井村・伴)
5.地質図学の基礎(加々島)
このほか実習に関する事前事後指導がある.

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
野外での実習の際は,野外調査にふさわしい服・靴などを着用すること.調査道具等についてはガイダンスおよび事前説明会で確認すること.
大学から貸与する道具は,ヘルメット,ハンマー ,クリノ メーター,ルーペの4点であり,このほか雨具,調査カバン,野帳 ,画板,軍手・皮手袋などは個人で用意すること.いずれもガイダンスの際に説明する.
履修に際しては,2年前期の地質・古生物学Ⅰ,岩石・鉱物学Ⅰ,火山・地球物理学Ⅰ,自然災害科学を履修していることが望ましい.またこの授業に続いて,2年後期の「地球科学野外演習Ⅱ」および3年前期の「地球科学野外演習Ⅲ」を連続して履修することを強く推奨する.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
指定された教科書は必ず目を通すこと.授業時間外学習として,実習での調査結果をレポートとしてまとめる課題を出す.事前に配布される資料をよく読んでおくこと.実習後はすみやかに実習での調査結果を整理しておくこと.

【成績の評価】
・基準
実習に主体的に取り組んだかどうか,地表調査の基本的な技術を修得出来ているかどうか,観察したことを科学的な文書や図表として表現できるかどうかを評価基準とする.到達目標(1)(2)の割合はそれぞれ50%である.
・方法
室内における課題および土曜日日帰り実習のレポートで評価する.病気等やむを得ない理由による欠席については考慮する場合もある.

【テキスト・参考書】
テキスト:天野一男・秋山雅彦「フィールドジオロジー入門」日本地質学会 (編),共立出版

参考書:狩野謙一「野外地質調査の基礎」,古今書院
参考書:坂 幸恭「地質調査と地質図」,朝倉書店 参考書:三梨昴・山内靖喜(編著)「地学ハンドブックシリーズ・2,地質調査 法」地学団体研究会
参考書:天野一男・狩野謙一「フィールドジオロジー6 構造地質学」日本地質学 会(編),共立出版

【その他】
・学生へのメッセージ
地球科学コースカリキュラムに登録している者を優先する.自然環境の厳しさと美しさを自ら感じ取り,自分自身の安全を確保しつつ環境を破損することのない堅実な調査手法を身につける.事前の事物や現象を科学的に観察してその姿を的確に記録するなどの,基礎的な訓練を行う.原則として雨天決行.集合解散については事前指導で説明する.野外では安全に特に留意する必要があるため,時間を厳守し,勝手な行動を取らないこと.土曜日実習が他の授業と重なるときは,事前に相談すること.病気等の理由で欠席する際は,必ず事前に本人から担当教員へ連絡すること.
・オフィス・アワー
実習内容についての質問等は,その実習の担当教員に連絡すること.
授業全体についての問い合わせは,加々島に連絡すること(授業日の16:10-16:30,ほか事前連絡あれば別の日時でも対応する).

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