岩石・鉱物学Ⅱ
 Petrology and Mineralogy II
 担当教員:井村 匠(IMURA Takumi),伴 雅雄(BAN Masao)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 固体地球の大部分を占める火成岩はマグマが固まってできた岩石です。この授業では、火成岩やそれをもたらしたマグマの多様性と複雑な成り立ちを系統的に理解することを目的とします。マグマは地球46億年の歴史の中で絶えず活動してきました。よって、マグマの成因を明らかにすることは地球の成り立ちや歴史を解明することにも繋がります。

【授業の到達目標】
 地球及び地球型惑星のテクトニクスを概観した後、火成岩とマグマの種類及びそれらの成因を詳しく学ぶ。具体的には以下のようにまとめられます。
1)地球型惑星の岩石生成環境を理解し、説明できる。
2)火成岩の種類を理解し、説明できる。
3)マグマの種類を理解し、説明できる。
4)火成岩とマグマの成因を理解し、説明できる。

【授業概要(キーワード)】
火成岩岩石学

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は座学に加えて室内演習を含む科目であり、理学部のディプロマ・ポリシーならびにカリキュラム・ポリシーに基づき、地球科学の中心となる分野の一つである岩石学・鉱物学の理学的専門知識を身につけ、先端的な研究内容を理解し説明できる能力を養成する科目に位置づけられる。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
11.住み続けられるまちづくりを
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
地球の大部分はマグマが固まってできた火成岩で構成されています。その火成岩の多様性やそれを理解するための基礎知識や方法を学びます。その上で、多様な火成岩の成因を解明するプロセスを場合によっては演習も行いながら習得できるように進めて行く予定です。
・日程
第1~7回は井村、第8~15回は伴が担当し、下記の内容の講義を行います。
第1回:地球および地球型惑星を構成する岩石・鉱物、第2回:火成岩の成因的分類、第3回:火成岩の地質産状、第4回:ノルム計算、第5回:鉱物カチオン計算、第6回:中間試験、第7回:中間試験結果返却と解説、補足、第8回:岩石系列と初生マグマの種類、第9回:相平衡状態図と相律、第10回:マグマの地球化学的特徴、第11回:マグマの分化プロセス、第12回:火成岩の組織解析、第13回:マグマの生成と生成環境、第14回:授業のまとめと達成度評価試験、第15回:達成度評価試験返却と解説

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
パワーポイントで示される講義内容は印刷物として配布しますので、授業中に補足し、ファイルにまとめて内容の理解に努めてください。また適宜Web Classにも資料をアップロードしますので確認してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
時間外学習は授業一回につき4時間が目安です。授業外学習として、授業内容の節目にレポート課題を出します。さらに、授業で習った内容に関連することを図書館やネットで自分なりに調べてみると良いでしょう。また、その日に配られたプリントを整理し、また、専用のノートなどに要点をまとめておくと良いでしょう。また、この授業で学んだことをきっかけに、関連する多くの文献を読むようにして下さい

【成績の評価】
・基準
授業を通して得られた知識や経験に基き、地球型惑星のマグマ生成環境を適切に理解でき、火成岩の種類を正しく判断でき、マグマの種類と特徴を正しく捉えることができ、また、マグマや火成岩の成因を適切に理解できるようになることが合格の基準です。
・方法
授業の成績は、第1~5回までの小課題(20%)、中間試験(30%)、第8~12回までの小課題(20%)、達成度評価試験(30%)でそれぞれ評価し、これらの合計点を最終的な総合点とします。

【テキスト・参考書】
テキスト:適宜、プリントを配ります。
参考書:都城・久城著「岩石学」II・III 共立出版1975・1977、久城・荒牧・青木編著「日本の火成岩」 岩波書店1989、巽好幸「沈み込み帯のマグマ学」東大出版会1995、高橋正樹「島弧・マグマ・テクトニクス」東大出版会2000、周藤賢治・小山内康人「記載岩石学」共立出版2002、周藤賢治・小山内康人「解析岩石学」共立出版2002

【その他】
・学生へのメッセージ
授業には積極的に取り組んで下さい。地球科学を学ぶための基本の学問であり、様々なことに関係してきます。基本的な学習をしっかり行ってください。きっと将来的に皆さんのためになります。
・オフィス・アワー
授業終了後の16:10~17:10(教室あるいは理学部4号館5階C504、C506)。その他の時間でも可能な場合があります。相談してください。

32600020-2024-03-36210