野外演習Ⅱ
 Excursions in Geoscience Ⅱ
 担当教員:加々島 慎一(KAGASHIMA Shin-ichi),常松 佳恵(TSUNEMATSU Kae),伴 雅雄(BAN Masao),岩田 尚能(IWATA Naoyoshi),石瀬 素子(ISHISE Motoko),本山 功(MOTOYAMA Isao)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:理学部理学科  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
地球科学の野外における調査研究を行う上で必要となる,各種地表調査の基本事項について実習する.野外地質調査における,より高度な調査能力の修得をめざすほか,弾性波探査などの実習も行う.地表付近を構成している代表的な地層,岩石などの産状を記載する方法や,地震波など大地からもたらされる様々な情報の読み取り方を現地での実習によって体得する.野外で実物を観察したり標本を手に取ることにより,「もの」を調査する重要性を認識する.自然現象を科学的に観察し,的確に記録するための基礎的な訓練をおこなう.自然環境の厳しさと美しさを自ら感じ取り,自分自身の安全を確保しつつ環境を破損することのない堅実な調査手法を身につける.

【授業の到達目標】
野外で観測した事物事象を専門的な知識によって説明できるようになる.具体的には,
(1)野外調査活動の基本を修得し,(2)図表や写真等を自分で工夫して調査結果をレポートにまとめられることを目標とする.

【授業概要(キーワード)】
野外調査,弾性波,地震,地質,安全教育,学生主体型授業(アクティブラーニング)

【科目の位置付け】
この授業は,実習を中心とした科目であり,専門的知識と技能を身に付け,地球科学分野の先端的な研究内容を理解し,説明できる能力を身に付ける(理学部のディプロマ・ポリシー).2年後期の「野外演習Ⅰ」を履修していることを前提とし,この授業を加えることによって,野外調査の技能をさらに高める.

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
山形県内や隣県の下記の場所で,それぞれのテーマに即した日帰りまたは一泊の実習を行う.詳しい日程はガイダンスの際に発表する.日程変更や事前説明会・事後指導が開催される場合はウェブクラスに掲示されるので注意しておくこと.本授業の履修にはバス代・宿泊料などが必要になる.費用や履修上の諸注意はガイダンスで説明する(担当:加々島)
・日程
野外における実習地の予定は次の通りだが、状況に応じて変更することがある.
1.山形市中沢林道:弾性波探査:常松・石瀬・岩田(5月上旬)
2.鶴岡市由良方面:堆積岩,化石調査,柱状図:本山(5月中旬)
3.羽越地域西部(1泊2日):フィールドワーク・トレーニング,火成岩・変成岩調査:加々島・岩田(5月下旬)
4.蔵王山頂:火山地質:伴(6月上旬)
このほか,事前事後指導がある.

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
野外調査にふさわしい服・靴などを着用すること.実習の前後に事前説明会や事後指導があるので必ず出席すること.
調査用具については事前説明会で確認すること.大学から貸与する道具は,ヘルメット,ハンマー ,クリノ メーター,ルーペの4点であり,このほか雨具,調査カバン,野帳 ,画板,軍手・皮手袋,サンプル袋,カメラなどは個人で用意すること.いずれもガイダンスの際に説明する.
履修に際しては,2年後期の野外演習Ⅰを履修していることを前提とする.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
テキストのほか,参考書もできるだけ目を通しておくことが望ましい.
授業時間外学習として,実習での調査結果をレポートとしてまとめる課題を出す.事前に配布される資料を読んでおくこと.事前に予習課題が課される場合もある.実習後はすみやかに実習での調査結果を整理しておくこと.

【成績の評価】
・基準
野外での実習に主体的に取り組んだかどうか,地表調査の基本的な技術を修得出来ているかどうか,観察したことを科学的な文書や図表として表現できるかどうかを評価基準とする.到達目標(1)(2)の割合はそれぞれ50%である.
・方法
全日程のレポート100%で評価する.病気等やむを得ない理由による欠席については考慮する場合もある.

【テキスト・参考書】
テキスト:天野一男・秋山雅彦「フィールドジオロジー入門」日本地質学会(編),共立出版
その他,実習に必要な資料は毎回配付する.
参考書:狩野謙一「野外地質調査の基礎」,古今書院
参考書:坂 幸恭「地質調査と地質図」,朝倉書店
参考書:三梨昴・山内靖喜(編著)「地学ハンドブックシリーズ・2,地質調査法」地学団体研究会
参考書:天野一男・狩野謙一「フィールドジオロジー6 構造地質学」日本地質学会(編),共立出版

【その他】
・学生へのメッセージ
地球科学コースカリキュラムに登録している者を優先する.
自然現象を科学的に観察し,その姿を的確にとらえ,それを解釈して表現する基礎的な訓練を行う.実物を自分の手と目を使って実習しないと身につかない技量の修得をめざす.
原則として雨天決行.別途指定が無い限り,集合は理学部正面玄関前とする.集合は8時20分までとし,8時30分までには出発するので,絶対に集合時間に遅れないこと.弾性波探査実習のみ現地集合となり,雨天順延を検討する場合もある.野外では安全に特に留意する必要があるため,時間を厳守し,勝手な行動を取らないこと.土曜日実習が他の授業と重なるときは,各自事前に相談すること.病気等の理由で欠席する際は必ず事前に本人から担当教員へ連絡すること.
・オフィス・アワー
実習内容についての質問等は,その実習の担当教員に連絡すること.
授業全体についての問い合わせは,加々島に連絡すること(授業日の16:10-16:30,事前連絡があれば別の日時でも対応する).

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