地球物質科学Ⅲ
 Earth Material Sciences III
 担当教員:伴 雅雄(BAN Masao)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
火山ーその分布・噴火現象から噴火予知までー
 火山噴火は我々に地球内部の熱エネルギーのすさまじさを最も身近に実感させる現象であると共に、地球46億年の歴史の中で絶えず続いてきました。この授業では、火山学の基礎知識を学び、地球科学分野の諸問題の解決に役立てる能力を養います。日本は世界でも有数の火山国であり、それをもたらしたマグマの熱エネルギーは地熱発電などにも有効利用されています。その一方で噴火による災害も頻発していることから、火山噴火予知研究についても学びます。

【授業の到達目標】
 火山噴火事例を概観した上で、火山に関する基礎知識を習得し、噴火履歴やマグマの進化について学びます。具体的な到達目標を以下に記します。
1)火山の分布、噴火頻度や有名な噴火事例について理解し,説明できる。
2)火山の型、噴出様式、噴出物の種類について理解し,説明できる。
3)火山の噴火史およびマグマの進化について理解し,説明できる。

【授業概要(キーワード)】
火山、噴火、火山噴出物、マグマ、噴火予知

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
 理学部理学科の学位授与方針(ディプロマー・ポリシー)の7・8・9に、教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)の2・4・5・6に対応する科目です。火山学は学際的な学問なので、鉱物学、岩石学、地質学、地球化学、地球物理学など関連する学問の知識を活用する柔軟性をもつことが望ましいです。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
11.住み続けられるまちづくりを
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
 各回のテーマに関してパワーポイントを用いて説明を行います。パワーポイントのシートは印刷して配布します。また、知識を深めるために簡単な演習を行うことがあります。
・日程
 以下の順に進めて行く予定です。授業内容の節目にレポート課題を出します。
1.火山、噴火とは 2.地球、惑星の火山ー分布,テクトニクスとの関係など 3.最近の噴火例(草津白根、御岳、阿蘇、桜島、霧島など) 4.噴火の頻度(蔵王山、鳥海山など)5.噴火様式1(噴火タイプ概要、イエローストーン) 6.噴火様式2(噴火メカニズム、噴火タイプ)7.噴出物の産状と岩相 1 8.噴出物の産状と岩相2 9.火山体の種類と構造 10.火山体の発達過程 11.火山灰層序学と噴火推移 12.史料火山学 13.マグマ溜りについて 14.火山噴火予知研究 15.授業のまとめと到達度評価

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
 パワーポイントで示される講義内容は印刷物として配布しますので、授業中に補足し、またファイルにまとめて内容の理解に努めてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
 次回のテーマについて参考書で該当する箇所を読んでおくと良いでしょう。また、その日に配られたプリントを整理し、また、専用のファイルなどまとめておくと良いでしょう。時間外学修の時間は4時間/週とされています。

【成績の評価】
・基準
 火山の分布、噴火頻度や有名な噴火事例についての知識や、火山の型、噴出様式、噴出物の種類などの知識を正確に身につけ、火山の噴火史およびマグマの進化について理解できるようになることが合格の基準です。
・方法
 上記目標(1)-(3)への到達度を提出されたレポートの内容と期末試験で評価します。レポート50%、試験50%で評価します。目標毎の割合は、(1)が30%、(2)と(3)それぞれ35%です。

【テキスト・参考書】
テキスト:適宜プリントを配布します。
参考書として次のものがあります:宇井忠英(編)「火山噴火と災害」東大出版会 1997;横山・荒牧・中村(編)「火山」岩波書店 1992; 中村・松田・守屋「火山と地震の国」岩波書店 1995; 下鶴・荒牧・井田(編)「火山の事典」教文堂 1995;巽好幸「安山岩と大陸の起源」ローカルからグローバルへ 東大出版会 2003

【その他】
・学生へのメッセージ
 火山は面白いです。一方で噴火災害にも気を付けなければなりません。多くの皆さんの受講を期待しています。山形には火山が多数存在するので、日頃から気に留めておくと良いでしょう。
・オフィス・アワー
 授業終了後(教室あるいは理学部4号館5階C504)。その他の時間でも可能な場合もあります。相談してください。

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