【授業の目的】
太古の地球環境の変動とその要因について専門的な理解を深めることを目的とする. 地球の歴史(地球史)には,大陸移動や山脈の形成といった固体地球(岩石圏)の変動の歴史と,その上に広がる気圏・水圏・生物圏の歴史とがある.本講義では地球表層部(気圏・水圏・生物圏)の環境変動に焦点を当て,その原因の多くが固体地球(岩石圏)の変動に求められる点に着目する.
【授業の到達目標】
1) 地球環境がどのような時間的空間的スケールで,どのような要因によって変化してきたのかを理解し,説明できるようになる. 2) 環境変動という現象を科学的・俯瞰的に見ることができるようになる.
【授業概要(キーワード)】
全球凍結、パンゲア、大陸移動、白亜紀、温室地球、氷室地球、温暖化、寒冷化、モンスーン、地球軌道要素、気候変動サイクル、LGM、二酸化炭素
【科目の位置付け】
山形大学理学部の教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)のCP2、CP4〜6に対応する.学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)のDP7〜11に対応する.
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 13.気候変動に具体的な対策を 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう
【授業計画】
・授業の方法
プリントを配布し,基本的に講義形式だが,著書・論文の読解なども取り入れ,レポートを課す.教育効果を高めるために動画などの映像を用いる場合には、WebClassによるオンデマンド型のオンライン授業も取り入れる.
・日程
・日程 授業計画 第1回:地球史における地球環境とは 第2回:地球環境をゆさぶる要因 第3回:地球環境変遷史~先カンブリア時代(原始地球の表層環境、スノーボールアース) 第4回:地球環境変遷史~古生代前半(豊かな生命の星への転換) 第5回:地球環境変遷史~古生代後半(パンゲア) 第6回:地球環境変遷史~中生代前半(温室地球) 第7回:地球環境変遷史~中生代後半(カタストロフィーと環境) 第8・9回:地球環境変遷史~新生代前半(温室期から氷室期へ) 第10・11回:地球環境変遷史~新生代後半(寒冷化の時代) 第12・13回:地球環境変遷史~第四紀前半(氷河時代の到来) 第14・15回:地球環境変遷史~第四紀後半(氷期と間氷期)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
板書,講話,映像などをしっかりノートに筆記して講義内容の理解に努めること. 映像を撮影してはならない.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
主要な地質時代(代紀)の名称と数値年代を暗記すること.授業で扱ったキーワードについて参考書・専門書などで調べて理解を深めること. 授業内容で不明な点についても自分で参考書などで調べたり,あるいは翌週の授業までに質問を準備しておくこと.
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標にある地球環境変動の時空間スケールと要因に関する概念や用語を正しく理解していることを合格の基準とする.
・方法
下記参考書「気候変動論」の第4章「第四紀の気候変動」と第5章「地質時代の気候変動」に相当するレベルの理解が達成されたかどうかにより評価を行う.講義内容の理解度とレポートを重視する. 欠席回数が5回を越えた場合は、理由の如何によらず不合格とする. 小テスト,レポート,期末試験を実施し、それらの割合を3:3:4程度とする. オンライン方式の場合には、各回の課題の得点を総合して評価する.
【テキスト・参考書】
参考書 「ニューステージ新地学図表」浜島書店 「岩波講座 地球惑星科学11 気候変動論」住 明正ほか,岩波書店 「現代地球科学入門シリーズ15 地球と生命:地球環境と生物圏進化」掛川武・海保邦夫,共立出版 「第四紀学」町田 洋ほか編著,朝倉書店
【その他】
・学生へのメッセージ
受講者から発せられた疑問や質問をヒントにして授業を組み立てたり組み替えたりすることもあるので、授業の絶え間ない改善のためにも、積極的に発言してほしい.
・オフィス・アワー
オフィスアワーを本山研究室(理学部4号館4階C406室)において、金曜日の12:00〜13:00の間に設ける.
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