地球物質科学Ⅳ
 Earth Material Science Ⅳ
 担当教員:加々島 慎一(KAGASHIMA Shin-ichi)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理学部理学科  科目区分:理学専門科目(地球科学コース) 
【授業の目的】
地殻の主な構成物質である深成岩と変成岩の性質と成因について講義を行う.
深成岩と変成岩は大陸地殻の主要構成岩石である.この授業では深成岩と変成岩の分類法,地質年代,地質環境,成因などについて解説し,地殻の成り立ちを理解する.

【授業の到達目標】
深成岩と変成岩の地質学的,岩石学的,地球化学的な基礎知識を学び習得する.具体的な目標は.(1)深成岩と変成岩の分類法と地球化学的特徴を把握する,(2)深成岩の岩石構造から上昇・貫入過程を推定する方法を学ぶ,(3)花崗岩類の種々の系列・タイプと地質環境との対応関係を理解する,(4)島弧におけるマグマの生成過程を理解する,である。

【授業概要(キーワード)】
大陸の形成,深成岩,変成岩,地殻,上部マントル,マグマの生成

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
地球科学分野の専門的知識を身に付け,先端的な研究内容を理解し,説明できる能力を身に付ける(理学部ディプロマ・ポリシー). これまでに学習した「地球物質科学I(鉱物学),II(岩石学),実験(岩石学実 験)の基礎知識に基づいて,固体地球に関する理解を深める.

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
主にKeynoteで資料を提示し,補足プリントや実際の岩石試料・分析データを使って講義と演習を行う.
・日程
1.ガイダンス,火成岩・火成作用
2.深成岩類の分類,地殻の形成と進化(概説)
3.花崗岩の分類(I-type、 S-type、 磁鉄鉱系列とチタン鉄鉱系列)
4.花崗岩の分類(A-type、 M-type)その他深成岩の分類
5.日本の深成岩・変成岩
6.岩石の構造,マグマの上昇・貫入過程
7.深成岩類の微量元素組成,REEパターン
8.分別結晶作用とマグマの進化
9.Sr,Nd同位体組成
10.沈み込み帯における花崗岩質マグマの生成
11.変成岩・変成作用
12.深成岩・変成岩の解析と大陸地殻形成テクトニクス
13.深成岩・変成岩の解析と大陸地殻形成テクトニクス
14.天然資源としての深成岩・変成岩
15.授業全般に関するとりまとめと期末試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義内容をKeynoteで示すので,ノートに筆記して内容の理解に努めること.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
地球物質科学Ⅰ(鉱物学),Ⅱ(岩石学),実験(岩石学実験)をよく復習しておくこと.
時間外学習として,Excelを用いた計算・作図課題を課します.

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標にある(1)から(4)が達成できたことを合格の基準とする.
・方法
深成岩と変成岩の分類,地球化学的特徴,深成岩の上昇・貫入過程,花崗岩系列,島弧におけるマグマの生成過程に関する基本的な事柄を理解できているかどうかを,ミニッツペーパー・レポート・期末試験にて確かめる.期末試験の点数(50%)とミニッツペーパー・レポート(50%)を総合して行う.目標(1)-(4)の割合は,それぞれ25%ずつである.

【テキスト・参考書】
テキスト:無しですが,岩石系に進む者は岩石学概論は持っていた方が良いです.
参考書:周藤・小山内著「岩石学概論 上 記載岩石学」共立出版
周藤・小山内著「岩石学概論 下 解析岩石学」共立出版
日本地質学会編 フィールドジオロジー7 変成・変形作用
日本地質学会編 フィールドジオロジー8 火成作用
Using Geochemical Data (Rollinson&Pease), Cambridge Univ. Press

【その他】
・学生へのメッセージ
深成岩・変成岩の基礎的な復習から実際の分析データを用いたマグマ進化過程の計算・作図まで行います.岩石の解析から地球を概観する面白さがあります.
・オフィス・アワー
授業後すぐのほか,在室中はいつでも対応しますが,できるだけ事前に連絡をしてください.

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