微生物学
 Microbiology
 担当教員:濵本洋(HAMAMOTO, Hiroshi)、松嵜 葉子(MATSUZAKI Yoko)、下平 義隆(SHIMOTAI Yoshitaka)
 担当教員の所属:医学部医学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):医師として実務経験のある教員が、その診療経験を活かし、微生物が引き起こす感染症について、症例を挙げながら講義、実習を行う。
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:5単位  開講形態:講義
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修 
【授業の目的】
各種微生物(ウイルス、細菌、真菌、寄生虫)の構造、増殖様式と病原性を理解することを目的とする。

【授業の到達目標】
病原体の性状と増殖機構、および感染症の病態を説明できる。
各種微生物(ウイルス、細菌、真菌、寄生虫)の基本的性状と病原性を説明できる。さらに、これら微生物が引き起こす疾患を列挙でき、その病態も説明できる。

【授業概要(キーワード)】
ウイルス,細菌,リケッチア,クラミジア,寄生虫,病原性、治療薬

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
感染症を理解するために必要な基礎医学として微生物学を学ぶ科目である。

<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)>
2.医学知識と問題対応能力(基礎医学)
8.科学的探究(リサーチマインド、課題発見と問題解決)
9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢(生涯学習、自己研鑽)

<医学部教育モデル~コア~カリキュラム(平成28年度改訂版)>
C-3 個体の反応
C-3-1) 生体と微生物
C-3-1)-(1)ウイルスの基本的性状と病原性
C-3-1)-(2)ウイルス感染に対する生体反応・予防
C-3-1)-(3)各種のウイルスの特徴と病原性
C-3-1)-(4)細菌・真菌
C-3-1)-(5)寄生虫

E-2 感染症
E-2-1) 病態 学修目標④~⑦
E-2-2) 診断・検査・治療の基本 学修目標②~④、⑦⑧
E-2-4) 疾患
E-2-4)-(1)ウイルス感染症・プリオン病
E-2-4)-(2)細菌感染症
E-2-4)-(3)真菌感染症と寄生虫症
E-2-4)-(5)院内感染 学修目標①

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
1 ウイルス,細菌(リケッチア、マイコプラズマ、クラミジアを含む)、真菌や寄生虫の構造と増殖機構について解説する。ただし講義では、結論ではなく、一つ一つの概念が体系的に作り上げられていく過程に重点を置く。
2 これらの病原体とヒトの免疫系の間でくりひろげられる戦いの概要や、免疫学的手法を用いた感染症の診断法について解説する。
3 実習ではウイルスや細菌の増殖と定量を行い、レポートを提出してもらう。
・日程
主要な講義テーマと実習テーマは次のとおり。
1.ウイルス学(分類、増殖、定量、進化、ワクチン、診断法、病原性、各論)
2.細菌学(構造、増殖、遺伝学、病原性、化学療法、検査、各論)
3.寄生虫学(総論、各論)
4.真菌学(総論、各論)
5.実習1(2倍階段希釈法とウイルスの定量)
6.実習2(細胞培養法とウイルス感染細胞の観察)
7.実習3(滅菌と細菌の培養・染色)
8.実習4(生菌数測定と薬剤感受性試験)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
前々日までにオンラインで配布する講義資料を活用すること。講義内容をノートに筆記して内容の理解に努める。
実習はあらかじめ配布される実習書をよく読み、実験の方法と結果をノートに記録する。顕微鏡等で観察した内容はスケッチをしてレポートに記載する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
以下に示した参考書を用いての予習を勧める。
配布資料、各自のノート、参考書をもとにした復習を行い、理解を深めて知識を定着させる。

【成績の評価】
・基準
筆記試験、実習レポート、及び講義中に実施する小テストにより総合的に判断する。微生物の性状と増殖機構、および生体防御機構を理解し、その病原性を発揮する仕組み、および、化学療法薬や検査の原理について説明できることが合格基準である。
・方法
筆記試験と実習レポートにより評価し、100点満点で60点以上を合格とする。60点未満の場合、再試験を1回実施する。

【テキスト・参考書】
参考書:標準微生物学(医学書院)、戸田新細菌学(南山堂)、図説人体寄生虫学(南山堂)

【その他】
・学生へのメッセージ
講義で理解できなかった点や疑問点は講義中もしくは終了後に遠慮なく質問してください。微生物学の教科書を一冊手元に置いて、講義日に復習して、疑問点を解消して微生物学の着実な知識を積み重ねてほしい。すべての病原微生物についての講義はできないので、教科書を一冊通読することを勧める。質問したいときには遠慮せずいつでも感染症学講座を尋ねてほしい。
・オフィス・アワー
月~金曜日(除く祝日)9:00-17:00(感染症学講座)

<山形大学で教えていること>
ウイルス学の各論と細菌学の各論で、ウイルスと細菌が引き起こす疾患の病態・症候・診断・治療・予防を教えている。

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