生理学
 Physiology
 担当教員:山崎良彦(YAMAZAKI Yoshihiko)、 藤原浩樹(FUJIWARA Hiroki)、 後藤純一(GOTO Jun-ichi)
 担当教員の所属:医学部医学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):医師として実務経験のある教員が、人体機能の全般的な理解と臓器、器官の生理機能について、講義および実習を行う。
 開講学年:2年  開講学期:通年  単位数:4単位  開講形態:講義
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修 
【授業の目的】
人体の機能を、直接的に生命維持を担う機能(植物系)と、外界に適応して生体を維持する機能(動物系)とに大別して、講義形式で進めて行く。講義は、個体、臓器、細胞および分子レベルに随時視点を移しながら、構造(組織)と物質的基盤(生体物質)に基づいた生理機能を扱う。また、健常の場合ばかりでなく疾患時の病態生理についても言及する。講義が終了してから、講義内容を理解するために、薬理学分野と合同で、生理・薬理合同実習を行う。
人体の生理機能の理解は、将来臨床医学、基礎医学研究あるいは医療行政に携わる場合でも必須となる基礎知識である。本講義のねらいは、健康な人の生理機能とそれを可能にするメカニズムの理解である。

【授業の到達目標】
人体機能の全般的な理解と臓器、器官の生理機能の詳細について、講義および実習を通じ専門的な基礎知識が理解できる。

【授業概要(キーワード)】
動物機能生理学
ニューロンとグリア、膜電位と活動電位、シナプス伝達、神経伝達物質、チャネルと受容体、膜タンパク質、神経回路網、機能局在、シナプスの可
塑性、筋収縮(骨格筋、心筋、平滑筋)

植物機能生理学
血液と体液、腎臓、呼吸と循環、自律神経系、消化器、膵臓、生体の恒常性、ホルモン、内分泌

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
人体の機能に関して、講義および実習を通じ専門的な基礎知識を培う。

<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)>
1.プロフェッショナリズム(医療人としての倫理観、責任感と自己規制、社会的責務)
2.医学知識と問題対応能力(基礎医学、行動科学)
8.科学的探究(リサーチマインド、課題発見と問題解決、研究成果の発表能力)
9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢(生涯学習、自己研鑽、共同学習)

<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)>
C-1 生命現象の科学
C-1-1) 生命の最小単位-細胞

C-2 個体の構成と機能
C-2-1) 細胞の構成と機能
C-2-2) 組織・各臓器の構成、機能と位置関係
C-2-3) 個体の調節機能とホメオスタシス
C-2-4) 個体の発生
C-2-5) 生体物質の代謝

C-5 人の行動と心理
C-5-1) 人の行動
C-5-2) 行動の成り立ち
C-5-3) 動機付け
C-5-4) ストレス
C-5-5) 生涯発達

D-1 血液・造血器・リンパ系
D-1-1) 構造と機能

D-2 神経系
D-2-1) 構造と機能

D-3 皮膚系
D-3-1) 構造と機能

D-4 運動器(筋骨格)系
D-4-1) 構造と機能

D-5 循環器系
D-5-1) 構造と機能

D-6 呼吸器系
D-6-1) 構造と機能

D-7 消化器系
D-7-1) 構造と機能

D-8 腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む)
D-8-1) 構造と機能

D-9 生殖機能
D-9-1) 構造と機能

D-10 妊娠と分娩
D-10-1) 構造と機能

D-11 乳房
D-11-1) 構造と機能

D-12 内分泌・栄養・代謝系
D-12-1) 構造と機能

D-13 眼・視覚系
D-13-1) 構造と機能

D-14 耳鼻・咽喉・口腔系
D-14-1) 構造と機能

E-7 成長と発達
E-7-1) 胎児・新生児
E-7-2) 乳幼児
E-7-3) 小児期全般
E-7-4) 思春期

E-8 加齢と老化

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
≪講義≫
講義は主としてパワーポイントと資料を用いて講義をすすめる。ホームページからも閲覧できるようにする。

≪実習≫
実習形式で行う。実習内容は予習を行い、各担当教員の指示に従う。
・日程
≪講義≫
講義は引き続く2回の講義を、教員が分担して行う(詳細は各ページを参照)。
前期:4月10日から7月24日までの水曜日1~4校時
   7月17日,24日水曜日5,6校時
後期:9月09日から11月25日までの月曜日5~8校時,
   11月27日水曜日5~8校時,11月28日木曜日5~8校時
   10月08日から12月10日までの火曜日1.2校時

≪実習≫
生理・薬理合同実習は12月02日から12月12日までの月、水、木曜日の1~8校時、6回6項目の内容で行う。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義
1)講義中は集中して聴き、その日の講義の重要な用語、内容そして概念を授業の場で把握し理解する。
2)教科書、パワーポイントに示された内容について講義ノートを作成し内容の理解に努める。
3)講義中の私語は厳禁である。

実習
1)班員と協力して積極的な態度で行なうことが必要。
2)実習書をよく読み、目的を理解し手順を確認しながら測定データの記録する。
3)講義で得られた知識を活かし、測定したデータの意味をしっかりと理解する。

※遅刻や途中退席の際は各自事情を説明しなければ出席したとは認めない。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
シラバスで講義の内容を予め確認し、指定教科書の内容を参考にし、講義の概要を把握しておく。
講義時の資料やホームページで早目に復習をし、関連する教科書を読み詳細の理解を深めることを勧める。
回を重ねるごとに知識の連携が必要になるので、教科書や参考書の該当箇所を自分で探し関連づける習慣を身につける。
実習書を良く読み、どのような目的で実習を行うのか理解した状態で実習に臨む。

【成績の評価】
・基準
1)動物機能生理学の基本的な事項を適切に説明できることを合格の基準とする。
2)植物機能生理学の基本的な事項を適切に説明できることを合格の基準とする。
3)班員と協力して実習を実施することができ、さらに指定されたレポートなどを提出する。
4)出席状況、筆記試験、レポートなどが成績評価の対象になる。これらに基づいて総合的に成績を評価する。
・方法
1)講義の出席回数が3/4に満たないものは受験資格を与えない。
2)実習は、6回全部に出席し指定されたレポートなどを提出することが必須。
3)動物機能生理学の基本的な事項および実習の内容に関して筆記試験で合格基準に達すること。
4)植物機能生理学の基本的な事項および実習の内容に関して筆記試験で合格基準に達すること。
5)筆記試験日程は(予定)
前期試験:動物機能生理学および植物機能生理学は以下の日程を予定する。
     動物機能生理学 8月30日 金曜日(予定)
     植物機能生理学 9月 6日 金曜日(予定)
後期試験:動物機能生理学および植物機能生理学は以下の日程を予定する。
     動物機能生理学 1月20日 月曜日(予定)
     植物機能生理学 1月27日 月曜日(予定)

6)再試験について、動物機能生理学と植物機能生理学それぞれの合計が合格の基準に満たない者についてそれぞれ再試験を実施する(一回のみ実施)。
7)最終評価は、各講義担当教員が当該講義の試験等にもとづいて、点数をつけ、実習・レポート・講義出席状況等の成績評価を加味して最終成績を出し、これが60点以上で単位取得とする。

※詳細は担当教員の指示に従う

【テキスト・参考書】
標準生理学:本間研一他編(医学書院)
神経科学:藤井聡監訳(西村書店)
コアカリ生理学(医学評論社)

【その他】
・学生へのメッセージ
遅刻・私語・早退・他の教科のレポート、スケッチなど内職をしないこと。私語を慎み、講義中の飲食は絶対にしてはならない。携帯電話・音楽プレーヤー等の使用は禁止、退出を要求する。

2年次は多くの新しい教科や実習が始まり、時間的な余裕が少なくなる。心身の健康、規則的な生活を心がけ、勉強に十分時間をかけること。毎日の講義と復習を大切にして、これを持続的に積み上げてほしい。
・オフィス・アワー
質問は歓迎する。実験やその他のことで忙しい時は勘弁してもらいたい場合もあるが、出来る限り対応する。

<山形大学で教えていること>
モデルコアカリキュラムの内容に加え、疾患時の病態生理について最新の研究内容を紹介している。

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