生理学 (動物生理機能学)
 Physiology
 担当教員:山崎良彦(YAMAZAKI Yoshihiko)、 藤原浩樹(FUJIWARA Hiroki)、 後藤純一(GOTO Jun-ichi)
 担当教員の所属:医学部医学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):医師として実務経験のある教員が、人体の生理機能のうち動物的機能について、講義および実習を行う。
 開講学年:2年  開講学期:通年  単位数:4単位  開講形態:講義
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修 
【授業の目的】
≪動物機能生理学≫
人体の生理機能のうち主に動物的機能について講義形式で行う。
講義内容の主とするところは、神経機能と内分泌などのシグナルの伝達に基く生体機能の解説をする。ニューロンとグリアの一般細胞生理から始め、神経系の概要、内分泌、感覚系、運動系および高次脳機能を講義する。これらの機能が発揮できるメカニズムや全体として統制のとれた機能が達成される原理について学習する。

【授業の到達目標】
◇ニューロンとグリアについて説明できる。
◇神経系の構造が説明できる。膜タンパク質、膜電位、活動電位、シナプス伝達、軸索輸送について説明できる。
◇感覚系では刺激変換機構、伝導路、中枢神経での情報処理が説明できる。
◇運動系では、筋収縮の機序、脊髄および脳からの運動制御が説明できる。
◇高次脳機能としては、睡眠、記憶と学習、言語などが説明できる。

【授業概要(キーワード)】
ニューロンとグリア、膜電位と活動電位、シナプス伝達、神経伝達物質、チャネルと受容体、膜タンパク質、神経回路網、機能局在、シナプスの可塑性、自律神経系、筋収縮(骨格筋、心筋、平滑筋)、高次脳機能

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
人体の機能に関して、講義および実習を通じ動物機能生理学の専門的な基礎知識を培う

<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)>
1.プロフェッショナリズム(医療人としての倫理観、責任感と自己規制、社会的責務)
2.医学知識と問題対応能力(基礎医学、行動科学)
8.科学的探究(リサーチマインド、課題発見と問題解決、研究成果の発表能力)
9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢(生涯学習、自己研鑽、共同学習)

<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)>

C-1 生命現象の科学
C-1-1) 生命の最小単位-細胞

C-2 個体の構成と機能
C-2-1) 細胞の構成と機能
C-2-2) 組織・各臓器の構成、機能と位置関係
C-2-3) 個体の調節機能とホメオスタシス
C-2-4) 個体の発生
C-2-5) 生体物質の代謝

C-5 人の行動と心理
C-5-1) 人の行動
C-5-2) 行動の成り立ち
C-5-3) 動機付け
C-5-4) ストレス
C-5-5) 生涯発達

D-2 神経系
D-2-1) 構造と機能

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
講義はパワーポイントと資料を用いて進める。ホームページからも閲覧できるようにする。
・日程
≪前期≫
04月10日  細胞の一般生理学:膜輸送と情報伝達
04月24日  神経系の概要:ニューロンとグリア
05月01日  興奮性膜とイオンチャネル(1):静止膜電位と膜興奮性
05月08日  興奮性膜とイオンチャネル(2):活動電位の発生と伝導、イオンチャネル
05月15日  筋収縮(1):筋肉の種類、骨格筋
05月22日  筋収縮(2):心筋、平滑筋
05月29日  シナプス伝達と神経伝達物質・受容体(1)
06月05日  シナプス伝達と神経伝達物質・受容体(2)
06月12日  神経回路機能:情報統合と可塑性
06月19日  自律神経系
06月26日  感覚系概論
07月03日  化学感覚系(味覚と嗅覚)
07月10日  体性感覚系
07月17日  痛覚(1)
07月17日  痛覚(2)
07月24日  聴覚系と平衡感覚系(1)
07月24日  聴覚系と平衡感覚系(2)

≪後期≫
09月09日  視覚系(1)
09月30日  視覚系(2)
10月07日  視覚系(3)
10月08日  脊髄による運動制御
10月21日  上位運動ニューロンによる運動制御 
10月22日  高次運動野の機能
10月28日  大脳基底核と小脳による運動制御(1)
10月29日  大脳基底核と小脳による運動制御(2)
11月05日  大脳基底核と小脳による運動制御(3)
11月11日  高次脳機能・統合機能(1):睡眠・覚醒と意識
11月18日  高次脳機能・統合機能(2):学習と記憶
11月19日  高次脳機能・統合機能(3):情動、注意
11月25日  研究トピックス


≪実習≫
12月02日から12月12日までの月、水、木の1~8校時
カエルの坐骨神経の活動電位

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義
1)講義中は集中して聴き、その日の講義の重要な用語、内容そして概念を授業の場で把握し理解する。
2)教科書、パワーポイントに示された内容について講義ノートを作成し内容の理解に努める。
3)講義中の私語は厳禁である。
実習
1)班員と協力して積極的な態度で行なうことが必要。
2)実習書をよく読み、目的を理解し手順を確認しながら測定データを記録する。
3)講義で得られた知識を活かし、測定したデータの意味をしっかりと理解する。

※遅刻や途中退席の際は各自事情を説明しなければ出席したとは認めない。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)シラバスで講義の内容を予め確認し、指定教科書の内容を参考にし、講義の概要を把握しておく。
2)講義時の資料やホームページで早目に復習をし、関連する教科書を読み詳細の理解を深めることを勧める。
3)回を重ねるごとに知識の連携が必要になるので、教科書や参考書の該当箇所を自分で探し関連づける習慣を身につける。
4)実習書を良く読み、どのような目的で実習を行うのか理解した状態で実習に臨む。

【成績の評価】
・基準
1)動物機能生理学の基本的な事項を適切に説明できることを合格の基準とする。
2)班員と協力して実習を実施することができ、さらに指定されたレポートなどを提出する。
・方法
1)講義の出席回数が3/4に満たないものは試験の受験資格を与えない。
2)実習は、6回全部に出席し指定されたレポートなどを提出することが必須。
3)動物機能生理学の基本的な事項および実習の内容に関して筆記試験(前期、後期の2回)を行う。
4)再試験について、前期試験と後期試験の合計で合格の基準に満たない者について再試験を実施する(一回のみ実施)。

※詳細は担当教員の指示に従う
※最終成績等の詳細は代表ページを参照

【テキスト・参考書】
標準生理学:本間研一監修 (医学書院)
神経科学:藤井聡監訳 (西村書店)

【その他】
・学生へのメッセージ
遅刻・私語・早退・他の教科のレポート、スケッチなど内職をしないこと。私語を慎み、講義中の飲食は絶対にしてはならない。携帯電話・音楽プ
レーヤー等の使用は禁止、退出を要求する。
2年次は多くの新しい教科や実習が始まり、時間的な余裕が少なくなる。心身の健康、規則的な生活を心がけ、勉強に十分時間をかけること。毎日の
講義と復習を大切にして、これを持続的に積み上げてほしい。
・オフィス・アワー
質問は歓迎する。実験やその他のことで忙しい時は勘弁してもらいたい場合もあるが、出来る限り対応する。

<山形大学で教えていること>
モデルコアカリキュラムの内容に加え、細胞の活動機序等について詳細な講義を行っている。さらに神経回路、高次機能等最新の研究内容を紹介している。

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