【授業の目的】
医療情報の取り扱い、個人情報の保護、臨床研究と治験のルールや仕組みについて学ぶ。 医療においては、患者の情報を医療従事者が共有することが重要であり、患者の利益に直結する。しかし、一方で、患者の医療情報は個人のプライバシーそのものでもある。医療情報の意義を理解し、適切に取り扱うことが求められる。また、医薬品開発などの臨床研究は医療の発展に欠かせない。臨床治験では治療の有効性と患者の安全性の確保が求められる。臨床研究を行うにあたって問題となる医の倫理、研究のデザイン、有害事象の取扱、などを理解しておく必要がある。
【授業の到達目標】
・医療情報の適正な取扱を学ぶとともに、実際の医療現場における医療情報の利用方法、情報管理とプライバシー保護について理解できる(行動科学)。 ・臨床治験・研究による薬物治療の発展と相互作用を理解し、薬物の適正使用と診療行為の倫理性を探求することができる(行動科学)。
【授業概要(キーワード)】
医療情報、情報管理、診療録、治験、臨床研究、研究デザイン、倫理性、インフォームド・コンセント
【科目の位置付け】
医療情報に関する多様な講義を通して、医療情報管理における総合的な知識の習得をする。
山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目 1. プロフェッショナリズム 2. 医学知識と問題対応能力 3. 診療技能と患者ケア 4. コミュニケーション能力 6. 医療の質と安全の管理 7. 社会における医療の実践 8. 科学的探究 9. 生涯にわたって共に学ぶ姿勢
<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)>の該当項目 A-4コミュニケーション能力-2) 患者と医師の関係 A-8科学的探究-1) 医学研究への志向の涵養 B-1集団に対する医療-3) 根拠に基づいた医療<EBM> B-2法医学と関連法規-2) 診療情報と諸証明書 B-3 医学研究と倫理 C-3個体の反応-3) 生体と薬物
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
医療情報、医薬品情報、感染情報など情報管理についての理解に役立つプリント、スライド等を使用し講義を行う。
・日程
7/3(水)第5・6校時 7/3(水)第7・8校時 7/4(木)第5・6校時 7/4(木)第7・8校時 <講義内容> 社会医学・医療学(情報処理)診療録記載について:鹿戸 将史 情報セキュリティーについて:岩田宏紀 感染情報および医薬品の情報の収集と利用:山口 浩明 薬物療法における医療情報の活用:小倉 次郎
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
配布される資料や講義の中で引用される文献や教科書にも可能なかぎり目を通して積極的に学習すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
図書館の蔵書やインターネットでの文献検索の利用、またオフィスアワー等を使って担当教員へ直接質問する。
【成績の評価】
・基準
講義した医療情報の概念、取扱いのルール、活用法などに関する基本的事項について適切に理解していることを合格の基準とします。
・方法
講義出席点と受講態度で総合的に判定する。試験は実施しない。 原則として講義出席日数が全体の3/4に満たないものは不合格とする。
【テキスト・参考書】
「ネットワークビギナーのための 情報セキュリティハンドブック」内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)編. https://www.nisc.go.jp/security-site/files/handbook-all.pdf(無料ダウンロードサイト)
【その他】
・学生へのメッセージ
医療情報の取り扱いや臨床研究について医師ととしての基本的かつ重要な規範を学んでください。
<山形大学で教えていること> 上記の内容に加えて、附属病院で独自に取り組んでいる薬物治療、医療情報の管理・活用法や情報セキュリティへの取り組みについても教えている。
・オフィス・アワー
原則として講義担当者が講義の際に連絡します。あるいは月~金(祝日除く)10:00~16:00第二内科医局医局事務にお問い合わせください。
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