臓器疾患学(循環器コース)
 Organ disease: Cardiovascular medicine
 担当教員:第一内科教官(渡辺昌文ほか)、第二外科教官(内田徹郎ほか)、小児科学教官、救急医学/麻酔科学教官、解剖学第一教官、薬理学教官、特別講義(非常勤講師)
 担当教員の所属:医学部医学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):多くの教官が、臨床経験を持つか、現在、臨床に携わっている。
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:34単位  開講形態:講義
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修  
【授業の目的】
循環器(心血管)系の構造と機能を理解し、各科日常診療の基本となる一般的な循環器疾患の予防、病因、病態、生理、症候、診断と初期対応を中心とした治療について理解を深めることを目的とする。

【授業の到達目標】
1. 心臓の構造、機能を説明できる。
2. 胸部エックス線写真、断層心エコー、CT、MRIなどから心臓・大血管の画像診断を説明できる。
3. 心カテーテル検査と結果の解釈を説明できる。
4. 主な頻脈性不整脈、徐脈性不整脈、致死的不整脈の心電図上の特徴、治療を説明できる。
5. 安定狭心症(労作性狭心症、冠攣縮性狭心症)の病態、症候、診断、治療を説明できる。国内外のガイドライン及び国際的な治療ガイドラインを理解して、最新の治療法を説明できる(国際化による国際社会への貢献)。
6. 急性冠症候群(不安定狭心症、急性心筋梗塞、心臓突然死)の病態生理、症候、診断、合併症、治療を説明できる。
7. 心筋症、心膜疾患の定義・概念、病態生理、症候、治療を説明できる。遺伝性心筋症では、診断および治療に関して医療提供者と患者の合意が大切であることを学ぶ。
8. 心不全の定義、重症度分類、原因疾患、病態生理、診断、治療を説明できる。移植医療において、適応患者の特徴を説明できる。心不全終末期の緩和医療について説明できる。患者背景は多様であり、患者の治療に対する要望も多様であることを理解する(行動科学)。
9. 高血圧症の疫学、原因、診断、合併症、予後、治療を説明できる。
10. 主な先天性心疾患の病態生理、症候、診断、治療を説明できる。

【授業概要(キーワード)】
循環器病学、循環器内科学、循環器外科学、小児循環器学

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
与えられた症例(計2例)を通じた少人数グループによる問題基盤型学習(problem-based learning、 PBL)により、また講義を基にして自主的な学習を進めることにより循環器系の構造と機能を理解し、主な循環器疾患の病態生理、原因、診断と治療を学ぶ。

<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目>
1.プロフェッショナリズム、2.医学的知識と問題対応の能力、3.診療技能と患者ケアの基礎的知識
4.コミュニケーション能力、5.チーム医療の実践、6.医療の質と安全の管理
7.社会における医療の実践、8.科学的探究、9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢

<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)の該当項目>
A-6 医療の質と安全の管理、C-4-4) 循環障害、臓器不全、D-5 循環器系
F-1 症候・病態からのアプローチ、F-2-7) 超音波を用いる診断と治療、F-2-12) 医療機器と人工臓器
F-2-14) リハビリテーション、F-3-5)-(2) 全身状態とバイタルサイン、F-3-5)-(4) 胸部
G-2 臨床推論、G-3 基本的臨床手技

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
系統講義(スライドによる講義):資料の配布あり(原則、電子媒体)。
ケーススタディ学習(プラカン):指定された班の学生は与えられた症例について、グループ学習ならびに自習を行い、レポートを作成する。第2週の水曜日に総合討論を行う。
・日程
構造と機能、循環器概要・診察法、診断と検査の基本、高血圧症・低血圧症、動脈硬化、動脈疾患、虚血性心疾患、心臓弁膜症、成人先天性心疾患、静脈・リンパ管疾患、循環障害、腫瘍循環器学

心筋症・心筋炎、遺伝子診療、心不全、重症心不全、地域医療・緩和ケア、心膜疾患・感染性心内膜炎、先天性心疾患、肺塞栓症・肺高血圧症、不整脈、腫瘍性疾患、心臓血管外科、心エコー検査法、器質的心疾患、症候学
(講義内容の順序は、変更される可能性があります)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1. 講義で知識の習得をする。なお、講義の出席をとる。
2.講義開始時に問題集を配布するので、講義と並行して解答し、知識の定着に勤める。
3.第1週月曜日に2グループを指名し、症例について検討してもらう。第2週水曜に全員参加して、指定されたグループによる課題に関する発表と討論を行う。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義で習った内容に関連することを医学書などで自分なりに調べてみる。
講義開始時に問題集を配布するので、講義と並行して、解答することで知識を確実にする。

【成績の評価】
・基準
到達目標に挙げた事項について理解していることを合格の基準とする。
・方法
出席回数が3/4に満たないものは受験資格を与えない。
講義開始時に配布した問題集(選択問題)からの出題と、記述式問題を出題し、評価する。
再試験は1回のみ行う。

【テキスト・参考書】
内科学(矢崎義雄総編集、 朝倉書店)
Braunwald's Heart Disease. A Textbook of Cardiovascular Medicine (Elsevier)
循環器病ガイドラインシリーズ https://www.j-circ.or.jp/guideline/guideline-series/
入門書 病気がみえる 循環器、診察と手技がみえる(メディックメディア)

【その他】
・学生へのメッセージ
講義で習った内容に関連することを医学書などで自分なりに調べてみる。実習を行う上で、基礎になる知識を習得するという意識で受講してください。
疑問に思ったことや理解できなかったことは、積極的に教員に質問するようにして下さい。
・オフィス・アワー
オフィスアワー
月~金 9:00~17:00 第一内科医局
<山形大学で教えていること>
循環器分野の最新の診断や治療法を紹介します。また山形大学の研究成果や新しく開始した治療なども適宜紹介します。

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