臓器疾患学(消化管コース)
 Organ diseases : Esophagus、 Gastro-Intestinal tract
 担当教員:阿部 靖彦(ABE Yasuhiko)、武者宏昭(MUSHA Hiroaki)、神尾幸則(KAMIO Yukinori)、 、河合賢朗(KAWAI Kenro)、佐々木悠(SASAKI Yu)、八木周(YAGI Makoto)、岡崎慎史(OKAZAKI Shinji)、川村一郎(KAWAMURA Ichiro)、鈴木武文(SUZUKI Takefumi)

 担当教員の所属:医学部
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):医師として実務経験のある教員がその経験を活かし各診療科における代表的な疾患等について講義を行う。
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:34単位  開講形態:講義
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修 
【授業の目的】
・講義および課題解決型学習(PBL、Project-Based Learning)を通して、消化管と乳腺の正常構造と機能、主な消化管と乳腺疾患の病態生理、原因、症候、診断と治療を学ぶ。

【授業の到達目標】
(1)構造と機能【知識・理解】
:消化管臓器の基本構造と部位による違いを説明できる。
:胃液の作用と分泌機序を説明できる。
:小腸における消化・吸収、主な消化管ホルモンの作用を説明できる。
(2)食道疾患【知識・理解】
:食道癌の疫学、症候、診断、治療と予後を説明できる。
:食道良性疾患(逆流性食道炎、食道アカラシア等)の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。
(3)胃・十二指腸疾患【知識・理解】
:胃癌の疫学、症候、診断、治療と予後を説明できる。
:消化性潰瘍の成因、病態、症候、診断と治療を説明できる。
:ヘリコバクター・ピロリ感染症の診断と治療を説明できる。
(4)小腸・大腸疾患【知識・理解】
:大腸癌の疫学、症候、診断、治療と予後を説明できる。
:大腸ポリープの分類、症候、診断と治療を説明できる。
:炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の病態、症候、診断、治療を説明できる。また、行動科学に基づいた患者指導の要点を説明できる。
:感染性腸炎、虚血性腸炎、過敏性腸症候群の病態、診断、治療を説明できる。
:急性腹症の病態・診断、および各疾患(急性虫垂炎、イレウスなど)の症候・診断・治療を説明できる。
(5)乳腺疾患【知識・理解】
:乳癌の疫学・症候・診断・治療と予後を説明できる。
:乳腺良性疾患の病態生理・症候・診断と治療を説明できる。

【授業概要(キーワード)】
上部消化管、下部消化管、乳腺、構造、機能、疾患、検査、診断、治療

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
消化管臓器・疾患に関する基礎的な知識を確実に習得するとともに、消化管疾患における最新の知見を学び、症例分析によるPBLも含め、臨床実習への土台作りを行う。

山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目
1. プロフェッショナリズム
2. 医学知識と問題対応能力
3. 診療技能と患者ケア
6. 医療の質と安全の管理
7. 社会における医療の実践
8. 科学的探究
9. 生涯にわたって共に学ぶ姿勢

医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)の該当項目
A-2医学知識と問題対応能力-1) 課題探求・解決能力
A-4コミュニケーション能力-1) コミュニケーション
B-1集団に対する医療-5) 生活習慣とリスク
C-2個体の構成と機能-3) 個体の調節機構とホメオスタシス-(4)ホメオスタシス
C-3個体の反応-1) 生体と微生物-(4)細菌・真菌-(5)寄生虫
C-4病因と病態-4)循環障害・臓器不全
C-4)病因と病態-6)腫瘍
C-5人の行動と心理-4)ストレス
D-7消化器系
E-2感染症-4)疾患-(2)細菌感染症(3)真菌感染症と寄生虫症
E-3腫瘍-5)各論-⑦消化器系
F-1診療の基本 -5)ショック、-7)意識障害、-20)腹痛、21)悪心・嘔吐、22)吐血・下血、F-1-23) 便秘・下痢
F-2基本的診療知識-6) 内視鏡を用いる診断と治療
F-3基本的診療技能-1)問題志向型システムと臨床推論

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
本コースは、内科学第二講座を主責任講座とし、外科学第一講座を副責任講座として行う。
・日程
◆2024年6月5日~6月14日 系統講義
1.食道の生理と良性疾患
2.食道癌の診断と治療、バレット食道と腺癌
3.食道癌の手術
4.胃の生理、胃酸分泌・分泌抑制、消化管ホルモン
5.急性・慢性胃粘膜傷害、H.pylori感染症、胃腫瘍性病変
6.胃癌の手術
7.小腸疾患(カプセル、ダブルバルーン内視鏡を含む)
8.大腸ポリープ、腺腫と癌(がん検診、内視鏡治療含む)
9.非腫瘍性大腸疾患(薬剤関連、虚血、憩室炎・出血など)
10.炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、 Crohn病、腸管ベーチェットを中心に)
11.結腸・直腸癌の手術
12.肛門疾患
13.急性腹症・急性虫垂炎
14.イレウス・ヘルニア
15.消化管疾患と栄養・術後機能障害
16.乳腺疾患

◆2023年7月13日、14日 Case study
17.Case study①(上部消化管)
18.Case study②(上部消化管)
19.Case study③(下部消化管)
20.Case study④(下部消化管)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
:講義で基本的な知識を得る事を基本とし、予習・復習によって知識の定着をはかる。
:PBL症例の学習には問題意識を持って取り組み、教官および学生相互の積極的なディスカッションを通して、多面的な考え方を身につけるように努める。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
:テキストや参考書を用い、解剖・生理など消化管領域の基礎的な概要を事前に把握しておく事が望ましい。
:テキストや配布された資料を復習し、疑問点の解決に努める。

【成績の評価】
・基準
正常な消化管の構造・生理機能および代表的な消化管疾患の病態生理、診断、治療法に関する基本的事項について適切に理解していることを合格の基準とする。成績評価は講義の出席状況および試験の評価を総合して行う。試験は国家試験の出題形式に準じた選択問題とし、内科学第二講座よび外科学第一講座で担当した講義の内容から出題する。
・方法
出席状況、試験により判定する。出席日数が3/4に満たないものは受験資格を与えない。原則として試験の正答率60%以上で合格とする。再試験は1回まで実施する。

【テキスト・参考書】
内科診断学(医学書院)
ハリソン内科学(メディカルサイエンスインターナショナル)
総合内科診断学(朝倉書店)
新臨床内科学(医学書院)
EBM現代内科学(金芳堂)
標準外科学(医学書院)
新臨床外科学(医学書院)
新外科学大系(中山書店)
門脇孝ら総編集 カラー版内科学(西村書店)
浅香正博ら編集 カラー版消化器病学(西村書店)
下瀬川徹監修 消化器画像診断アトラス(中山書店)

【その他】
・学生へのメッセージ
基礎医学で学んだことを基に、臨床疾患の病態生理、症候を把握し診断することが、治療につながることを学んで欲しい。講義では内科・外科双方の視点から各種疾患について概説するが、過度な重複がないように講義内容を調整しているため、各自が予習・復習を行い、知識の定着に努めてもらいたい。

<山形大学で教えていること>
上記の内容に加えて、各疾患の基礎的・臨床的研究の最新知見や診療ガイドラインに記載のない先進治療、当科で独自に取り組んでいる治療などについても教えている。
・オフィス・アワー
原則として講義担当者が講義の際に連絡します。あるいは月~金(祝日除く)10:00~16:00第二内科医局医局事務にお問い合わせください。

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