【授業の目的】
周産期(妊娠・分娩・産褥)に関わる臓器の構造と機能、胎児・新生児の発達・成長、および母子保健、周産期管理に必要な基礎知識とともに、周産期疾患、胎児・新生児の疾患の病態生理、原因、診断と治療について理解することを目標とする。 与えられた症例(週1例、計2例)を通じた少人数グループによる問題基盤型学習(problem-based learning、PBL)により自主的な学習を行い、主な周産期疾患について理解を深めることを目的とする。
【授業の到達目標】
妊娠・分娩の正常経過を理解し、説明できる。【知識・理解】 胎児・新生児の発達および成長を理解し、説明できる。【知識・理解】 主な周産期疾患と胎児・新生児の疾患の病態生理、原因、症候、診断と治療を理解し、説明できる。 【知識・理解】 周産期における心理的な特性、精神障害について理解し、説明できる(行動科学)。【知識・理解】 母子保健の現状と動向、制度について国際的な動向も含めて理解し、説明できる(国際社会への貢献(国際化))【知識・理解】 主な周産期疾患の診断と治療について討議することができる。【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
周産期、母子保健、妊娠、分娩、産褥、胎児、胎児付属物、合併症妊娠、新生児、産科手術、学生主体型授業(アクティブラーニング)
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目> 1 プロフェッショナリズム 2 医学的知識と問題対応能力 7 社会における医療の実践 8 科学的探究 9 生涯にわたって共に学ぶ姿勢
<医学教育モデルコアカリキュラム(平成28年度改訂版)の該当項目> A-1-1)医の倫理と生命倫理、A-2-1)課題探求・解決能力、B-1-3)根拠に基づいた医療<EBM>、B-1-4)疫学と予防医学、B-1-5)生活習慣とリスク、B-1-8)保健・医療・福祉・介護の制度、C-2-4)個体の発生、D-10 妊娠と分娩、E-1遺伝医療・ゲノム医療、E-2-4) 感染症 疾患、E-7 成長と発達 1)胎児・新生児、F-1 症候・病態からのアプローチ 1)発熱、2)全身倦怠感、5)ショック、6)心停止、7)意識障害・失神、8)けいれん、11)浮腫、17)動悸、20)腹痛、21)悪心・嘔吐、23)便秘・下痢、26)貧血、29)血尿・タンパク尿、30)月経異常、F-2 基本的診療知識
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
医学教育モデル・コアカリキュラムに準じて講義(スライド映写、資料配布)を行う。さらに学生は与えられた症例に基づいて行動目標を自主的に見出し、グループ学習ならびに自習を行い、発表スライドを作成する。各週の金曜日に発表・討論を行う。
・日程
2024年10月7日から10月18日の間に、下記の講義、PBL、総合討論を行う。 1.妊娠の成立、2.胎児と母体の変化、3.妊娠の管理、4.妊娠初期の異常、5.早産・胎児発育不全、6.多胎、7.羊水の生理・病理、8.正常分娩の経過、9.異常分娩①②、10.合併症妊娠、11.妊娠高血圧症候群・常位胎盤早期剥離、12.臍帯と胎盤の異常、13.産科出血・産科救急・産科麻酔、14.産褥の生理と異常、15.母子感染症、16.母子保健。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業概要(目標)に掲げた内容は、「医学教育モデル・コアカリキュラム:教育内容ガイドライン」に示された全国統一の基準であることを理解し、効果的な学習成果が得られるよう努力されたい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業日程に予定されたテーマについて、あらかじめ配布資料に目を通し、疑問点などを整理してくることで、授業の理解向上に役立つと思われる。 講義で使用した資料をもとに、知識の整理をすることが大切である。
【成績の評価】
・基準
妊娠・分娩・胎児新生児の正常経過、主な周産期疾患の病態生理、原因、症候、診断と治療を正しく理解できていること、授業に積極的・能動的に参画できていること、を合格の基準とする。
・方法
コース終了後に試験を行い、筆記試験100点満点中、60点以上を合格とする。 再試験は場合により実施する。規定の出席に満たない者は受験資格がない。
【テキスト・参考書】
池ノ上克 ほか編:Newエッセンシャル産科学・婦人科学(医歯薬出版) 新生児学入門(医学書院) AVERY’S DISEASE OF NEWBORN(SAUNDERS Co) 病気がみえる / 医療情報科学研究所編 ; vol.10 産科 (Medic Media)
【その他】
・学生へのメッセージ
疑問に思ったことは、講義中でもかまいませんので、そのままにせず随時気軽に質問してください。
・オフィス・アワー
講義で連絡します。
<山形大学で教えていること> 先天異常の原因や診断を含めた臨床遺伝学について。
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