臓器疾患学(病理学各論)
 Pathology Details
 担当教員:二口 充(FUTAKUCHI Mitsuru)、 大江 倫太郎(OHE Rintaro)、 樺澤 崇允(KABASAWA Takanobu)、北岡 匠(KITAOKA Takumi)、鈴木 一司(SUZUKI Kazushi)
 担当教員の所属:医学部医学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):病理医といて実務経験のある教員が、その診療経験を活かし、病理学的に代表的な疾患などについて講義・実習を行う。
 開講学年:3年  開講学期:通年  単位数:34単位  開講形態:講義・実習
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修  
【授業の目的】
I. 講義
・個々の疾患の病理学的特徴を臨床所見と併せて理解し、説明できることを目的とする。
・臓器別講義の中で、その疾患の臨床的および病理学的特性を有機的に理解し、説明できることを目的とする。

II. 実習
・人体から採取した病理組織標本を用いて、疾患の形態を観察する。
・正常組織と比較することにより、疾患の発症機序および形態所見を理解し、説明できることを目的とする。
・悪性腫瘍については、本邦の癌取扱い規約とWHO分類(国際化)に基づいて基本となる組織型を理解する。

【授業の到達目標】
I. 講義:人体各器官の正常構造と、疾病の病態生理、病理所見を説明できる。
①粘液腫の病理所見を説明できる。
②急性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、成人T細胞白血病、悪性リンパ腫の病理所見を説明できる。
③肺癌の組織型、病理所見を説明できる(転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸膜中皮腫も含む)。
④消化器生検と細胞診の意義と適応を説明できる。
⑤胃ポリープの病理と肉眼分類を説明できる。
⑥食道癌、胃癌、大腸癌、胆嚢・胆管癌・乳頭部癌、原発性肝癌、転移性肝癌、膵癌、嚢胞性膵腫瘍の病理所見を説明できる(腹膜中皮腫、消化管間質腫瘍、消化管カルチノイドも含む)。
⑦基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫の病理所見を説明できる。
⑧腎癌の病理所見を説明できる(尿路上皮癌も含む)。
⑨甲状腺腫瘍、褐色細胞腫の病理所見を説明できる。
⑩前立腺癌、子宮頸癌・子宮体癌、卵巣腫瘍、絨毛性疾患の病理所見を説明できる。
⑪乳癌の病理所見を説明できる。
⑫主な脳・脊髄腫瘍の分類と好発部位を説明し、病理所見を説明できる。
⑬骨肉腫、Ewing 肉腫、脂肪肉腫の病理所見を説明できる。
⑭口腔・咽頭癌、喉頭癌の病理所見を説明できる。
⑮地域医療と遠隔病理診断について説明できる。
⑯行動科学に基づいた病理実習を行う。

【授業概要(キーワード)】
循環器疾患、血液疾患、呼吸器疾患、消化管疾患、皮膚疾患、腎・尿路疾患、内分泌臓器疾患、肝・胆・膵疾患、生殖器疾患、神経疾患、運動器疾患、感覚器疾患

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
臨床における病理診断のもととなる病理学の基礎について学ぶ。
<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)>
1. プロフェッショナリズム
2. 医学知識と問題対応能力
6. 医療の質と安全管理
8. 科学的探究
9. 生涯にわたって共に学ぶ姿勢

<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)>
B-2-1) ⑤
D-1-4)-(4)-①③④⑤⑧ D-2-4)-(10)-① D-3-4)-(8)-④⑤⑥
D-4-4)-(3)-①③ D-5-4)-(11)-① D-6-4)-(9)-①②③④ D-7-2)-⑤
D-7-4)-(2)-③ D-7-4)-(8)-①③⑥⑧⑨⑩⑪⑫ D-8-4)-(9)-①②
D-9-4)-(3)-①③④⑤ D11-4)-(2)-① D-12-4)-(10)-①②
D-14-4)-(2) ①②
F-2-1)-③ F-2-3)-⑩ F-2-4)-①②③④⑤

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
臓器疾患学の各コースの中で、コースに関連した内容の講義と実習を行います。
・日程
臓器疾患学の各コースで、毎週火曜日の5-8校時に行います。
・呼吸器
・血液
・循環器
・消化器
・腎・尿路
・肝・胆・膵(細胞診を含む)
・内分泌・栄養代謝
・神経
・生殖器
・周産期・乳腺
・骨・関節・軟部組織
・皮膚
・精神(肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームとアミロイドーシス)
・感覚器
・地域医療と遠隔診断~病理の視点から~

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
いずれのコースでも重要な疾患を中心に講義を行います。講義で触れなかった疾患についても教科書などで学習してください。
講義は配布したレジメあるいは講義スライドを中心に行います。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
教科書と参考書を挙げておくので参考にしてください。
講義中に疑問に思ったことはそのままにせずに、その都度教科書や参考書で確認するか教員に質問するなどして、そのままにしないようにしてください。

【成績の評価】
・基準
前述の授業の到達目標に記載した各項目の基本的な事項について、適切に説明できるようになることを合格の基準とします。
また、規定の出席回数に満たなかった場合には、筆記試験と口頭試問の受験資格を失います。
・方法
筆記試験(記述問題)、筆記試験(選択肢問題)と口頭試問の成績をもって総合的に合否を判定します。
筆記試験(記述問題)は9月頃、筆記試験(選択肢問題)は12月頃、口頭試問は11~12月頃を予定しています。
筆記試験(記述問題)と筆記試験(選択肢問題)は再試験を一度だけ行います。

【テキスト・参考書】
「ロビンス基礎病理学」(原書10版)、豊國伸哉、高橋雅英監修、丸善(2018年)
「カラーアトラス・基礎組織病理学」(第4版)、今井・山川監修、西村書店(2004年)
「カラーアトラス・マクロ病理学」(第3版)、山川・横井・吉野監訳、西村書店、(2005年)
「アンダーウッド病理学」(第2版)、森・鈴木監訳、西村書店、(2002年)
「カラーダイナミック病理学」(初版)、鈴木・山川・吉野監修、西村書店、(2010年)
「カラーアトラス病理組織の見方と鑑別診断」(第6版)、赤木・松原・真鍋監修、医歯薬出版株式会社、(2018年)

【その他】
・学生へのメッセージ
教科書的な内容にとどまらず、最新の情報も提供します。
筆記試験への対応には、過去問や講義資料だけでは不十分です。
是非、教科書を活用して下さい。
・オフィス・アワー
随時受け付けますが、不在の場合もありますので、できるだけアポイントを取って下さい。

<山形大学で教えていること>
器官病理について、随時、最新の情報を紹介している。

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