全身性疾患学(感染症)
 Infectious diseases
 担当教員:濵本 洋(HAMAMOTO Hiroshi)、森兼 啓太(MORIKANE Keita)
 担当教員の所属:医学部医学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):医師として実務経験のある教員が、その診療経験を活かし、微生物が引き起こす感染症について、症例を挙げながら講義を行う。
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:11単位  開講形態:講義
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修 
【授業の目的】
人間は生きている限り、常に様々な微生物に感染する可能性がある。この感染症のメカニズムを理解するためには、微生物学、免疫学、生理学、解剖学、病理学などの基礎医学の知識を発展させる必要がある。また、感染症の診断、治療、予防を学び、臨床医として最も遭遇する機会の多い感染症にどう立ち向かうかを習得する。

【授業の到達目標】
感染症の感染・発症メカニズムを説明できる。また、各種の微生物による感染症の診断、治療、予防の主のな手法を説明できる。さらに、主要な感染症の疫学、病態生理を理解し、その診断と治療に必要な、病原微生物と感染臓器、及び、治療薬の関係も説明できる。

【授業概要(キーワード)】
感染症・病原微生物・感染経路・病原性・免疫・敗血症・院内感染・人獣共通感染症・新興再興感染症

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
全身性疾患学科目の感染症学のコースである。

<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)>
2.医学知識と問題対応能力(基礎医学、臨床医学)
6.医療の質と安全の管理(感染対策)
8.科学的探究(リサーチマインド、課題発見と問題解決)
9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢(生涯学習、自己研鑽)

<医学部教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)>
E-2 感染症
E-2-1) 病態 学修目標すべて
E-2-2) 診断~検査~治療の基本 学修目標すべて
E-2-3) 症候 学修目標すべて
E-2-4) 疾患
E-2-4)-(1)ウイルス感染症~プリオン病 学修目標すべて
E-2-4)-(2)細菌感染症 学修目標すべて
E-2-4)-(3)真菌感染症と寄生虫症 学修目標すべて
E-2-4)-(4)性感染症 学修目標すべて
E-2-4)-(5)院内感染症 学修目標すべて

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
プリントやPower Pointを用いた講義。
初めに、感染症学総論として各種微生物の特徴、感染経路・臓器別に代表的な感染症を講義する。次に感染症でみられる免疫応答、敗血症の病態、診断(検査データ、病理学、画像)、治療(抗菌薬療法)を講義する。各論として、院内感染とその防止対策(消毒、滅菌法を含む)、消化管感染症、性感染症を含む泌尿生殖器の感染症、口腔感染症(う蝕・歯周病)、トピックな感染症を講義する。さらに新興・再興感染症、人獣共通感染症を列挙し、説明する。
・日程
2025年2月3日-2月28日までの月曜日-金曜日
都合によりオンライン講義になることがある。
・授業時間:8:30-10:10、講義室:医学部ホームページで確認

授業名 担当講座(担当者)
01. 病原微生物の感染経路・臓器別分類 感染症学(松嵜)
02. 人獣共通感染症、新興・再興感染症 感染症学(濵本)
03. 感染症に対する免疫応答 免疫学(浅尾)
04. 感染症の検査データ 検査部(森兼)
05. 感染症の画像診断(脳、肺、腹部) 画像医学(鹿戸、桐井)
06. 感染症の病理学(1) 病理診断学(大江)
07. 感染症の病理学(2) 病理診断学(二口)
08. 臨床感染症ケーススタディー 山形県立中央病院(阿部)
09. 消化管感染症 内科学第二(佐々木)
10. 口腔感染症学(う蝕・歯周病) 歯科口腔外科学(石川)
11. STDを含む泌尿生殖器の感染症 腎泌尿器外科学(土屋)
12. 敗血症 消化器・乳腺甲状腺・一般外科学(川村)
13. 消毒と滅菌 薬剤部(山口)
14. 院内感染防止対策 小児医科学(三井)
15. 医療従事者への院内感染 手術部(小久保)
16. 正しい抗菌薬療法 感染制御部(蜂谷)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
感染症の病態を理解し、診断、治療の進め方を習得すること。
パワーポイントで示される講義内容をノートに筆記して、内容の理解に努める。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
各自参考書で自習する。
オフィス・アワーを積極的に利用して、講義で理解できなかった点を担当教官に質問して、理解に努める。

【成績の評価】
・基準
筆記試験・レポート等で総合的に評価する。主要な感染症の病態、症候、診断と治療を理解し、説明できることが合格基準である。
・方法
筆記試験・レポート等で総合的に評価し、100点満点で60点以上を合格とする。60点未満の場合、再試験を1回実施する。

【テキスト・参考書】
標準感染症学(医学書院)、新・病態生理できった内科学9感染症(医学教育出版)、Mims' Medical Microbiology 5th edition (Mosby、 Elsevir社: Cedric Mims et al.)、Lippincott's illustrated reviews Microbiology 2nd edition(Lippincott Williams&Wilkins社:Richard A. Harvey et al.)およびその訳本:イラストレイテッド微生物学(丸善)、ミムス微生物学(西村書店)等

【その他】
・学生へのメッセージ
全身で見られる感染症をオムニバス形式で講義します。前半では感染症の病態、診断を主に講義する。後半では臨床講座による臓器別の感染症、治療の講義を行う。医療関連感染(院内感染)は大きな問題であり、その発生する機序と対策についての講義も数コマあり、十分に理解してほしい。理解できなかった点や疑問点は講義終了後に積極的に質問してほしい。本コースで学んだ代表的な感染症のメカニズムを参考にして、様々な感染症を積極的に勉強していってほしい。
・オフィス・アワー
月~金曜日(除く祝日)9:00-17:00(担当教員の研究室)

<山形大学で教えていること>
新興・再興感染症、人獣共通感染症を列挙するだけでなく、代表的なこれらの感染症の感染環・病態・症候・診断・治療・予防も教えている。

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