全身性疾患学(内科系(内科二))
 Systemic disease : Hepato-Gastroenterology
 担当教員:上野 義之(UENO Yoshiyuki)、牧野 直彦(MAKINO Naohiko)、佐々木悠(SASAKI Yu)、松田暁子(MATSUDA Akiko)、八木周(YAGI Makoto)
 担当教員の所属:医学部医学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):医師として実務経験のある教員がその経験を活かし各診療科における代表的な疾患等について講義を行う。
 開講学年:4年  開講学期:前期  単位数:11単位  開講形態:講義
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修  
【授業の目的】
消化器領域(消化管、肝臓、胆膵)の重要な疾患における病態、診断、治療について、3年次で実施した臓器疾患学(消化管コース、肝胆膵コース)の講義内容をふまえ、より専門的な内容について学習する。

【授業の到達目標】
・系統講義により、消化器内科領域の代表的疾患に加え、全身諸臓器と密接に関連する消化器疾患や、重要な消化器希少疾患に関する疫学、病態、診断、治療、予後に関し幅広く専門的な知識を習得する。
・行動科学に基づいた消化器癌検診の位置づけや必要性について理解し、検診の有益性を高めるための医療について知識を習得する。
1)全身疾患に関連した、または全身に大きな影響を及ぼす消化管疾患(遺伝性消化管腫瘍、吸収不良症候群、蛋白漏出性胃腸症、消化管アミロイドーシス、膠原病関連腸疾患など)を理解し適切に説明できる。【知識・理解】
2)腹膜疾患を理解し適切に説明できる。【知識・理解】
3)自己免疫性膵疾患の病態、治療について理解し適切に説明できる。【知識・理解】
4)胆膵疾患の診断・治療において重要な内視鏡検査・治療について理解し説明できる。【知識・理解】
5)肝臓の生理機能および全身に影響を及ぼす主要な肝疾患の病態、診断、治療、予後について理解し説明できる。【知識・理解】
7)薬剤性肝障害の病態、診断、治療について理解し説明できる。【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
全身性消化管疾患、消化管ポリポーシス、遺伝性消化管腫瘍、吸収不良症候群、蛋白漏出性胃腸症、自己免疫性膵炎、胆膵内視鏡、全身性肝疾患、薬剤性肝障害

【科目の位置付け】
3年次の消化管コース、肝胆膵コースで得た知識をベースに、臨床実習に向けてのより高度かつ専門的な知識の習得を目的とする。

<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目>
1.プロフェッショナリズム
2.医学知識と問題対応能力
3.診療技能と患者ケア
4.コミュニケーション能力
5.チーム医療の実践
6.医療の質と安全の管理
7.社会における医療の実践
8.科学的探究
9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢

<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)>の該当項目
C-2個体の構成と機能-3) 個体の調節機構とホメオスタシス-(4)ホメオスタシス
C-3個体の反応-1) 生体と微生物-(1) ウイルスの基本的性状と病原性-(2) ウイルス感染に対する生体反応・予防-(3) 各種のウイルスの特徴と病原性-(4)細菌・真菌-(5)寄生虫
C-4病因と病態-4)循環障害・臓器不全
C-4)病因と病態-6)腫瘍
D-7消化器系
E-2感染症-4)-(2)細菌感染症(3)真菌感染症と寄生虫症
E-3腫瘍-5)各論-⑦消化器系
F-1診療の基本 -5)ショック、-7)意識障害、-20)腹痛、21)悪心・嘔吐、22)吐血・下血、-23) 便秘・下痢、-24)黄疸、-25)腹部膨隆(腹水を含む)・腫瘤、-35) 腰背部痛
F-2基本的診療知識-6) 内視鏡を用いる診断と治療
F-3基本的診療技能-1)問題志向型システムと臨床推論

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
ブリントやスライドを用いて、下記に示すような全身諸臓器と関わり合いの強い消化器疾患を中心に系統講義を行う。
・日程
<講義日程>
2024年4月3日~5月10日、毎水曜13時~14時40分、毎金曜8時30分~10時10分
<講義内容・担当教官>
「全身性肝疾患(へマクロトーシス、Willson病) 」上野義之
「薬物性肝障害」西瀬雄子
「自己免疫性膵炎」牧野直彦
「胆膵内視鏡」松田暁子
「全身疾患に関連した消化管疾患、腹膜疾患」佐々木悠
「消化管ポリポーシス、遺伝性消化管腫瘍、吸収不良症候群、蛋白漏出性胃腸症」佐々木悠
「リンパ腫・GIST・内分泌腫瘍」八木周

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
教科書、参考書などを一読し、十分な予習と復習を行い、講義内容の理解に努める。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
各講義で得られた知識を整理し、関連領域も自主的に学習する。図書館の蔵書やインターネットでの文献検索、また理解不足の点はオフィスアワー等を利用し担当教員へ直接質問するなどして自己学習に励む。

【成績の評価】
・基準
代表的な消化器疾患の診断および治療法に関する基本的事項に加え、重要な消化器希少疾患や全身の評価が必要な消化器疾患の病態・診断・治療法について適切に理解していることを合格の基準とします。なお、成績評価は講義の出席状況および試験の評価を総合して行う。
・方法
出席状況、試験により判定する。出席日数が3/4に満たないものは受験資格を与えない。原則として試験の正答率60%以上で合格とする。再試験は必要に応じて1回実施する。

【テキスト・参考書】
垂井清一郎、河田純男ら編著 総合内科診断学(朝倉書店)
杉本恒明ら編 内科学(朝倉書店)
高久史麿ら監修 新臨床内科学(医学書院)
黒川 清ら編 EBM現代内科学(金芳堂)
門脇孝ら総編集 カラー版内科学(西村書店)
浅香正博ら編集 カラー版消化器病学(西村書店)
下瀬川徹監修 消化器画像診断アトラス(中山書店)

【その他】
・学生へのメッセージ
消化器は臓器によってその働きと疾患が大きく異なります。事前事後の自学自習によって講義を広く深く理解できるように努力してください。

<山形大学で教えていること>
上記の内容に加えて、各疾患の基礎的・臨床的研究の最新知見や診療ガイドラインに記載のない先進治療、当科で独自に取り組んでいる治療などについても教えている。
・オフィス・アワー
原則として講義担当者が講義の際に連絡します。あるいは月~金(祝日除く)10:00~16:00第二内科医局医局事務にお問い合わせください。

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