【授業の目的】
脳・神経系の正常構造と機能を理解し、主な脳・神経系疾患の病因、病態生理、症候、診断と治療を学ぶことを目的とする。さらに、脳腫瘍学、脳血管障害学、頭部外傷学、機能的脳神経外科学、小児脳神経外科学の基本的事項を学び、病態生理、症候、診断及び治療に対する考え方をを学ぶことを目的とする
【授業の到達目標】
・中枢神経系と末梢神経系の構成を概説できる。 ・脳の血管支配と血液脳関門を説明できる。 ・脳のエネルギー代謝の特徴を説明できる。 ・主な脳内神経伝達物質(アセチルコリン、ドパミン、ノルアドレナリン)とその作用を説明できる。 ・髄膜・脳室系の構造と脳脊髄液の産生と循環を説明できる。 ・脳・脊髄のコンピュータ断層撮影(CT)・磁気共鳴画像法(MRI)検査の適応と異常所見を説明し、結果を解釈できる。 ・神経系の電気生理学的検査(脳波検査、筋電図、末梢神経伝導検査)で得られる情報を説明できる ・失語症と構音障害の違いを説明できる。 ・脳浮腫の病態を説明できる。 ・急性・慢性頭蓋内圧亢進の症候を説明できる。 ・脳ヘルニアの種類と症候を説明できる。①脳血管障害(脳出血、くも膜下出血、頭蓋内血腫、脳梗塞、一過性脳虚血発作)の病態、症候と診断を説明できる。 ・脳血管障害の治療と急性期・回復期・維持期(生活期)のリハビリテーション医療を概説できる。 ・頭部外傷の分類を説明できる。 ・急性硬膜外・硬膜下血腫及び慢性硬膜下血腫の症候と診断を説明できる。 ・頭部外傷後の高次脳機能障害を説明できる。 ・頭痛(偏頭痛、緊張型頭痛等)の分類、診断と治療を説明できる。 ・主な脳・脊髄腫瘍の分類と好発部位を説明し、病態を概説できる。
【授業概要(キーワード)】
脳・脊髄神経 脳神経 高次脳機能 歩行障害 言語障害 脳浮腫 脳腫瘍 脳血管障害 脳ヘルニア 頭痛
【科目の位置付け】
<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目> 1. プロフェッショナリズム 2. 医学知識と問題対応能力 7. 社会における医療の実践 8. 科学的探究 9. 生涯にわたって共に学ぶ姿勢
<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度版改訂版)の該当項目> D-2 神経系 E-3 腫瘍 E-3-5) 各論 F-1 症候・病態からのアプローチ F-1-7) 意識障害・失神 F-1-8) けいれん F-1-9) めまい F-1-33) 頭痛 F-1-34) 運動麻痺・筋力低下
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
医学教育モデル・コア・カリキュラムに準じてに、プリント・スライドを中心とした講義を行う。
・日程
以下のテーマを中心に行う。 <テーマ> 脳神経外科総論 脳脊髄腫瘍(悪性脳腫瘍、良性脳腫瘍、間脳下垂体腫瘍) 脳血管障害(脳脊髄梗塞、TIA、くも膜下出血、脳出血、リハビリテーション) 頭部外傷 機能的脳神経外科(顔面けいれん、三叉神経痛、パーキンソン病、てんかん) 先天奇形、水頭症、二分脊椎 脊髄・脊椎疾患 特別講義
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業の到達目標に挙げた内容は医学教育モデル・コア・カリキュラムに示された全国統一の基準であり、単なる知識ではなく理解を深めてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義の復習を確実に行い、医学教育モデル・コア・カリキュラムに沿って理解を深めてください。講義できない疾患、病態についても既存の教科書による自習が望まれる。
【成績の評価】
・基準
脳・神経系の正常構造と機能を理解し、主な脳・神経系疾患の病因、病態生理、症候、診断と治療を正しく理解し、講義に積極的に出席した上で、筆記試験で判定する。 出席状況、学修態度も考慮する。
・方法
全講義終了後筆記試験(マークシート)により行う. 規定の出席に満たないものは受験資格はない 試験成績が合格基準に満たないものには再試験を行い、学修態度も含め総合的に合否決定する。
【テキスト・参考書】
脳神経外科(金芳堂)、脳神経外科手術のための解剖学(MEDICAL VIEW)、臨床のための脳局所解剖学(中外医学社)、臨床のための神経機能解剖学(中外医学社)、ベッドサイドの神経の診かた(南山堂)
【その他】
・学生へのメッセージ
単に受け身でなく積極的に講義に参加し、疑問点は解消してください。 知識だけでなく病態をふまえた深い理解を心がけてください。
・オフィス・アワー
<山形大学で教えていること> 下記の最先端技術を用いた脳神経外科の治療について 術中MRIを用いた脳腫瘍手術 悪性脳・脊髄腫瘍の遺伝子分析に基づいた集学的治療 Hybrid手術室を用いた脳・脊髄血管障害の治療
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