【授業の目的】
アレルギー性皮膚疾患と免疫性皮膚疾患、紅斑症、膿疱症、角化症、水疱症、血管炎、熱傷、褥瘡、爪と毛髪の疾患、その他を学ぶ。 1.皮膚で生じるアレルギーと免疫異常は、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、後天性水疱症などの多様な皮膚疾患を生じる。これらの臨床と病態を学び、アレルギーと免疫の理解を深める。 2.角化症と水疱症は皮膚科特異的な疾患である。臨床と病態を学び、表皮の役割を理解する。 3.爪や毛髪も多様な病態を示す。様々な全身疾患の一症状として変化を示すことが多い。これらの臨床と病態を学ぶ。
【授業の到達目標】
皮膚を場として生じる様々なアレルギーと免疫異常による疾患を概説できる。また、皮疹やかゆみに対する行動科学を理解できる。ガイドラインや治療指針などの国際的な違いを理解できる。 1.蕁麻疹の臨床症状と病態、および治療について理解できる。 2.痒疹の臨床症状と病態、および治療について理解できる。 3.間葉系悪性腫瘍、皮膚リンパ腫の臨床症状と病態、および治療について理解できる。 4.角化症の臨床症状と病態、および治療について理解できる。 5.皮膚に生じる血管炎や紫斑病、循環障害について臨床症状と病態、および治療について理解できる。 6.代謝異常症により生じる皮膚疾患について臨床症状と病態、および治療について理解できる。 7.紅斑症、紅皮症について臨床症状と病態、および治療について理解できる。 8.水疱症、膿疱症について臨床症状と病態、および治療について理解できる。 9.皮膚の付属器(汗腺、脂腺、毛、爪)に生じる疾患について臨床症状と病態、および治療について理解できる。
【授業概要(キーワード)】
蕁麻疹、痒疹、紅皮症、多形滲出性紅斑、血管炎、乾癬、魚鱗癬、掌蹠角化症、表皮水疱症、天疱瘡、類天疱瘡、熱傷、褥瘡、皮膚悪性リンパ腫、皮膚付属器疾患
【科目の位置付け】
山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目〉 2.医学知識と問題対応能力 6.医療の質と安全の管理 8.科学的探究 9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢
〈医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改定版)〉 D-3-1)構造と機能 D-3-2)診断と検査の基本 D-3-3)症候 D-3-4)-(1)湿疹・皮膚炎 D-3-4)-(2)蕁麻疹、紅斑症、紅皮症と皮膚掻痒症 D-3-4)-(3)紫斑・血流障害と血管炎 D-3-4)-(5)水疱症と膿疱症 D-3-4)-(6)乾癬と角化症 D-3-4)-(8)母斑・腫瘍性疾患・腫瘍 D-3-4)-(9)付属器疾患
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
基本的にはパワーポイントを用いた講義を行ない、投影したスライドに口頭で説明を加える。
・日程
1. 蕁麻疹、痒疹、紅皮症 2. 紫斑、血管炎、代謝異常症 3. 紅斑症、膿疱症 4. 間葉系悪性腫瘍、皮膚悪性リンパ腫 5. 遺伝性角化症、炎症性角化症 6. 付属器疾患(汗腺・脂腺・毛髪・爪)、循環障害 7. 遺伝性水疱症、後天性水疱症 8. 物理・化学的皮膚障害(熱傷・褥瘡) 9. 皮膚科救急
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1.講義形式で行う。皮膚疾患は臨床所見を眼で見ることが重要である。従って、授業では臨床や組織のスライドを多用する。これらの画像をよく見て、皮膚疾患を眼に焼き付けて頂きたい。 2.テーマ毎に講義資料を配布する。授業では重要なポイントをまとめるので、講義資料で知識を補って頂きたい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
皮膚科総論をよく理解しておくこと。 配布した講義資料の記載を、授業で見た画像を思い出しながら読み直して頂きたい。
【成績の評価】
・基準
皮膚科の講義で学んだ内容について正しく理解していること。筆記試験の成績が基準点を満たしていること、出席日数を満たしていることが合格の基準である。
・方法
1.授業の出席日数を満たしていること。 2.講義終了後の試験期間に筆記試験を行う。 3.レポートの提出が必要な場合もある。
【テキスト・参考書】
各テーマ毎の講義資料をテキストとする。 参考書 1.岩月啓氏、照井 正、石河 晃:標準皮膚科学 第11版、医学書院 2.清水 宏:あたらしい皮膚科学 第3版、中山書店 3.上野賢一、大塚藤男、藤本 学:皮膚科学 第11版、金芳堂
【その他】
・学生へのメッセージ
目で見える皮膚の臨床所見、顕微鏡で見える病理所見のスライドを多く用いた講義を行うので、皮膚疾患のイメージをつかんで欲しい。
・オフィス・アワー
〈山形大学で教えていること〉 皮膚の分子生物学や遺伝学について最新の情報を提供している。
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