【授業の目的】
リハビリテーション医学、リハビリテーション・福祉・介護の各分野についてチーム医療・多職種連携、手段、アプローチを学び、疾病によって引き起こされる様々な障害を理解しながら、それらに対するリハビリテーションに必要な診断と治療を学ぶ。各分野に対するリハビリテーションに対する基礎的な知識、考え方、アプローチの方法を習得し、日常生活動作 (ADL: activities of daily living)、生活の質 (QOL: quality of life) の改善につながるリハビリテーションの理解を深める。
【授業の到達目標】
① リハビリテーションの概念と適応(脳血管障害、運動器、肢体不自由、脊髄損傷、心大血管疾患、呼吸器疾患、癌等の内部障害を含む)を説明できる。 ② リハビリテーション・チームの構成を理解し、医師の役割、多職種連携の意義を説明できる。 ③ 福祉・介護との連携におけるリハビリテーションの役割を説明できる。 ④ 障害を国際生活機能分類の心身機能・身体構造、活動、参加に分けて説明できる。 ⑤ 機能障害と日常生活動作 (ADL)の評価ができる。 ⑥ 理学療法、作業療法と言語聴覚療法を概説できる。 ⑦ 主な歩行補助具、車椅子、義肢(義手・義足)と装具を概説できる。 ⑧ 小児疾患に対応するリハビリテーションについて説明できる。 ⑨ 高齢者に対応するリハビリテーションについて説明できる。
【授業概要(キーワード)】
リハビリテーション、多職種連携、運動器障害、脳血管障害、内部障害、肢体不自由、脊髄損傷、小児、高齢者
【科目の位置付け】
超高齢社会を迎えた我が国において、リハビリテーション医学の役割は大きい。幅広い障害、外傷、内部障害、小児、高齢者と様々な疾患・障害、それぞれの患者に適したリハビリテーションのあり方と、それを支えるリハビリテーション医学や医療実践について学習する。
<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目> 1 プロフェッショナリズム 2 医学的知識と問題対応能力 3 医療技能と患者ケアの基礎的知識 4 コミュニケーション能力 5 チーム医療の実践 6 医療の質と安全の管理 7 社会における医療の実践 8 科学的探求 9 障害にわたって共に学ぶ姿勢
<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)の該当項目> A-1 プロフェッショナリズム A-2 医学知識と問題対応能力 A-4 コミュニケ-ション能力 A-5 チ-ム医療の実践 A-7 社会における医療の実践 A-8 科学的探究 A-9 生涯にわたって共に学ぶ姿勢 C-5 人の行動と心理 D-2 神経系 D-4 運動器系 D-5 循環器系 D-6 呼吸器系 D-7 消化器系 D-8 腎・尿路系 D-12 内分泌・栄養・代謝系 D-13 眼・視覚系 D-14 耳鼻・咽喉・口腔系 D-15 精神系 E-2 感染症 E-3 腫瘍 E-4 免疫・アレルギー E-7 成長と発達 E-8 加齢と老化 F-1 症候・病態からのアプローチ F-2 基本的診療知識 F-3 基本的診療技能 G-1 診療の基本 G-2 臨床推論 G-3 基本的臨床手技
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
各分野の専門講師による講義形式。スライドとプリントを中心に授業を進める。
・日程
1 リハビリテーション概論 2 リハビリテーション基礎科学・災害医学 3 リハビリテーション;チームと手段 4 関節機能障害 5 脳血管障害 6 脊髄損傷 7 小児のリハビリテーション 8 高齢者のリハビリテーション
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
あらかじめ運動器障害、脳血管障害、内部障害(心大血管疾患、呼吸器疾患、癌等)、肢体不自由、脊髄損傷、小児疾患、高齢者 に関連するリハビリテーションの基礎的事項について、一読し、大まかな理解を深めておく。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
参考図書の該当欄をあらかじめ通読しておくことが望ましい。 講義で配布された資料を参照し、参考図書を用いて更に理解を深める。
【成績の評価】
・基準
全講義終了後試験を行い、理解度を評価する。運動器障害、脳血管障害、内部障害(心大血管疾患、呼吸器疾患、癌等)、肢体不自由、脊髄損傷、小児疾患、高齢者に関連するリハビリテーションについて説明できるかどうかを評価する。 講義への出席回数が規定に達しない場合は成績評価を行わない。
・方法
講義毎に出欠を確認。 筆記試験を1回行い、60点以上を合格とする。 試験成績が合格基準に満たないものには再試験(1回)を行い、学習態度も含めて総合的に合否判定する。
【テキスト・参考書】
特に指定はしない。 参考図書: 現代リハビリテーション医学 (金原出版) 最新リハビリテーション医学 (医歯薬出版) 標準リハビリテーション医学(医学書院) 標準整形外科学(医学書院) 義肢装具のチェックポイント (日本整形外科) リハビリテーションレジデントマニュアル(医学書院)
【その他】
・学生へのメッセージ
運動器障害、脳血管障害、内部障害(心大血管疾患、呼吸器疾患、癌等)、肢体不自由、脊髄損傷、小児疾患、高齢者に関するリハビリテーションを学習するとき、自分またはその家族がそのような状態に陥った場合、日常生活を送る上で、また社会生活を送る上でどのような不都合が生じ、どのような点を改善したいと考えるか、イメージしてください。 運動器障害、脳血管障害、内部障害(心大血管疾患、呼吸器疾患、癌等)、肢体不自由、脊髄損傷、小児疾患、高齢者に関連するリハビリテーションの基礎的事項について、大まかな理解を深めてください。
・オフィス・アワー
午前8時30分~午後6時 <山形大学で教えていること> 運動器、心臓、呼吸器、神経疾患、高次脳機能リハビリテーション。 急性期リハビリテーション。
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