臨床実習 (第一内科)
 Clinical Practice
 担当教員:渡辺昌文(WATANABE Masafumi)、渡邉哲(WATANABE Tetsu)、井上純人(INOUE Sumito)、市川一誠(ICHIKAWA Kazunobu)、有本貴範(ARIMOTO Takanori)、他第一内科教員、病院助教など
 担当教員の所属:医学部医学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):臨床にたずさわっている。
 開講学年:4年、5年、6年  開講学期:通年  単位数:61単位  開講形態:実習
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修 
【授業の目的】
ベッドサイド教育を通して、循環器内科学、呼吸器内科学、腎臓・膠原病内科学を中心とした臨床内科学全般の理解を深める、将来医師として求められる基本的な資質・能力を習得することを目的とする。

【授業の到達目標】
1. 内科疾患患者の医療面接、身体診察を実施できる。
2. 循環器疾患・呼吸器疾患・腎疾患・膠原病の検査法を説明できる。
3. 循環器疾患・呼吸器疾患・腎疾患・膠原病の標準的治療法を説明できる。治療に際しては、医療提供者と患者の合意が大切であることを学ぶ。特に患者背景は個人個人で様々であり、患者の治療に対する要望も多様であることを理解する。また、主要疾患の国際的な治療ガイドラインを学ぶ。

【授業概要(キーワード)】
循環器内科学:心不全、虚血性心疾患、不整脈、弁膜症、心筋・心膜疾患、高血圧症、低血圧症、
呼吸器内科学:呼吸不全、呼吸器感染症、肺疾患、異常呼吸、胸膜・縦隔疾患、肺腫瘍性疾患
腎臓内科学:腎不全、糸球体疾患、尿細管機能異常、尿細管・間質性疾患、全身性疾患による腎障害
膠原病内科学:自己免疫疾患

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
7人程度毎のグループに分かれ、外来及び入院患者についての臨床実習やベッドサイド教育を通して、講義で修得した医学知識を実際の臨床の場で確認応用する。担当症例の診察を通して、医学知識、臨床推論法、診察技術、態度などの臨床能力を身につける。

<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目>
1.プロフェッショナリズム
2.医学的知識と問題対応の能力
3.診療技能と患者ケアの基礎的知識
4.コミュニケーション能力
5.チーム医療の実践
6.医療の質と安全の管理
7.社会における医療の実践
8.科学的探究
9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢

<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)の該当項目>
A 医師として求められる基本的な資質・能力
B社会と医学・医療
C-2-3)-(4) ホメオスタシス
C-4-4 循環障害、臓器不全
C-5 人の行動と心理
D 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療
D-5 循環器系
D-6 呼吸器系
D-8 腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む)
E-2 感染症
E-3 腫瘍
E-4 免疫・アレルギー
E-9 人の死
F 診療の基本
G-1臨床実習
G-2 臨床推論
G-3 基本的臨床手技
G-4 診療科臨床実習

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
第4学年は Bed side learning(BSL)として、Small group teaching(SGT)で、知識を整理しながら、参加型+見学型臨床実習を行う。
第5学年の参加型臨床実習では、Clinical Clerkship(CC)として、それまでの臨床実習をさらに発展させて実際の診療にも積極的に参加してもらう。
・日程
第4学年
【第1-2週】1科目を選択
オリエンテーション、心臓カテーテル検査、心エコー、トレッドミル、心電図研修、心筋シンチ、経食道心エコー、気管支内視鏡検査、腎生検、透析、症例検討会
【第3-4週】1-2週で選択しなかった2科目を1週間ずつ実習する。
回診や検査の見学などを行う。最終日に口頭試問を行う。

第5学年
原則として4週間で1分野を選択し、病棟での回診、検査見学、患者の担当を行い、より積極的に主治医に近い形での参加を行う。カンファレンスでは自分の担当患者のプレゼンテーションを行い、同時に作問をしてグループ内で議論する。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
循環器内科、呼吸器内科、腎臓膠原病内科領域の医学知識を臨場感をもって習得する。外来や入院患者における診療ならびに複数の指導医による講義と実習が中心となる。講義によって習得した医学的知識を整理し、病歴や現症のとりかたや診療録の記載のしかたをマスターするとともに、診断と治療の経過を十分に理解すること。不明な点は積極的に担当教官に質問する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
教科書や参考図書等により該当疾患・項目の概略や基本手技について把握しておく。
実習にて経験した項目や疑問点について、授業ノート、教科書、参考図書を用いて確認し、知識の整理を行う。

【成績の評価】
・基準
1. 内科疾患患者の医療面接、身体診察を実施できる。
2. 循環器疾患・呼吸器疾患・腎疾患・膠原病の検査法を説明できる。
3. 循環器疾患・呼吸器疾患・腎疾患・膠原病の標準的治療法を説明できる。
4.患者サマリーを記載できる。

治療に際しては、医療提供者と患者の合意が大切であることを学ぶ。
特に患者背景は個人個人で様々であり、患者の治療に対する要望も多様であることを理解する。また、主要疾患の国際的な治療ガイドラインを学ぶ。
・方法
各実習の最後に、プレゼンテーションと試問、ミニテストを行う。成績は、出席・授業態度・ポートフォリオ・試問で評価する。また、原則的に、BSL、 CCの末に、試験による評価も行う。出席回数が3/4に満たないものは受験資格を与えない。再試験あり。

【テキスト・参考書】
内科学(矢崎義雄総編集、 朝倉書店)
Braunwald's Heart Disease. A Textbook of Cardiovascular Medicine (Elsevier)
Murray & Nadel’s Textbook of Respiratory Medicine.(Elsevier Saunders)
Brenner and Rector's the Kidney(Elsevier)
Arthritis and Allied Conditions: A Textbook of Rheumatology(Lippincott Williams & Wilkins)
循環器病ガイドラインシリーズ https://www.j-circ.or.jp/guideline/guideline-series/
入門書 病気がみえる 循環器、診察と手技がみえる(メディックメディア)

【その他】
・学生へのメッセージ
臨床実習では、医学知識や技術の確認取得もさることながら、医療面接や診断治療の流れなどを通して、患者さんや他の医療職との接し方を学ぶ重要な機会です。
・オフィス・アワー
オフィスアワー
月~金 9:00~17:00 第一内科医局
一緒に、しっかり勉強しましょう。

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