臨床実習 (第二内科)
 Clinical practice (Gastroenterology)
 担当教員:上野 義之(UENO Yoshiyuki)、阿部 靖彦(ABE Yasuhiko)、芳賀弘明(HAGA Hiroaki)、佐々木悠(SASAKI Yu)、松田暁子(MATSUDA Akiko)、柿崎泰明(KAKIZAKI Yasuharu)
 担当教員の所属:医学部
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):医師として実務経験のある教員がその経験を活かし各診療科における代表的な疾患等について講義を行う。
 開講学年:4年、5年、6年  開講学期:通年  単位数:61単位  開講形態:実習
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修  
【授業の目的】
消化器疾患について臨床実習を行い以下の点を習得することを目的とする。
1.消化器疾患に特徴的な症候、身体所見のとり方、消化管造影検査や消化器内視鏡検査などの各種検査法、消化器疾患に対する内科的な治療法について学ぶ。
2.消化器病学各論では消化管疾患・肝臓・胆道・膵臓疾患の成因、診断、治療、予後について、各疾患の病態生理まで含め、学ぶ姿勢を養う。
3.入院、外来患者を実際に診察し、適切な診断・治療あるいは鑑別診断の要点について習得するとともに、学生相互の学習発表や指導教官との討議を通して理解を深める。

【授業の到達目標】
実際に患者を受け持ち、症候、病態、診断、治療、予後について学ぶことを通じて、消化器病について十分な知識を身につけ、また指導教官との討論により診断プロセスを学び問題解決能力を養うことを目標とする。

到達目標:
・主要な消化器疾患を診察し、診断と治療計画の立案・実施に参加できる。【態度・習慣】【技能】
・複数の疾患をもつ患者の診察、診断と治療計画の立案・実施に参加できる。【態度・習慣】【技能】
・ショック、発熱、全身倦怠感、肥満・やせ、黄疸、貧血、出血傾向、リンパ節腫脹、浮腫、腹痛、悪心・嘔吐、嚥下困難、食思不振、便秘・下痢、吐血・下血、腹部膨隆(腹水を含む)・腫瘤、腰背部痛のある患者の診断の要点を説明できる。【知識・理解】
・消化器作用薬(潰瘍治療薬、消化管運動作用薬)の薬理作用を説明できる。
・抗菌薬、抗腫瘍薬の薬理作用を説明できる。【知識・理解】
・血液検査、生化学検査の目的と適応を説明し、結果を解釈できる。【知識・理解】
・内視鏡機器の種類と原理を説明できる。【知識・理解】
・内視鏡検査、治療法の種類を列挙し、概説できる。【知識・理解】
・超音波検査、治療法の種類を列挙し、概説できる。【知識・理解】
・腫瘍の細胞診と組織診との違いを説明できる。【知識・理解】
・腫瘍の画像診断を概説できる。【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
消化器病、消化管、肝臓、胆道、膵臓、腹膜、内視鏡検査、診断、治療

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:51~75%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:51~75%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:51~75%

【科目の位置付け】
3年次、4年次で学習した消化器疾患の診断および内科的治療に関する基本的知識を再確認しつつ、ステューデントドクターに求められる診療技能を習得する。

<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目>
1.プロフェッショナリズム
2.医学知識と問題対応能力
3.診療技能と患者ケア
4.コミュニケーション能力
5.チーム医療の実践
6.医療の質と安全の管理
7.社会における医療の実践
8.科学的探究
9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢

<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)の該当項目>
A 医師として求められる基本的な資質・能力
D 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療-7 消化器系
F 診療の基本F-1診療の基本 -5)ショック、-7)意識障害、-20)腹痛、21)悪心・嘔吐、22)吐血・下血、-23) 便秘・下痢、-24)黄疸、-25)腹部膨隆(腹水を含む)・腫瘤、-35) 腰背部痛
F-2-6) 内視鏡を用いる診断と治療
F-2-7) 超音波を用いる診断と治療
F-3 基本的診療技能
G 臨床実習

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
臨床実習およびsmall group teaching(SGT)
・日程
臨床実習においては、外来・病棟診療、および各種検査・治療を学ぶ。とくに病棟実習では実際の症例を受け持つが、ステューデントドクターとしての範囲内で積極的に診療に参加する。
1)病棟実習では指導医の下で入院患者を受け持ち、病歴の聴取、診断を行い、検査、治療の実際を学ぶ。週1回総回診の際には受け持ち患者の状態を簡潔にプレゼンテーションする。
2)外来実習では患者との接し方、病歴と身体所見のとり方、鑑別診断、検査の進め方などを学ぶ。

◆ベッドサイドラーニング(2週間)では、担当教官の指導のもと、担当症例に関するレポート作成および口頭発表を行う。また、重要な症候、疾患、検査法についてはテーマごとに教官がSGT(small group teaching)を複数回行う。
◆クリニカルクラークシップ(4週間)では、担当教官および診療グループの指導のもと、複数の患者を受け持つ。主治医チームの一員として自覚をもって実習に臨むことが重要である。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
十分な予習と復習を行い、各症例について積極的に学ぶことに努める。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
参考書や教科書により予習をしてから実習を受け、理解を深める。
実習で得られた知識を整理し、各疾患の関連領域を自主的に学習する。

【成績の評価】
・基準
出席状況、実習内容の理解度より総合的に評価する。実習に関しての試験は実施しない。
・方法
1)ベッドサイドラーニングでは担当症例の病歴、レポートを提出するとともに、口頭で発表する。クリニカルクラークシップでは実習終了時に、学習したことをパワーポイントなどのソフトを用いてスライドを作成し学生および教官の前で発表する。
2)6年時に卒業試験を行い、出席状況などを含めて総合的に評価する(国家試験に準じた形式)。卒業試験の再試は状況に応じて考慮する。

【テキスト・参考書】
Bockus Gastroenterology 5th Ed. (W.B. Saunders)
Yamada T. ed. Textbook of Gastroenterology 5th Ed.
福井次矢ら編著 内科診断学(医学書院)
垂井清一郎、河田純男ら編著 総合内科診断学(朝倉書店)
杉本恒明ら編 内科学(朝倉書店)
高久史麿ら監修 新臨床内科学(医学書院)
黒川 清ら編 EBM現代内科学(金芳堂)
木原 彊ら編 新消化器病学(医学書院)
門脇孝ら総編集 カラー版内科学(西村書店)
浅香正博ら編集 カラー版消化器病学(西村書店)
下瀬川徹監修 消化器画像診断アトラス(中山書店)

【その他】
・学生へのメッセージ
実際の患者さんと直接接する実習は大変重要で貴重な機会です。この機会に感謝しつつ、個々の症例を大切に、より多くのことを学んでください。

<山形大学で教えていること>
上記の内容に加えて、各疾患の基礎的・臨床的研究の最新知見や診療ガイドラインに記載のない先進治療、当科で独自に取り組んでいる治療などについても教えている。
・オフィス・アワー
原則として講義担当者が講義の際に連絡します。あるいは月~金(祝日除く)10:00~16:00第二内科医局医局事務にお問い合わせください。

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