臨床実習 (第二外科(外科学・呼吸器外科学))
 General Thoracic Surgery
 担当教員:塩野 知志(SHIONO Satoshi)、鈴木 潤(SUZUKI Jun)、渡辺光(WATANABE Hikaru)
 担当教員の所属:医学部医学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):医師として実務経験のある教員がその経験を活かし各診療科における代表的な疾患等について講義を行う
 開講学年:4年、5年、6年  開講学期:通年  単位数:61単位  開講形態:実習
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修  
【授業の目的】
外科学、呼吸器外科学
4~5年生(ベッドサイドラーニング:BL):
病棟チームの一員として診療現場に立ち会い、手術助手として参加する.特に術前・術後管理に主治医グループとともに行動し、外科治療の実際を学ぶことを目的とする.
5~6年生(クリニカルクラークシップ:CC):
1年間のBLの経験を更に発展させ、実際の診療に参加し治療計画の立案が可能となることを目的とする。

【授業の到達目標】
外科医療は他職種とのチーム医療であることを理解でき、患者、コメディカルや関連する他の診療科とのコミュニケーション能力を身につけることができる。
外科治療、術式選択における標準治療指針(ガイドライン)を理解し、それに乗っ取った標準的外科治療を説明することができる。将来、国際医療へ貢献できる医師となる礎を築く。
十分な基礎的医学知識をもとに診察や検査を行い、その病態を理解出来、適確な治療方針を立てることができる。
厚生労働省により示された「学生に許容される医行為の範囲」を修得する。
具体的には、手洗い、ガウンテクニック、皮膚および皮下縫合、抜糸、手術助手などの基本事項ができる。
さらに、全身麻酔下の手術時に限っては、皮内注射・皮下注射による局所浸潤麻酔法と胸腔ドレーンの挿入ができる。
また、胸腔鏡手術時にはカメラワークが可能で、自動縫合器による切開手技ができる。
気管支鏡検査において、気管支鏡(スコープ)の抜去時観察手技ができる。

【授業概要(キーワード)】
呼吸器外科学、呼吸器外科手術、周術期管理、肺癌補助療法

【科目の位置付け】
実習を通じて呼吸器外科臨床の実際を学ぶ
<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目>
1 プロフェッショナリズム
2 医学的知識と問題対応能力
3 診療技能と患者ケアの基礎的知識
4 コミュニケーション能力
5 チーム医療の実践
6 医療の質と安全の管理
<医学教育モデルコアカリキュラム(平成28年度改訂版)の該当項目>
A 医師として求められる基本的な資質・能力
A-1 プロフェッショナリズム
A-2 医学知識と問題対応能力
A-3 診療技能と患者ケア
A-4 コミュニケ-ション能力
A-5 チ-ム医療の実践
A-6 医療の質と安全の管理
A-7-2) 国際医療への貢献
C-4-5) 炎症と創傷治癒
C-4-6) 腫瘍
D-6 呼吸器系
E-2 感染症
E-3 腫瘍
F 診療の基本

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
BL&CC:主治医の指導の下に数名の患者を受け持ち、病歴の聴取や診察、診療録記載等を行う.教授回診時の担当患者のプレゼンテーション、術前カンファレンスでの担当患者提示。手術には助手の一員として参加する.
BL:担当患者1名分のレポートを実習終了後に提出する.また、抄読会において当該疾患に関係する論文(英文)を発表する.
・日程
週間予定
40531を参照 以下は呼吸器に特異的なもの
(月)PM 気管支鏡検査(13時30分)、総回診(15時)
(火)キャンサートリートメントボード(17時)、呼吸器カンファレンス(17時30分)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
多くの症例に接し積極的に知識を修得する.気づいた事や不明な点は積極的に質問したり調べる.
静脈採血、静脈内注射(末梢)、動脈血ガス分析、胸腔穿刺、皮膚縫合、紹介状、返事、退院時連絡書などの医療文書作成を、修得状況に応じて実施する。
配付してあるiPadにより、呼吸器外科の周術期管理、ドレーン挿入の基本的手技などを学ぶ。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
教科書や参考図書、更には文献等により疾患を理解する(特に手術適応と手術法等).
実習中に経験した事や得られた知識を復習するとともに、教科書や参考図書等で確認する.

【成績の評価】
・基準
呼吸器外科の病態を理解出来ること。
患者の病歴聴取に基づき適確な治療方針をたてることができること。
特に肺癌患者では、肺切除後呼吸機能の変化を理解できること。
・方法
実習中の態度や診療技術、病態の知識や理解度を回診時の質疑で評価する。
手洗い、ガウンテクニックができることが合格基準である。
皮下、皮膚縫合の基本的手技が理解できていることを評価する。
局所浸潤麻酔法と胸腔ドレーンの基本が理解できることをが合格基準であり、実施できることをさらに評価する。
患者レポート(BL)で理解度を評価する。
抄読会の発表内容を評価する。

【テキスト・参考書】
呼吸器外科学テキスト http://www.id.yamagata-u.ac.jp/protected/SurgText/index.html
(学内からのみアクセス可能)
その他:医局図書室に関連図書あり
標準外科学(医学書院);小柳 仁、松野 正紀、北島 政樹 編集
呼吸器外科学(南山堂);正岡 昭 監修、藤井義敬 編集

【その他】
・学生へのメッセージ
まず、患者さんと仲良くなること。右腕の点滴を失敗しても、患者さんから「左腕でどうぞ」と言われるようになりましょう。

非常時の呼び出しがあり得るため、連絡先(携帯電話等)を申し出ること。
欠席するときは必ず連絡をすること。
・オフィス・アワー
随時対応可能。PHSで呼び出し可能。かつ医局秘書へのコンタクトで対応可能。

<山形大学で教えていること>
上記内容に加え、教科書やガイドラインに記載されていない新たな外科治療、当科独自の新しい術式についても教えている。

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