臨床実習 (整形外科)
 Clinical Practice of the Orthopaedic Surgery
 担当教員:高木 理彰(TAKAGI Michiaki)高窪 祐弥(TAKAKUBO Yuya)
佐竹 寛史(SATAKE Hiroshi)鈴木 朱美(SUZUKI Akemi)
菅原 正登(SUGAWARA Masato) 成田 亜矢(NARITA Aya)
結城 一声(YUKI Issei) 鈴木智人(SUZUKI Tomoto)大木弘治(OKI Hiroharu) 
赤羽 武(AKBANE Takeru) 仁藤敏哉(NITO Toshiya)
 担当教員の所属:医学部医学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):医師として実務経験のある教員が、その診療経験を活かし、整形外科における代表的な疾患等について講義・実習を行う。
 開講学年:4年、5年、6年  開講学期:通年  単位数:61単位  開講形態:実習
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修 
【授業の目的】
運動器(四肢・脊柱)の傷害、障害、疾病
四肢と脊柱の講造と機能を復習し、各部位の外傷や疾病によって引き起こされる症状、それに対する診断と治療を解説する。これらの知識のもと、運動器の障害に対する基礎的な知識、考え方を習得し、生活の質(QOL: Quality of Life) について理解を深めることを目的とする。

【授業の到達目標】
①運動器各部位の解剖、機能を説明できる。
②四肢、脊柱の診察を行い、正常と異常を説明できる。
③診察から得られた情報により病態を説明できる。
④四肢、脊柱の各疾患について説明できる。
⑤診断した疾患に対する保存療法を提示することができる。
⑥診断した疾患に対する手術の方法を説明できる。
⑦患者と積極的にコミュニケーションを取る能力を身につける。
⑧創傷の縫合法を理解し、実践できる。
⑨ギプスの巻き方を習得し、実践できる。
⑩最新の治療を理解し、現在の問題点を抽出できる。
⑪最新の論文を読み、国際的視野を持ち、国際社会の一員として活動することができる。
⑫地域医療に携わり、その活動を理解できる。
⑬研究の意義を理解し、科学的情報を批判的に評価する姿勢を持ち、新しい治療への興味・関心を維持できる。

【授業概要(キーワード)】
四肢、脊椎、脊髄、骨、軟骨、関節、靱帯、神経、筋肉
プレゼンテーション、患者医師関係、コミュニケーション、国際貢献、地域医療、災害医療、リサーチマインド

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
整形外科は人間が人間らしく生きるために必要な「運動器」を専門とする科目であり、ヒトのQOLとはどういうことか考えながら、整形外科学の役割について学習する。
地域医療に貢献し、国際的視野を育てる。

<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目>
1 プロフェッショナリズム
2 医学的知識と問題対応能力
3 医療技能と患者ケアの基礎的知識
4 コミュニケーション能力
5 チーム医療の実践
6 医療の質と安全の管理
7 社会における医療の実践
8 科学的探求
9 障害にわたって共に学ぶ姿勢

<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)の該当項目>
A-1 プロフェッショナリズム
A-1-2) 患者中心の視点 A-1-3) 医師としての責務と裁量権
A-2 医学知識と問題対応能力
A-4 コミュニケ-ション能力
A-5 チ-ム医療の実践
A-7 社会における医療の実践
A-8 科学的探究
A-9 生涯にわたって共に学ぶ姿勢
D-2 神経系
D-4 運動器系
E-2 感染症
E-3 腫瘍
E-4 免疫・アレルギー
F-1 症候・病態からのアプローチ
F-1-35) 腰背部痛 F-1-36) 関節痛・関節腫脹 F-1-37) 外傷・熱傷
F-2 基本的診療知識
F-2-2) 根拠に基づいた医療<EBM> F-2-3) 臨床検査 F-2-4) 病理診断 F-2-5) 放射線等を用いる診断と治療 F-2-6) 内視鏡を用いる診断と治療 F-2-7) 超音波を用いる診断と治療 F-2-8) 薬物治療の基本原理 F-2-9) 外科的治療と周術期管理 F-2-10) 麻酔 F-2-14) リハビリテーション
F-3 基本的診療技能
G-1 診療の基本
G-2 臨床推論
G-2-34) 運動麻痺・筋力低下 G-2-35) 腰背部痛 G-2-36) 関節痛・関節腫脹 G-2-37) 外傷・熱傷
G-3 基本的臨床手技
G-3-3) 外科手技

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
1 講義(SGT: short group teaching)
2 PCプレゼンテーションによる運動器の解剖、疾患、病態の解説と実際の症例の供覧
3 外来・病棟業務への参加。
4 手術実習
・日程
講義(SGT)項目
1 整形外科総論
2 整形外科基礎科学・災害医学
3 脊椎疾患
4 骨盤股関節外傷・股関節疾患
5 骨軟部腫瘍・先天性骨系統疾患
6 関節リウマチと類縁疾患・慢性関節疾患
7 先天異常症候群・手外傷・手肘疾患
8 下肢外傷・膝疾患
9 肩関節外傷・疾患
10 スポーツ・足関節外傷・疾患
11 骨折・骨代謝

術前・術後プレゼンテーション
外来実習
病棟実習
手術実習

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
あらかじめ疾病・障害に関連する骨・軟骨・関節・靱帯・神経・筋肉・血管の解剖・生理を理解しておく。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
参考図書の該当欄をあらかじめ通読しておくことが望ましい。
講義で配布された資料を参照し、参考図書を用いて更に理解を深める

【成績の評価】
・基準
4年次から5年次のBSLでは担当症例をレポートにまとめ、担当教官がレポートの完成度をチェックし、添削を行う。まとめの会で担当症例のプレゼンテーションとディスカッションを行い、目標に達しているかどうかを評価する。
5年次から6年次のCCLでは担当教官とともに症例を経験し、術前プレゼンテーションやSGTで達成度を評価する。
・方法
実習への参加、態度、レポート、ポートフォリオ、試験の結果を総合的に評価する。
ポートフォリオ内に到達度を記載する。

【テキスト・参考書】
1 標準整形外科学(医学書院)
2 Campbell’s Operative Orthopaedics(ELSEVIER)
3 Textbook of Rheumatology(ELSEVIER)
4 現代リハビリテーション医学(金原出版)
5 最新リハビリテーション医学(医歯薬出版)

【その他】
・学生へのメッセージ
各疾患・障害を学習するとき、自分がそのような状態に陥ったら日常生活を送る上で、また社会生活を送る上でどのような不都合が生じるか、イメージしてください。そのような不都合をどうしたら最小限度に抑えることができるか考えてください。
四肢・脊柱の機能解剖について理解したうえで受講してください。
・オフィス・アワー
午前8時30分~午後6時

<山形大学で教えていること>
関節リウマチや類似疾患の鑑別法と治療法。
関節鏡を使用した各関節最小侵襲手術。
脊椎・関節疾患の最新の治療法。
先天性疾患に対する治療。
広域激甚災害における整形外科の役割。

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