臨床実習 (皮膚科)
 Clinical Practice
 担当教員:鈴木 民夫(SUZUKI Tamio)、紺野 隆之(KONNO Takayuki)、阿部 優子(ABE Yuko)、荒木 勇太(ARAKI Yuta)
 担当教員の所属:医学部医学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):医師として実務経験のある教員が、その診療経験を活かし、実習の指導を行う。

 開講学年:4年、5年、6年  開講学期:通年  単位数:61単位  開講形態:実習
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修 
【授業の目的】
実習を通じて様々な皮膚疾患の臨床所見を観察し、実際に行っている治療法を理解することによって皮膚科診断学と皮膚科治療学を学習する。
1.皮膚科外来と病棟で、実際の患者を診察することによって皮膚疾患の臨床所見を理解する。
2.小講義(small group teaching、SGT)と最終日の総括によって、皮膚科の重要項目と新知見を学習する。
3.日々学習した事項を皮膚科日誌に記録して提出する。

【授業の到達目標】
1.皮膚科外来患者に対して数人で問診や診察をおこない、診断を考えることができる。
2.基本的皮膚疾患の臨床所見を皮膚科用語で表現することができる。
3.皮膚科入院患者の臨床所見と病態を理解し、治療法を説明することができる。
4.皮膚科外来と病棟実習を通じて、患者とのよいコミュニケーションを築くことができる。
5.指導医とのコミュニケーションを通じて、チーム医療の重要性を理解できる。
6.ガイドラインや治療指針などの国際標準を説明することができる。
7.皮膚症状に対する行動科学について説明することができる。

【授業概要(キーワード)】
皮膚科診断学、皮膚科治療学、皮膚外科、皮膚病理組織学、コミュニケーション、チーム医療、

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
臨床医学の各専門分野のうち皮膚科的疾患の臨床を経験する。
〈山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目〉
1.プロフェッショナリズム
2.医学知識と問題対応能力
3.診療技能と患者ケア
4.コミュニケーション能力
5.チーム医療の実践
6.医療の質と安全の管理
7.社会における医療の実践
8.科学的探究
9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢

〈医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改定版)〉
D-3-1)構造と機能
D-3-2)診断と検査の基本
D-3-3)症候
D-3-4)-(1)湿疹・皮膚炎
D-3-4)-(2)蕁麻疹、紅斑症、紅皮症と皮膚掻痒症
D-3-4)-(3)紫斑・血流障害と血管炎
D-3-4)-(4)薬疹・薬物障害
D-3-4)-(5)水疱症と膿疱症
D-3-4)-(6)乾癬と角化症
D-3-4)-(7)皮膚感染症
D-3-4)-(8)母斑・腫瘍性疾患・腫瘍
D-3-4)-(9)付属器疾患

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
1.外来実習では、その日の新来患者から問診を行い、皮膚所見を診察して、診断を考える。その後、外来担当指導医と共に診察してディスカッションを行う。
2.病棟実習では、入院患者を担当して、臨床所見や病態を学び、治療法を学習する。
3.皮膚科セミナー(SGT)によって皮膚科領域の重要項目を学習する。
4.学んだことを皮膚科日誌に記載して提出する。
・日程
実習日程(予定)
1.第1週月曜日9時から、皮膚科医局でオリエンテーションを行う。この時に実際の日程表を配布する。以下に予定を示す。
2.病棟担当学生は午前9時より病棟実習を行う(水曜日以外)。
3.新患・再来担当学生は午前9時から外来実習を行う。
4.月曜日と金曜日の午後は入院患者の手術見学を行う。
5.皮膚科教官によるsmall group teaching(SGT)を6-8回行う。
6.皮膚科医局で行われる勉強会や講演会に出席する。
7.最終日(第2週金曜日)の午後、教授による総括を行う。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1.実習やSGT、勉強会に積極的に参加すること。
2.日々学んだことをメモし、皮膚科日誌に記載する。
3.皮膚科日誌には学習したことの他、実習で感じた疑問や質問を記載する。皮膚科日誌は関係した全教官が目を通した後、返却する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
基本診断学で学んだ発疹学の項を読み返しておく。実際に診た疾患をテキストなどで復習しておくこと。

【成績の評価】
・基準
出席率と実習中における態度および皮膚科日誌の提出をもって基準を満たすものとする。ただし、皮膚科日誌の内容によっては再提出を求めることがある。
・方法
出席率が基準に満たない場合や、実習内容を記載した皮膚科日誌の内容に不備がある場合、および実習態度が著しく劣ると判断される場合は不可とする。

【テキスト・参考書】
基本診断学や皮膚コースで用いた講義資料をテキストとして使用すること。
参考書
1.岩月啓氏、照井 正、石河 晃:標準皮膚科学 第11版、医学書院
2.清水 宏:あたらしい皮膚科学 第3版、中山書店
3.上野賢一、大塚藤男、藤本 学:皮膚科学 第11版、金芳堂

【その他】
・学生へのメッセージ
皮膚科実習では、皮膚病変を実際に診ることが重要です。積極的に、多くの皮膚病変を診てください。
・オフィス・アワー
〈山形大学で教えていること〉
SGTでは皮膚科の最新の知識について専門的に学ぶことができる。毎週の手術日には手術室で縫合などの基本手技や皮弁、植皮などの形成外科的な手技を学ぶことができる。症例発表を通じてスライド作成、論文検索、科学的探究法などを学ぶことができる。

41000610-2024-0401-40551