【授業の目的】
耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の疾患の診断と治療について学ぶ。 聴覚障害、平衡障害、味覚嗅覚障害、音声言語障害、嚥下障害等、耳鼻咽喉・頭頸部疾患に関連する特有な機能障害・身体障害について学ぶ。 耳鼻咽喉・頭頸部外科の扱う分野は広汎で、臨床実習で全ての分野を網羅することは不可能であるが、代表的な疾患についての理解を深める。 入院実習:各学生には、実習期間中に手術予定患者1-2名を担当し、術前のカンファレンスや患者を診察した上で、病状を把握し、主治医とともに手術助手として参加する。皮膚縫合等の機会があれば積極的に行ってもらう。また担当した症例の臨床経過とその疾患に関わる考察について実習最終日に発表し、ケースレポートを実習終了後に提出する。 外来実習:外来日(月水金)の午前中は、外来新患患者の問診、病歴聴取を行ってもらい、新患担当医と共に実際に患者を診察し、診断法や治療について学ぶ。また外来日(月水金)の午後は、耳鼻咽喉・頭頸部外科特有な各種検査(聴覚:標準純音朝食検査、頭頸部:頸部エコー)の実習を行い、検査の理解を深める。
【授業の到達目標】
耳鼻咽喉科、頭頸部疾患の、症候の理解、診断・検査および治療を行うに当たって必要な知識や手技を獲得し、実践することができる。 聴覚障害、平衡障害、音声言語障害、嚥下障害等、耳鼻咽喉・頭頸部疾患に関連する身体障害に対する理解を深め、説明することができる。 行動科学に基づき、良好な医師-患者関係を構築するための対人能力技能を習得する。
【授業概要(キーワード)】
耳科学、鼻科学、口腔・咽頭科学、喉頭科学、頭頸部外科学
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:51~75% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
3年次の『臓器疾患学:感覚器コース(耳鼻科)』、4年次の『全身性疾患学・外科系(耳鼻科)』での学修を踏まえたうえで、耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学全体の授業として完成させる。それにより耳鼻咽喉・頭頸部領域の疾患についてより詳しい知識を習得し各疾患病態を自ら考えられるようにするものである。
この講義は、<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28 年度改訂版)>における D-14 耳鼻・咽喉・口腔系 D-14-1) 構造と機能 D-14-2) 診断の検査の基本 D-14-3) 症候 D-14-4) 疾患 D-14-4)-(1) 耳鼻・咽喉・口腔系の良性疾患 D-14-4)-(2) 腫瘍性疾患 F-1-9) めまい F-1-19) 嚥下困難・障害 F-3-5)-(3) 頭頸部 の内容を包含する。
この講義は、<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)>における、 1 プロフェッショナリズム 2 医学知識と問題対応能力 3 診療技能と患者ケア 4 コミュニケーション能力 5 チーム医療の実践 6 医療の質と安全の管理 7 社会における医療の実践 8 科学的探究 9 生涯にわたって共に学ぶ姿勢 の内容を包含し、これらを充足することを目標とする。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
外来・病棟での臨床実習(入院患者診察、手術実習、外来患者診察)、特殊検査の実習、入院(手術担当)患者に関するケースレポート、その疾患に関わる考察のプレゼンテーション
・日程
第1週月曜日:実習導入オリエンテーション(伊藤) 第2週木曜日:臨床課題プレゼンテーション 毎 週 月:17時30分より術後カンファレンス(POC) 月・水:7時30分より医局集会室での症例検討会(MC)、その後8時30分より総回診 月・水・金 午前:外来実習(問診、身体診察、担当医へのプレゼンテーション) 月・水・金 午後:特殊外来実習(各種検査) 火・木:手術実習 金:午前8時 病棟回診
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
出席状況および実習態度は毎日評価します。教科書的な知識だけではなく、実際の患者から学ぶという姿勢で積極的に実習に参加して下さい。 耳鼻咽喉科、頭頸部疾患の症候・病態生理について理解する。 耳鼻咽喉科、頭頸部外科の治療法について理解する。 耳鼻咽喉科、頭頸部領域特有な検査法について理解する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野固有の、表記や医学用語 耳鼻咽喉科・頭頸部の解剖(特に手術実習時) の予習を行うことにより、実習での理解がより確実なものになります。
実習で経験した内容を、教科書や講義ノート、ポートフォリオなどを用いて復習して下さい。 また疑問点があれば積極的に主治医に質問して理解を深めて下さい。
【成績の評価】
・基準
臨床実習の出欠状況、実習態度、ケースレポートの提出状況、ポートフォリオ、筆記による移行試験、卒業試験の成績で総合的に判断する。
・方法
実習の出席が3/4未満の場合とケースレポート未提出の場合は、筆記試験の受験を認めない。 臨床課題プレゼンテーション、移行試験、卒業試験の成績で総合的に合否を判断する。成績が合格基準に満たない者に対しては学習態度を含め総合的に合否を判断する。 <試験内容> 医師国家試験に準じた多肢選択問題(MCQ)式の筆記試験を行う。主に耳鼻咽喉科学疾患、頭頸部外科学疾患の診断学、治療法などを中心に行う。
【テキスト・参考書】
『臓器疾患学:感覚器コース』『全身疾患学』で配布された講義資料を持参し使用して下さい。 <参考書> あたらしい耳鼻咽喉科・頭頸部外科学(中山書店) 新耳鼻咽喉科学(南山堂) 病気がみえる 耳鼻咽喉科(Medic Media)
【その他】
・学生へのメッセージ
広汎な領域を扱う耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野を、短期間の実習で全てを理解するのは困難ですが、外来実習や病棟実習で積極的に参加し、疑問点は積極的に主治医や担当医に質問して下さい。 難聴のある方、発声出来ない方、食事をうまく取れない方等色々なハンディキャップを抱えた方が外来や病棟にいらっしゃいます。ハンディキャップ抱えた方に対する理解を深めて下さい。 また手術に参加するときは、関連する領域の解剖・生理について十分に予習してきて下さい。
・オフィス・アワー
(月)~(金)8:30~17:00 連絡先:医局秘書室Tel. 023-628-5380、E-mail. jibika@mws.id.yamagata-u.ac.jp <山形大学で教えていること> 上記内容に加え、当教室が世界をリードする内視鏡下耳科手術の概要についてなど、医療の国際化を念頭に臨床実習を行います。
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