臨床実習 (産婦人科)
 Clinical Practice (Obstetrics and Gynecology)
 担当教員:永瀬 智(NAGASE Satoru)、太田 剛(OHTA Tsuyoshi)、清野 学(SEINO Manabu)
 担当教員の所属:医学部医学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):医師として実務経験のある教員が、その臨床経験を活かし、産婦人科領域における疾患や妊娠・分娩について実習及び講義を行う。
 開講学年:4年、5年、6年  開講学期:通年  単位数:61単位  開講形態:実習
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修  
【授業の目的】
産科婦人科学には周産期医学、婦人科腫瘍学、生殖医学、女性医学の4つの診療・研究分野がある。実習では、周産期医学では妊娠、出産、産褥に関する正常および異常を、婦人科腫瘍学では女性生殖器の良性・悪性腫瘍について、生殖医学では婦人科内分泌疾患及び不妊症を、女性医学では思春期や更年期・老年期などにおける女性特有の疾患や健康管理について、診療を通して学ぶことを目的とする。
臨床実習を通じ産科婦人科の基礎と臨床を身につけるとともに、また、産科婦人科の奥深い魅力への理解を深めることを目的とする。

【授業の到達目標】
正常分娩の経過に立ち会い、①正常分娩経過について説明できる【知識・理解】。また、②その異常について適切に判断でき、③対応について説明できる【知識・理解】。
4つの分野それぞれの代表的疾患の診断と治療過程について、実習を通して学習・理解し、産婦人科疾患に対する検査方法について④列挙できる、⑤その中から適切な検査を選択できる、⑥その結果について説明できる【知識・理解】。また、産婦人科疾患に対する治療法について⑦列挙できる、⑧その内容を説明できる、⑨適切なものを選択できる【知識・理解】。産婦人科の診療は、女性生殖器を取り扱うものであり、診療過程において患者さんの心理には羞恥心を伴うものである。実習を通して、その心理を理解し、適切な配慮を伴う行動を学び、⑩適切に患者さんとコミュニケーションする(行動科学)【態度・習慣】。
⑪論文抄読会に参加し、国際的な論文報告による最新の知識を学び、最新知識について調べることができる(国際化)。⑫症例検討会への参加等を通し、国際的なガイドラインに基づいた治療の知識を学び、それを実施できる(国際化)【態度・習慣】。

【授業概要(キーワード)】
周産期医学、婦人科腫瘍学、生殖医学、女性医学(思春期・更年期/老年期)

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:51~75%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
座学で得られた知識を、実際の臨床現場で確実なものとする。
<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目>
1.プロフェッショナリズム
2.医学的知識と問題対応能力
3.診療技能と患者ケア
4.コミュニケーション能力
5.チーム医療の実践
6.医療の質と安全の管理
7.社会における医療の実践
8.生涯にわたって学ぶ姿勢
<医学教育モデルコアカリキュラム(平成28年度改訂版)の該当項目>
A 医師として求められる基本的な資質・能力、B1-3) 根拠に基づいた医療<EBM>、D-9 生殖機能、D-10 妊娠と分娩、D-12-2)内分泌・栄養・代謝系、診断と検査の基本、D-12-3)症候、E-3-2)腫瘍、診断、E-3-3)治療、E-7-1) 成長と発達、胎児・新生児、E7-7-4)思春期、F-1-30) 月経異常、F-2 基本的診療知識、F-3 基本的診療技能、G-2-20)腹痛、G-2-21)悪心・嘔吐、G-2-25)腹部膨隆、G-2-30 )月経異常、G-3 基本的臨床主義、G-4 診療科臨床実習

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
臨床実習では、病棟では自身の担当患者について主治医とともに診察・手術・回診・症例検討会などに参加し、外来では問診や現症のとり方を実習するとともに、診断に至るまでの種々の検査もあわせて実習を行うことにより、産科婦人科医療の実際を学ぶ。
・日程
(月)症例検討会、手術実習、病棟実習、SGT
(火)外来/病棟実習、SGT
(水)手術実習、病棟実習、周産期カンファレンス
(木)外来/病棟実習、SGT、抄読会、症例検討会
(金)外来/病棟実習、SGT、総括(最終週)
詳細については、実習初日にチューターからオリエンテーションがある。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
教科書からではなく患者さんから学ぶという姿勢をもち、積極的に実習に参加する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
系統、臨床講義で学習した知識を整理しておくことで、臨床実習の場における理解向上に役立つと思われる。特に実習中に国家試験問題対策を自ら実施し、実習中に知識を深めておくことを推奨する。
予習・復習に必要な学習時間の目安は1日1~2時間です。
臨床実習の場において生じた疑問点については、積極的に担当教官に質問してほしい。

【成績の評価】
・基準
講義で得られた知識がきちんと整理され、臨床実習の場で応用されているか、回診や総括時の質疑への対応、学習課題の成績に、実習態度、出席、レポート内容・ポートフォリオを加味して総合的に評価する。
・方法
臨床実習での評価および卒業試験により評価する。
再試験は実施しない。

【テキスト・参考書】
池ノ上克 ほか編:Newエッセンシャル産科学・婦人科学(医歯薬出版)
病気がみえる / 医療情報科学研究所編 ; v. 9 産科婦人科・乳腺外科(Medic Media)
病気がみえる / 医療情報科学研究所編 ; v. 10 産科(Medic Media)

【その他】
・学生へのメッセージ
広範囲に学習内容が及びますが、生命の誕生から終末期まで、広く立ち会い学ぶことのできる分野です。積極的に実習に参加し、多くのことを学んでください。
・オフィス・アワー
特に指定しない。(随時)
<山形大学で教えていること>
モデルを用いた内診実習
腹腔鏡シミュレーターを用いた縫合結紮、腹腔鏡手術の実習
ファントムモデルを用いた、胎児超音波検査の実習
モデルを用いた分娩取り扱いの実習、妊婦体験実習
産科スクリーニング外来における、臨床遺伝学の実践現場の実習
体外受精・胚移植や凍結胚移植などの、高度生殖医療の実践現場での実習

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