臨床実習 (麻酔科)
 Clinical Practice
 担当教員:岡田真行(OKADA Masayuki)、飯澤 和恵(IIZAWA Kazue)、森谷真知佳(MORIYA Machika)、小野寺悠(ONODERA Yu)、成澤あゆ香(NARISAWA Ayuka)、鈴木麻奈美(SUZUKI Manami)、黒田美聡(KUROTA Misato)、松浦優(MATSUURA Yu)、早坂達哉(HAYASAKA Tatsuya)、鑓水健也(YARIMIZU Kenya)、黒木雅大(KUROKI Masahiro)、岡野駿介(OKANO Shunsuke)、阿部駿(ABE Shun)、永嶋瞬(NAGASHIMA Shun)、添川清貴(SOEKAWA Kiyotaka)、黒川まい(KUROKAWA Mai)、角田凜太郎(TSUNODA Rintarou)、菊原万希子(KIKUHARA Makiko)

 担当教員の所属:医学部医学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):すべて実務経験を持っており、3年以上30年以下のベテランである。
 開講学年:4年、5年、6年  開講学期:通年  単位数:61単位  開講形態:実習
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修  
【授業の目的】
周術期管理の基礎となる麻酔科学・集中治療医学、そしてペインクリニック、緩和ケア等について習得する。生体に外科的な侵襲が加わり、その侵襲に対して生体を守るために各種麻酔方法がどのように作用するか、そのような合併症があるか、実際の診療を見学、参加することで理解を深めることを目的とする。

【授業の到達目標】
【BSL】1)術前評価、麻酔計画、手術術式について概説できる。2) 麻酔手技の中の用手的気道確保、用手的人工呼吸を経験する。3) 手術と麻酔を通して、侵襲と生体の反応について概説できるようにする。4)周術期の輸液管理について説明できる。5)麻酔中のバイタルサインを読み取る知識を習得する。
6)ペインクリニックの診療について概説できる。
【CCS】麻 酔 1)麻酔科医の患者の見方、考え方、対処の仕方について初歩的な項目を実践できる。2)麻酔器の特徴を理解する。3)用手的マスク換気、用手的人工呼吸を実践できる。4)各種麻酔方法の特徴について説明できる。5)術前評価がひとりでもできるようにする。6)術中麻酔による合併症を挙げられる。7)術後合併症について対処法について述べることができる。
集中治療 1) 集中治療室入室患者の重症度評価について、APACHII、SOFAなどのスコアリングによる評価できる。2) 呼吸管理、 循環管理、代謝管理について説明できる。 3) 院内感染症とその対策について説明できる。
ペインクリニック/緩和ケア 1)疼痛患者の鑑別診断をあげ、疼痛緩和のための治療方法をあげることができる。2)代表的な神経ブロックの適応、方法、合併所を説明できる。3)緩和ケアを必要とする患者さんの疾患、病態、必要とする治療などについて理解を深める。

【授業概要(キーワード)】
周術期管理 麻酔科学 ペインコントロール
集中治療医学

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)>
1 プロフェッショナリズム
2 医学的知識と問題対応能力
3 診療技能と患者ケアの基本的な知識
4 コミュニケーション能力
5 チーム医療の実践
6 臨床医学の科学的研究
7 医療の質と安全の管理

<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)>
A-1 プロフェッショナリズム
A-2 医学知識と問題対応能力
A-3 診療技能と患者ケア
A-4 コミュニケ-ション能力
A-5 チ-ム医療の実践
A-6 医療の質と安全の管理

C-3 個体の反応
C-3-1) 生体と微生物
C-3-2) 免疫と生体防御
C-3-3) 生体と薬物
C-4 病因と病態
C-4-2) 細胞傷害・変性と細胞死
C-4-3) 代謝障害
C-4-4) 循環障害、臓器不全
C-4-5) 炎症と創傷治癒
C-4-6) 腫瘍

D-5 循環器系
D-6 呼吸器系
D-10 妊娠と分娩
D-12 内分泌・栄養・代謝系
D-13 眼・視覚系
D-14 耳鼻・咽喉・口腔系

E-2 感染症
E-3 腫瘍
E-4 免疫・アレルギー
E-5 物理・化学的因子による疾患
E-6 放射線の生体影響と放射線障害
E-7 成長と発達
E-8 加齢と老化

F 診療の基本

G 臨床実習


【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
手術室の麻酔管理、術前診察、術後管理、ICU患者の呼吸循環代謝管理、ペインクリニック外来での疼痛管理について学ぶ。
・日程
4-5年生(BSL:ベットサイドラーニング)
◆オリエンテーション
◆ショートレクチャー:モニター、人工呼吸、血液ガス、他
◆麻酔症例による実習
麻酔方法を理解する。
周術期の呼吸循環動態を把握する。
麻酔レベルの評価、モニタリングの読み取り方を習得する。
◆ペインクリニック外来の見学
対象疾患と治療方法の特徴と合併症について理解する。
◆集中治療室見学実習
◆症例発表、質疑応答
5-6学年(CCS:クリニカルクラークシップ)
1週間単位
◆手術室内麻酔管理
・術前評価、麻酔方法、気道確保、術中管理、覚醒、術後疼痛管理を学び、
基本的な知識を習得する。
・マスク換気、気管挿管、血管確保などの手技を習得する。
◆ペインクリニック/緩和ケア
・麻酔科外来で疼痛管理を見学し、疼痛患者の診断と治療の基本を学ぶ。
・各種、神経ブロックの適応と方法、合併症について学ぶ。
・疼痛管理のためのラダー(WHO)を理解する。
◆集中治療室
・集中治療室入室の適応
・重症患者の評価方法 APACHII、SOFA、その他のスコアリングを行う。
・人工呼吸管理、循環管理、代謝管理を学ぶ。
・呼吸の評価と呼吸管理法、循環動態の把握と治療法、
血液浄化法の適応と病態について説明できるようにする。
・全身管理に必要な基礎医学を再想起し、総合的理解に努める。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
担当教官について
初回は見て、真似をするイメージトレーニングとその根拠について考察する。
次に指導教官のものとで手技の手ほどきを受ける。
成否にかかわらず問題点を検討する。
担当症例については、完璧に熟知し、不明なところがあれば質問、文献検索、その他で疑問点を解決しておく。
一日、100以上の質問を心がける。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
麻酔科の講義、BSLの際に学んだ内容について復習して実習に参加する。
実習前に麻酔科の標準テキストを一読しておく。
興味のある分野、例えば麻酔の中で、心臓血管麻酔、産科麻酔、小児麻酔、脳神経外科麻酔、集中治療の中で、呼吸管理、血液浄化、 ペインクリニックの中で緩和ケア、などなど後学のために見学希望者には機会を与える。
麻酔科学・集中治療医学・ペインクリニック・緩和ケア等の臨床医学は広範囲な領域の医学的知識は必要となる。
疑問点を解決すべく、関連する医学書を同時に読み進め、思考力を高める学習が望ましい。

【成績の評価】
・基準
【BSL】2週目、症例発表と質疑応答を行う。
グループ内での発表会後に教官との質疑応答を行い、質問内容、発表内容で評価
する。
実習に積極的に参加していたか否かも重要な評価とする.
【CCS】3ないし4週目に実習発表会を行う。
質疑応答、ポートフォリオで評価する。
最終的に筆記試験を行う。
・方法
事前に配布されるプリントで予習をする。
ポートフォリオを省みる。
教官からの評価表、試験の客観的評価により最終評価とする。

【テキスト・参考書】
標準麻酔科学
ミラーの麻酔科学
その他

【その他】
・学生へのメッセージ
自分の頭で考える習慣を身に着けること。
疑問な点を見出し、質問、かつ多種類の参考書を熟読し、理解と知識の習得に努める。
意欲的、貪欲に臨むこと。
自分の不足しているものが何かを事前に明らかにして、何を麻酔科で学ぶのかを
具体的に考えてから履修を開始すること。
体調管理を万全として、休むことの無いようにすること。
・オフィス・アワー
BSL:第1・2週月曜日は朝8時手術室カンファランス室集合、その他の曜日は7:45とする
CCS:第1~4週月曜日は8時集合、その他の曜日は7:45集合、ICU研修者はその後、8:20からICUカンファランス室へ移動

<山形大学で教えていること>
実習の中で、血液ガスの読み方、生体モニター・脳波モニター等の読み解き方を学ばせている。
気道確保の手技を取得させる。
手術と麻酔の侵襲となる要因を考察してもらう。
コメディカルとのコミュニケーションの図り方を考える。

41000610-2024-0401-40582